【E.ネズビット】絶対叶うなら、どんな願い事する?アニメーションにもなった、150年前の古典ファンタジー。【砂の妖精】【小学校高学年以上】

2024年1月21日

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砂の妖精 E.ネズビット/作 石井桃子/訳 福音館文庫

ロンドンから遠く離れた田舎の一軒家に移り住んだ、五人のきょうだい。彼らはある日、サミアドという不思議な妖精と出会います。そして…

この本のイメージ 不思議☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆ ちょっぴり皮肉な☆☆☆

砂の妖精 E.ネズビット/作 石井桃子/訳 福音館文庫

 今、世の中には重苦しい雰囲気が流れていますね。

 こんなときは、読書がいちばんです。
温かいジンジャーティーや、生姜入りココアを飲みながら、児童小説やファンタジー小説を読んで、リラックスしましょう。

 いちばん良くないのは、ストレスと睡眠不足ですから。ラベンダーのエッセンシャルオイルなどの入浴剤をいれて、長めの入浴もおすすめですよ。

 おすすめの本はなにがいいかな、と考えて、本日はこれ。E.ネズビットの「砂の妖精」です。

 30年くらい前に、「おねがい!サミアどん」と言うタイトルで、アニメーション化されたことがあります。わたしは、当時のスケジュールの都合で見られなかったのですが、見た人によると「ぜんぜん違ったので、原作のファンは別物だと思ったほうがいいよ」と言っていました。でも、アニメはアニメなりに面白かったようです。(動画を見つけたので、記事の後ろに貼っておきますね。確かに面白いけど、ぜんぜん別物でした)

 田舎に引っ越した五人きょうだいが、一日ひとつだけ、かならず願いを叶えてくれる、不思議な妖精と出会う話です。

 妖精や精霊が願い事を叶えてくれる系の話は、たいていろくなことになりません。この話も、ろくなことにはならないんですが、それはそれで、子どもたちはそれなりに楽しい冒険もします。

 このあたりは、絶妙のさじ加減で、これ以上行ったらホラーになっちゃうな、みたいなところの手前で止めてくれるのです。だから、「怖い」話ではないので大丈夫です。

 サミアドにお願いすると、願い事はちゃんと叶うのですが、いつもあまりいい結果にならず、子供たちはひどい目に遭います。それは、子供たちがほどほどの、ちょうどいいお願い事をしないことと、サミアドが実は人のお願いを叶えることに疲れ果てて飽き飽きしているからと言うのが原因だったのでした。

 ようするに、ブラック労働だったわけですね。

 この設定は、古典ファンタジーだと必ず出てくるのですが、願いを叶えてくれる系の妖精とか精霊とか魔法使いは、たいてい、「自分の願い事」は叶えられないのです。
サミアドもそうで、昔は砂の妖精がたくさんいたので、互いの願い事をお互いに叶えっこして楽しく暮らしていたのですが、今は同族がほとんど死んでしまったので、それができなくなってしまったわけです。

 で、子供たちの行動の正解は、本当は「サミアドの幸せを願ってあげること」なんですけど、なかなかそういうところには辿り着けないのです。

 この話の根底には、そういうテーマが流れていると思います。どんな願いを、どんなときに願うのか、どんな風に願うのか。もし、本当に、絶対に叶ってしまうとしたら。

 確かに、サミアドが言うように、「おいしいケーキを食べたい」みたいな、ささやかで問題のない願いか、そうでなければ誰かの願いが叶うようにと言うお願いが、いちばんいいのかもしれません。

 子供たちはいろんな経験をして、ちょっぴり成長します。サミアドとはこれで別れるけど、このきょうだいの話の続編はあるようです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

不思議な雰囲気のお話ですが、怖くはありません。ネガティブな要素も無いと思います。温かいジンジャーティーか、ジンジャーココアと一緒に、ゆっくりお楽しみください。

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アニメのほうは、子供たちが悪ガキと言うよりサミアどんがひどいやつな感じ。どっちも面白いけど。
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