【プログラミングガールズ!】プログラミングに挑戦する女の子たちの友情ストーリー。楽しみながらプログラミング理論も学べる、新しい児童文学です。【小学校中学年以上】
アメリカからやってきた、新感覚の児童文学。プログラマーになりたい女の子が、女の子同士の友情を深めながらプログラムを学んでいく物語です。
この本のイメージ 学べる☆☆☆☆☆ わくわく☆☆☆☆ 楽しい☆☆☆☆
プログラミングガールズ! 1 ステイシア・ドイツ/作 美馬 しょうこ/訳 高橋 由季/絵 石戸 奈々子/監修 偕成社
<ステイシア・ドイツ> アメリカの児童文学作家。これまで100冊以上の子どもの本を書いてきた。映画のノベライズ本の執筆なども数多く手がける。
アメリカからやってきた、新感覚の児童小説。コンピュータープログラミング用語が要所要所で出てくるので、文章自体も横書きで書かれています。ストーリーを追いながら、プログラムの基本を学べるようになっています。ちょっと普通ではない構成をしているので、プログラムにあまり明るくないわたしより、せっかくだから、知人のプログラマーにレビューを書いていただきました。
それではどうぞ!
日本でいえば小学6年生、ミドルスクール6年生の少女ルーシーは、数学が得意でプログラマ志望の女子です。
彼女はガンにかかって闘病している叔父さんのために、役に立つプログラム、アプリを作りたいと考えます。
でも、最初は何もわかりません。そこで、プログラマの母親や、プログラミングの教育を受けているお兄さんら家族に相談するのですが、彼らは口をそろえて、「学校のプログラミング・クラブで手ほどきを受けなさい」というのでした。
本当に初心者向けなもので、クラブの歩みの遅さにいら立つ彼女。
今すぐにでもアプリを完成させたいのに!
そんな彼女の前に、謎の手紙が届きます。
その文面は
if ( プログラミングを学びたいなら ) {
わたしのいうことを全部やれ();
}という謎の言葉
はてさて、(プログラミングの知識があればなんともなじみ深い構文なのですが)この謎の言葉は何を意味するのでしょう。この謎に、ルーシーと仲間の少女たちは力と知恵を合わせて挑むのです。
ーーープログラミングは女性が強い!この本、プログラミング・ガールズという名前からもうかがえますとおり、
主人公のルーシーはもちろん、4人の個性豊かな仲間の女の子たち、そして、クラブの顧問クラーク先生も女性、そして、ルーシーの母親はなんと職業プログラマです。
アメリカの本だなあというかんじがしますねえ。ルーシーが数学に強いというのも、正直、なかなか今の日本では難しい設定でしょう。そんな女子のあこがれがプログラマだというのも、なかなか頼もしく感じます。(ちなみに、人類最初のプログラマはエイダ・ラブレスという女性だったんですよ!)我慢強くて細かいところにも気を配れる、女性はほんとプログラマに向いています。肉体的に強い力もいりませんしね。
それなのに、特に日本ではなぜだか女の子はプログラマのように頭をつかう仕事には向いていないと勝手に思われているようで悲しい限りです。
女性はプログラマに向いている、それも、まだ頭の柔軟なころにプログラミングの基礎の考え方を身に着けるのは、論理的思考の訓練にもぴったりで、将来必ず役に立つと思います。
お忙しいところ、レビューありがとうございました!ストーリーは、クエスト調になっていて、謎を解きながら、プログラムの基礎を学んでいける構成になっています。
ですから、この本を読めば、物語を楽しみながらプログラム理論の基礎を理解できるようになっているわけです。小学生低学年くらいから読めるようになっている話で、とても読みやすいですし、これからは小学校でもプログラムを教えるようになるらしいので、この本は小さなお子様のプログラミングへの導入として、とってもおすすめだと思いますよ。
しかし、こういう本を出版してしまうアメリカは、本当にすごいです。つまり、「女の子もどんどんプログラムを学んでほしい」と言う願いの現われですから……。
プログラマーを増やすためには、まずはプログラマーにあこがれてもらうところから。それには物語などのコンテンツがいちばんです。プログラムができる女の子はとってもかっこいい!登場人物も、いろんなタイプの女の子たちだけど、それぞれがみんな魅力的。
こんなさわやかで明るいプログラマー女子物語を生み出しちゃうアメリカ。これは、素直に脱帽しないといけないと思います。
わたしたちの足元を見ると、焦燥感も感じてしまう本ですが、でも、素直に言って、おすすめの本だと思います!大人が読んでもわかりやすいので、ぜひどうぞ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はほとんどありません。ただただ、ひたすらにさわやかで、明るい、学園物語です。
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