【まっかなせーたー】秋にぴったりの茜色の絵本。子リスたちの秋の1日。【0歳から100歳まで】

2024年2月27日

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まっかなせーたー いわむら かずお/絵と文 至光社

ぱろ、ぴこ、ぽろは、子リスの三きょうだい。秋になり、お母さんから手編みのセーターをもらって大喜び。みじのような赤い赤いセーターです。三匹は、赤いセーターを着て、森に出かけました。森も真っ赤に色づいて……

この本のイメージ 赤いものいっぱい☆☆☆☆☆ 一家団欒☆☆☆☆☆ 動物かわいい☆☆☆☆☆

まっかなせーたー いわむら かずお/絵と文 至光社

<いわむら かずお>
日本の絵本作家。「14ひきのシリーズ」(童心社)や「こりすのシリーズ」(至光社)は国内だけでなく、フランス、ドイツ、台湾などでもロングセラーとなり、世界の子どもたちに親しまれている。
「14ひきのあさごはん」で絵本にっぽん賞、「14ひきのやまいも」などで小学館絵画賞、「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」(偕成社)でサンケイ児童出版文化賞、「かんがえるカエルくん」(福音館書店)で講談社出版文化賞絵本賞受賞。2014年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。1998 年4月栃木県馬頭町に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館。絵本・自然・子どもをテーマに活動を始めた。

「14ひきのシリーズ」のいわむら先生の秋の絵本です。1984年初版のロングセラー。
 絵本は、サイクルが早くて、いいなと思うものが出版されてもすぐに絶版になってしまいます。そのような業界でロングセラーとして愛されているのは、やはり強い吸引力を持つものばかり。

 特に、1980年代は日本が景気がよかったので、子どものための名作が多く生まれました。子どもにやさしい社会というのは、どうしてもある程度の豊かさが必要になってしまいます。

 この時代からのロングセラー絵本や児童小説は、あたたかみのある、やさしい雰囲気のものが多く、大人が読んでも心が和みます。いわむら先生の作品は、きょうだいが多い設定なので、今のお子さまにはそれも新鮮なのではないでしょうか。

 14匹というのはさすがに多すぎとしても、いまは、3人きょうだいでもめずらしい時代になってしまいました。また、住宅事情も大きく変化しており、5人以上の家族がひとつの家で暮らすというのも、あまり見られなくなっています。

 「こりすのシリーズ」は、ぱろ、ぴこ、ぽろの3匹きょうだい。ぱろとぽろが男の子で、ぴこが女の子です。
 この子リスたちに、おかあさんがおそろいの真っ赤なセーターを編んであげます。
 3匹は大喜び。

 男の子が2匹もいるのに、おそろいの「赤い」セーターだと言うのがいいんです!

 昔は、「青が男の子の色」「赤が女の子の色」と言われていました。幼稚園の備品なども強制的にその色分けだったのです。でも、赤系の色って、似合う男の子が多いんですよ。とはいえ、日本では戦隊シリーズの主人公がレッドなので、現代では男の子が赤を着るのはそんなに抵抗がなくなってきたかもしれません。

 色で性別を分けるのなんて、ほんとうにナンセンスです。誰であろうと、好きな色、似合う色を着ればいいのにと思ってしまいます。

 だいたい、スカートだって、本来はキルトと言う男性の服だったんですよ。そして、生物学的に言っても、男は身体を冷やしてもいいけれど、女子は下半身を冷やさないほうがいいじゃないですか。
 本来なら男子がスカートで女子がズボンのほうが合理的なのです(暴論)。いや、だからと言って今そうしろとは申しませんけれども。(女の子のスカート姿はかわいいし好き)

 わたしは男の子がズボンの上にシャツを巻いてスカートっぽくひらひらさせているのをかわいいと思っていた人なのですが、ああいうのは昔の流行ですから、たぶんもう時代遅れなんでしょうねえ。(いつも好きな服を好きなように着ているので、流行がわからない……(汗))

 閑話休題!(話がずれまくりだろう)

 子リスたちは、お母さんの編んでくれたセーターを着て森に出かけます。緑だった森は真っ赤に色づいていて、3匹はうきうきしながら、たくさんの赤いものを見つけます。

 渡り鳥にセーターをほめてもらったり、赤いきのこや赤い実を見つけたり、冬眠前に真っ赤な柿をたくさん食べているくまさんに出会ったり……。

 そして、大きな大きな夕日。

 字は全部ひらがなで読みやすく、絵はいつものいわむらワールドで、あたたかな、染み入る色彩です。お子さまなら、読んだ後、身近な赤いものをさがして楽しくなるでしょうし、大人ならなつかしい気持ちになるでしょう。

 だいたい、2歳から4歳くらいまでが対象の絵本ですが、絵本には「0歳から100歳まで」とあります。大人にも楽しんでもらいたいというねがいがこめられています。

 3人きょうだいさえ珍しくなった昨今ですが、小さなおうちに5匹が暮らす秋の日々を描いた絵本は、郷愁に満ちた魅力があり、大人の和みタイムにもおすすめです。もちろん、読み聞かせにも。
 お父さんお母さんがお子さまに。お子さまがおじいちゃんおばあちゃんに読み聞かせしても喜ばれるのではないでしょうか。

 週末に、お風呂上りに、秋の夜長に。この季節こそ、ゆったり楽しんでいただきたい絵本です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。愛らしいリスたちの、あったかい秋の絵本です。子リスたちが、表情豊かで生き生きとしています。何もかもが赤く染まる季節にぴったり。
 読後には、おいしい柿など、秋の果物とあたたかいお茶をご用意くださいね。

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