【ルドルフとイッパイアッテナ】野良猫二匹の男の友情!キョウヨウのある猫たちの大冒険。【小学校中学年以上】

2021年6月12日

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ルドルフとイッパイアッテナ 
斉藤洋/作 講談社

ぼくはルドルフ。ひょんなことからトラックに乗って、生まれ故郷から東京にやってきた。そこで出会ったトラネコのイッパイアッテナ。彼はなんと字が読める猫なんだ…… ルドルフとイッパイアッテナの素敵なのらねこ生活。

この本のイメージ ねこかわいい☆☆☆☆☆ ねこかしこい☆☆☆☆☆ あだ討ち☆☆☆☆☆

ルドルフとイッパイアッテナ 斉藤洋/作 講談社

<斉藤洋>
日本のドイツ文学者、児童文学作家。亜細亜大学経営学部教授。作家として活動するときは斉藤 洋と表記する。代表作は「ルドルフとイッパイアッテナ」「白狐魔記」など。

 初読です。
 有名な児童小説ですが、読んだことがありませんでした。初版は1987年です。
「白狐魔記」を先に読んでいて、人化した動物を描くのが上手い作家さんだな、と思っていましたが、デビュー作が猫ものだったんですね。

ルドルフとイッパイアッテナ 
斉藤洋/作 講談社

 飼い猫だった黒猫ルドルフが、事故でトラックに乗せられてしまい、たどりついた東京の下町で野良猫のイッパイアッテナと仲良くなって、様々な冒険をするストーリーです。

 このイッパイアッテナっていうのは、彼がルドルフに自己紹介したときに「俺の名はいっぱいあってな」と言ったのがきっかけ。つまり、トラとかボスとかタイガーとか、人によっていろんなふうに呼ぶんだよっていう意味だったのですが、「イッパイアッテナ」と言う名前だとルドルフが勘違いしてしまったのが由来。

 こんなへんてこな名前で呼ばれても、明るく受け入れているイッパイアッテナが本当におおらかですよ。
まるで「ブタゴリラ」なんて、とんでもない名前で呼ばれても、明るく「おうっ」って返事してくれる熊田君みたいです。

 このイッパイアッテナ、なんと字が読めるのです。昔の飼い主が字を教えてくれたのですね。そして、捨て猫になってからも自分で国語辞典や漢和辞典を読みながら、どんどん「キョウヨウ」を深めていったというわけ。

 キョウヨウのある猫、イッパイアッテナは、ルドルフにもキョウヨウを授けてくれます。

 最初は学校に忍び込み、学級文庫の本を読むことを覚え、そのあとは学校の図書室に入り、そして、世の中には図書館という、もっともっと大きくて広い、本がたくさんある場所があることを教えてもらうのです。
こんなふうに、読者に「本を読むこと」の楽しさや、図書館のすばらしさを知ってもらう流れがさりげなく入っているのも作者の読書への愛が伺えます。

 ルドルフは字が読める野良猫になり、それによって自分の故郷を知り、バスに乗って帰ろうと考えます。ところが……というストーリー。

 最初は淡々とお話が進みますが、ラスト近くの「猫の敵討ち」のあたりは、胸が熱くなります。「白狐魔記」でも、あだ討ちエピソードが多いのですが、おそらく作者はあだ討ちに思い入れがあるのでしょう。

 知識に対する興味をかきたてつつ、児童小説らしい、すがすがしい友情を描いた「ルドルフとイッパイアッテナ」。猫好きな方にもおすすめの一冊です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。ほのぼのとして、さわやかな猫の友情物語です。猫好きな方には、とくにおすすめ。読み聞かせにもぴったりです。(多少、演技力が必要になりますが…)
読んだ後の晩御飯は、クリームシチューをどうぞ。

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