【クレストマンシー】大魔法使いの少年時代。「ハリー・ポッター」と双璧を成す、魔法使いファンタジーの最高峰シリーズ【クリストファーの魔法の旅】【小学校高学年以上】

2024年2月13日

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クリストファーの魔法の旅 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 田中薫子/訳 徳間書店

クリストファーは幼いころから不思議な夢を見ていました。岩場を抜けて「谷」に行くと、谷ごとに様々な別の世界に行けるのです。クリストファーが別の世界に旅をする能力があると知ったラルフ伯父さんは、奇妙な頼みごとをするのでした……。大魔法使いクレストマンシーシリーズ、クリストファーの少年時代の物語です!

この本のイメージ 魔法☆☆☆☆☆ 多元宇宙☆☆☆☆☆ 人に歴史あり☆☆☆☆

クリストファーの魔法の旅 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 田中薫子/訳 徳間書店

<ダイアナ・ウィン・ジョーンズ> 1934年イギリス生まれ。オックスフォード大学セントアンズ校でトールキンに師事。イギリスを代表するファンタジー作家。作品に「魔法使いハウルと火の悪魔」など。

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「大魔法使いクレストマンシーシリーズ」の、クリストファーの少年時代です。本国では四冊目に刊行されています。刊行順に読むとしたら、「魔女と暮らせば」のあとは「トニーノの歌う魔法」です。

さて、今回の物語は……

 クリストファーの両親は、彼が物心ついたころからずっと仲が悪く、目の前に相手がいても間にいるメイドに伝言させて話すくらいの険悪な状態が続いていました。

 そんなクリストファーに優しくしてくれたのはラルフ伯父さん。伯父さんは、彼に奇妙な頼みごとをします。夢の中である男と落ち合って、一緒に行動してあげてほしい……。そう、クリストファーは、不思議な夢を見る少年だったのです。

 夢の中には、クリストファーが「あいだんとこ」と呼ぶ、たくさんの「谷」に降りる岩場があります。その岩場を抜けると、様々な世界に行くことができるのでした。

 そんな不思議な体験をしていたクリストファーは、やがて学校に行くようになり、そして、学校での事故で何度も瀕死の重傷を負うはめになります。

 彼の身を心配した父親は、クリストファーを探知能力者ポーソン博士のもとに預けます。
そこで彼は驚愕の事実を知らされるのです……。

 と言うのが今回のあらすじ。

 ジョーンズの小説はとにかく面白いのですが、すべてのエピソードがパズルのように絡み合っており、詳しく書くとネタバレになってしまうので、ご紹介が難しいのです。

 ただ、この「クレストマンシーシリーズ」はどれを取っても面白いので、「ハリー・ポッター」などの魔法世界ものがお好きな方は、ぜひお読みいただきたいです。ハウルとはまた違った魅力の物語です。

 ジョーンズ作品の常で、女性キャラが強くて魅力的。そして、猫がかわいいんです。(凶暴ですが)

 風呂敷を広げていく段階は、「この話はどこへ行くんだろう……」と想像もつかない突拍子もなさなのですが、ラスト近くにぱたんぱたんとたたんで行く過程が、複雑なパズルがすいすいとはまって完成していくようで気持ちがいいです。

 もちろん、見事なハッピーエンド。

 個人的には、この物語で紹介されているアンジェラ・ブラジル著「ミリーシリーズ」って言うのを、読んでみたいのですが、日本では翻訳されていないようです。海外ではかなり有名な少女小説らしく、ジョーンズがこんなに推しているんだから、間違いはないはず!
出版社さま、お願いします!

 現実を離れて、ちょっと不思議体験したいときにおすすめの小説です。ファンタジー好きのお子様にはもちろん、大人も楽しめます。読みやすい文章なので小学校高学年から。「ハウル」シリーズが好きなら、読んでみてくださいね。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はほぼありませんが、クリストファーが大怪我をするシーンがちょっとだけ怖いかも。「そういうシーンがあるのだな」と事前に身構えていれば大丈夫なら、おすすめです。すっきりとしたハッピーエンドで、主人公たちはみんな幸せになります。
 家族愛も描かれていて、少年は成長しますし、不思議な設定ですが物語そのものは正統派の児童小説です。
 あたたかい英国紅茶をお供にぜひどうぞ。

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