森の動物の凸凹コンビ。とぼけたふたりの楽しい生活。物語を読み始めのお子様に最適の絵本です。読み聞かせにもおすすめ!

2024年1月26日

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ネズミさんとモグラくんの楽しいおうち ウォン・ハーバート・イー/作 小野原千鶴/訳 小峰書店

ネズミさんとモグラくんは、大の仲良し。でも、食べるものも、おうちも何もかもが違うふたりです。そんなふたりが、お互いをお茶に招待して……

この本のイメージ ほのぼの☆☆☆☆☆ 思いやり☆☆☆☆ 友情とは☆☆☆☆

ネズミさんとモグラくんの楽しいおうち ウォン・ハーバート・イー/作 小野原千鶴/訳 小峰書店

 字が多めの、かわいい絵本のご紹介です。初めて長い物語を読むお子様に、また読み聞かせにもおすすめです。

 ネズミとモグラが大の仲良し!と言うと、ついつい大好きな「たのしい川べ」を思い出してしまいます。
この本のラストでネズミさんとモグラ君が池にボートを浮かべて遊び、柳が風に揺れるシーンがあるので、作者はきっと「たのしい川べ」が好きなんだと思います。

 「たのしい川べ」では、川ネズミとモグラはネズミくんの家で一緒に暮らしています。また、かなり人間に寄せているので、サンドイッチやパイを食べたり、馬車や自動車に乗ったりします。

 こちらのネズミさんとモグラくんは、ネズミさんが女の子で(たぶん)、モグラくんは男の子です。どちらも、挿絵では服を着てますし、かわいいおうちに住んでいて、台所やリビングがありますが、食べているものはモグラくんがミミズ、ネズミさんはチーズといったふうに、現実の動物に近い生活のようです。

 お話は、生態の違うふたりが、仲良くなってゆく過程をほのぼのと描いています。ネズミさんとモグラくんは、一緒に暮らしてはいないけれど、同じ木のうろの上と下と言うくらいには近所の間柄です。

 けれど、明るくてあたたかい場所に住んで、チーズが好物のネズミさんと、暗くて涼しくてじめじめしているおうちが心地よくてミミズが好物のモグラさんでは、一緒にお茶をするのも難しいことでした。

 そこで二人はどうしたでしょう?彼らは互いを思いやって、互いにプレゼントをしたのです。モグラくんは、ネズミさんが薄暗い自分の家に来るときのためのろうそくを。ネズミさんは、モグラ君が陽のまぶしい自分の家に遊びに来るときのためのサングラスを。
かくて、めでたし、めでたし。

 これ、人間にもあてはまりますよね。音や光などに敏感で、まぶしい場所や騒がしい店に普通の人と一緒にいられない人は、現実にもいます。暑さ寒さの体感の差なんて、よく会社で女性社員と男性社員の「クーラー問題」として毎年夏には話題になります。

 このような、人それぞれの「違い」をどう乗り越えていくか、と言うお話なんだと思います。

ネズミさんとモグラ君は、互いを思いやって、工夫を凝らして楽しく過ごします。こんなに違うふたりなのに、ふたりは大親友なんです。

 小さなお子様が読んでも、読み聞かせで親子一緒に読んでも、多くのことを学び取れ、楽しめる絵本です。四月から環境が変わり、いろんなお友達と出会う季節です。
様々な個性を受け入れて、楽しく仲良くするコツがたくさん詰まっています。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

ネガティブな要素はいっさいありません。むしろ、敏感で繊細すぎる方には、おすすめの絵本です。休日の午後に、好きな紅茶とビスケットなどをお供に、ぜひどうぞ。小さいお子様へのプレゼントにもおすすめです。

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