【あなたがだいすき】自己肯定感を高めるロングセラー絵本。誕生日のプレゼントや読み聞かせに。大人にも【2歳 3歳 4歳】
わたしは あなたが だいすきです……シンプルで愛情あふれる言葉と、大きな動物が小さな赤ちゃんを抱きしめる、あたたかみのある絵の数々。せかいで たったひとりの あなたのための絵本です。
この本のイメージ 愛☆☆☆☆☆ 安心☆☆☆☆☆ 命の尊さ☆☆☆☆☆
あなたがだいすき 鈴木まもる/作 ポプラ社
<鈴木まもる>
1952年、東京都に生まれ。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さしえ賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。
最近、テレビでも話題の「自己肯定感」。これは自己肯定感を育む絵本です。自己肯定感とは、自分自身を良いところも悪いところも全部ひっくるめて受け入れる心のことです。(誤解されがちですが、「自己正当化」や「自己中心的自己愛」とは似て非なるものです。「誇り」と「見栄」の違い、「自信」と「思いあがり」の違いのようなものですが、自己肯定感は誇りや自信とおなじで、自分自身の内側から来る想いです)。
この自己肯定感が育っているこどもは、大人になっても失敗を恐れず、柔軟な心で未知のことに挑戦したり、困難に立ち向かうことができるといわれています。
「おりこうだから」「役に立つから」「かわいいから」「成績がいいから」ではなく、「あなただから」大好き。そういう言葉で育った子どもは自己肯定感が育っています。だって、どんな失敗をしようが自分の根幹はゆるがないと知っているからです。
けれど、日本人はなかなかそういうことは口に出せません。テストでいい点を取った時、家のお手伝いをしたとき、おそうじをしたときなど、何かあったときにほめることはできても、なんでもないときにほめるのは難しい人が多いのではないでしょうか。
そんなときに、絵本が力をくれるのです。
「せんろはつづく」の鈴木まもる先生の小さな絵本です。2002年に出版されてから、根強く愛されるロングセラーですが、読めば納得。
文章はとてもシンプルで、「あなたが だいすき せかいで いちばん あなたが だいじ」など、親が子どもに投げかける言葉が各ページごとに書かれています。
そして、それぞれのページに、小さな赤ちゃんを抱きしめる大きな大きな動物が描かれ、その赤ちゃんの安心した表情が「生まれてきた幸せ」に満ちています。
自分の思い出話になってしまって恐縮なんですが、幼いころ、わたしを可愛がってくれた祖母が猫を飼ってまして、その猫が家族で一番仲良くしてくれたのは、わたしでした。「たま」って言うんですけども。
「たま」はうちで何度も子猫を生んで、その子たちは近所の人たちにもらわれていきました。メスだったけれど、近所ではボス猫みたいな扱いだった気がします。
たまの特等席は、わたしの勉強机の一番下の深い引き出し。たまのために、座布団を敷いてあげていました。わたしが勉強しているときには、一番下の引き出しをいっぱいに開けておけば、いつのまにかそこでたまが寝ていると言うわけでした。
ある日、いたずら心で、眠っているたまの入った引き出しを、そのまま閉めてしまったことがあるのです。鳴き声がしたら開けてあげようと思って。
ところが、一時間くらいしてもウンともスンとも鳴き声がしないので、こわくなって、またそーーーっと開けてみたんですよ。
すると、たまは起きていて、澄んだ瞳でじーーーっとわたしを見ているんです。
「あなたがわたしにひどいことするなんて、絶対にないって信じてましたよ」って言う顔で。
わたしは、雷に打たれたような、神聖な気持ちでたまをそーーっと撫でたのを思い出します。
なんという母性でしょう。
こんなちっちゃな猫の身体の中に、どうしてこんなに深い愛情が詰まっているのでしょう。
人間だから優れていてかしこくて、動物だから劣っているだとか、そんなことなんて全然ないんだなと感じたのを強くおぼえています。
この絵本には、ゾウやカンガルー、キツネやクマが、小さな赤ちゃんを包み込むように抱きしめている絵にあたたかい言葉が添えられています。親の愛を大きな大きなふかふかの(ゾウは毛がありませんが)動物で描いていて、それが様々な動物、様々なかたち、様々な言葉で繰り返し繰り返し表現されます。
小さなお子様のためにお父さんお母さんが読み聞かせをするのもいいでしょうし、胎教にもいいでしょうし、お誕生日のプレゼントにも、そして、大人の和みタイムに読むのもおすすめです。
小さな本なので、カバンに入れて持ち歩くこともできます。いい本なので、家に何冊あっても、かぶっても問題なし!お孫さんやお友達へのクリスマスプレゼントにも最適です。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
感受性豊かな方にこそ読んでいただきたい絵本です。繊細なHSCのお子様だけでなく、大人にも。妊娠中のお母様の胎教にも、思春期のお子様へのお誕生日プレゼントにも、そして、会社でがんばる大人の癒しにも、全年齢におすすめの絵本です。
元気の出ないときには、カバンにひそませておいて、お昼休みに読みましょう。ささくれだった気持ちをじんわり癒してくれます。
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