70年代~80年代のアメリカで大人気だったルース・チュウのファンタジー。掃除機に乗った迷惑魔女と黒猫の大騒動!読み聞かせにもおすすめ【小学校中学年以上】

2024年1月26日

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水曜日の魔女 ルース・チュウ/作 日当陽子/訳 たんじあきこ/絵 フレーベル館

お母さんはお出かけ。留守番のメアリー・ジェインは、こっそりお母さんの香水をつけてみました。香水の名前は「やっかいごと」。その香りに惹かれてやってきたのは、なんと…

この本のイメージ 楽しい☆☆☆☆☆ ゆかいな☆☆☆☆☆ 猫かわいい☆☆☆☆

水曜日の魔女 ルース・チュウ/作 日当陽子/訳 たんじあきこ/絵 フレーベル館

 ルース・チュウの「魔女の本棚」シリーズの第二弾です。
日本人にはあまりなじみがありませんが、ルース・チュウは70~80年代にアメリカの少年少女のあいだで知らない者はいならいくらいの人気があった児童小説家だそうです。さしずめ、「アメリカの藤子不二雄」と言ったところ。

 お話は、魔女がでてくるのだけが共通点で「魔女の指輪」とは別のお話です。主人公はメアリー・ジェイン。不思議なことにもすんなり対応できる、おちゃめな女の子です。

 お留守番中のメアリー・ジェインは、お母さんの香水をこっそりつけてみました。香水の名前は「やっかいごと」。すると、やっかいごとの匂いをかぎつけて、魔女がたずねてきたのです。
メアリー・ジェインはお母さんの言いつけを守ってドアを開けないでいると、魔女は怒って帰っていきました。

 思いがけない「落し物」を残して。

 メアリー・ジェインは、魔女の落し物……黒猫を拾って育てようと決心します。
そこから、上を下へのドタバタコメディーがはじまります。

 この魔女、ほうきじゃなくて、「ジェイムズ」っていう掃除機に乗って空を飛ぶんです。
わたしたちくらいの年齢で、掃除機にまたがって空を飛ぶ魔女というと、まっさきに頭に浮かぶのは、鳥山明先生の「Dr.スランプ」に出てくるアラレちゃんです。(アラレちゃんは魔女じゃなくてアンドロイドだけど)
だから、掃除機にまたがって飛ぶってことにまったく違和感がないんですよね。むしろ、なんだかなつかしい。

 物語の途中では、メアリー・ジェインが友達のマリアンと一緒に掃除機に乗って空のドライブを楽しみます。女の子はみんな、魔女の素養があるようです。

 登場時にとても怖そうだった魔女は、実はとぼけていて愛嬌たっぷり。魔女と闘って退治する系の話と思いきや、魔女と一緒に暮らすコメディでした。
子供って、とにかく親に内緒で猫とか飼うの大好きですよね。そこに魔女が加わっちゃう。そんな感じの話なのです。

 お話は、次から次へのジェットコースターのように話が転がるコメディなので、親子で笑いながら読み聞かせをすると楽しいでしょう。


終始、軽快でテンポよく、深刻なところはひとつもないので、お子様がちょっと落ち込みがちなときは、とてもおすすめです。
また、字は大きくて読みやすく、漢字にはルビが振ってあります。文章のボリューム的にも、長い物語を読み始めの年齢にはちょうどよい長さです。

 読書トレーニングの手始めとしても最適だと思います。
幼児期の読書量は、その後の人生を左右するほど大切ですですから、小さなお子様には時間があるときには読書をしてほしいのですが、つまらない本だと本を読むこと自体が嫌になってしまいがち。

 ルース・チュウの本は、とにかく楽しくて説教くさいところがひとつもないので、長い小説を一冊読みきるトレーニングには最高の知育教材になるでしょう。小説を読み始めたばかりのお子様にぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素は一つもありません。悪者退治のような話でもなく、ひたすら楽しいドタバタコメディです。教訓的な要素もありません
字が適度に大きく、話が適度に長いく、堅苦しいところがないので、小さなお子様の小説読みはじめにおすすめの本です。プレゼントにも。

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