【ヘンゼルとグレーテル】グリム童話の古典を絵本に。兄と妹の不思議なサバイバル【5歳 6歳 7歳】

2024年1月21日

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ヘンゼルとグレーテル のおはなし グリム/原作 バーナデット・ワッツ/文・絵 福本友美子/訳 BL出版

ヘンゼルとグレーテルは貧しい木こりの子どもたちです。ある飢饉の年の夜、お父さんとお母さんがこっそり相談しているのを聞いてしまいました。「もう食べ物がない。明日、子どもたちを森に捨ててこよう。」…… (ヘンゼルとグレーテルのおはなし グリム/原作 バーナデット・ワッツ/文・絵 福本友美子/訳 BL出版)

この本のイメージ きょうだいの絆☆☆☆☆☆ サバイバル☆☆☆☆☆ 家族再生☆☆☆☆☆

ヘンゼルとグレーテルのおはなし グリム/原作 バーナデット・ワッツ/文・絵 福本友美子/訳 BL出版

<バーナデット・ワッツ>
1942年、イギリスに生まれる。ケント州のメイドストーン美術学校で学び、絵本作家のブライアン・ワイルドスミスに師事。1969年『赤ずきん』がドイツの最優秀児童図書に選ばれ、同年、ボローニャ国際児童図書展にてグラフィック賞受賞。イギリス、ケント州在住

 今日は絵本です。誰もが知っているグリム童話もご紹介しておこうと思い、本日はこれをセレクト。なんか最近は、本で変身するヒーローがいるみたいですね。どんなきっかけでも、本を読む人たちが増えるとうれしい。

 いろんな「ヘンゼルとグレーテル」のなかで、これがいちばん好きだと感じたので、おすすめします。

 お話は、もう誰もがご存知だと思うのですが、かいつまんで書きますと、

 ヘンゼルとグレーテルは、ある貧しい木こり夫婦の子どもたちでした。奥さんは二度目の奥さんで、飢饉の年に二人の子どもを森に捨てようと言います。
 一度目は、ヘンゼルがポケットに石を隠し持ち、歩きながら石を落としていったので、置き去りにされたときも小石をたどって家まで戻りました。

 二度目は石を用意する暇がなく、パンをちぎって道に捨てながら歩きましたが、パンは鳥に食べられてしまい、帰り道を見失ってしまいます。

 二人は森で迷ううち、お菓子で作られた奇妙な家に迷い込みました。しかし、そこは魔女の家で、ふたりは捕まって食べられそうになります。そこを、ふたりが知恵を出し合って、魔女を出し抜き、おそろしい魔女をオーブンに押し込んで逃げ出します。
 家に戻ると、継母はいなくなっており、魔女の家から持ち帰った財宝のおかげで優しいお父さんとふたりの子どもは幸せに暮らしました。

 と、言うあらすじです。

 くわしい説明はされていませんが、たいていの絵本などでは継母と魔女が同じ顔で描かれていることが多く、同一人物であることを匂わせています。この絵本でも、継母と魔女は似ていますね。

 グリム兄弟は土地に伝わる昔話を集めて編纂した人たちですが、その時代にはこの物語のように「口減らし」と言って食べ物が足りないことを理由に、子どもや老人を森や山に捨てていくことがありました。(日本でもありました)

 「ヘンゼルとグレーテル」はそのような昔の風習がもとになった童話ですが、生き延びた子どもたちが家に帰ってきて、家族が仲良く暮らすようになるのは「どんなに苦しくても生きることをあきらめてはいけない。そして、どんなに苦しくても子どもは捨ててはいけない」と言う教訓が含まれているように思います。

 この絵本は、文章が多めなのですが、ふたりの子どもたちが魔女の家に捕まったあとで、ヘンゼルが知恵を使って魔女を騙して時間を稼いだり、グレーテルが知恵と勇気を出して魔女を倒したりする場面、親切なアヒルが池をわたらせてくれる場面などが省略されておらず詳しく書かれているので、物語が伝えたかったことが、かなりわかりやすいと思います。

 また、お菓子の家の絵がかわいくておいしそうなんです。(重要ポイント)
 「ヘンゼルとグレーテル」の絵本でいちばん重要なのは、お菓子の家の魅力ではないでしょうか。いろんな絵本がありますが、この絵本のお菓子の家がいちばんです。

 ヘンゼルとグレーテルのふたりも、あたたかみのある筆致で素朴な魅力が伝わってきます。
 気のいいお父さんと再会し、末ながく家族一緒に暮らすハッピーエンド。そして、かわいいアヒルや、美しい森の絵が癒しを与えてくれます。

 古典童話の絵本も必要かな、「ヘンゼルとグレーテル」なんてどうかな、とお考えなら、この絵本を。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 典型的な家族再生物語なので、感受性の高いお子様のほうが様々なことを感じ取れると思います。過酷な運命に対して、子どもたちが常にあきらめず、知恵と勇気で乗り切る話なので、つらい状況にあるお子様にもおすすめです。

 お菓子の家がとてもかわいくておいしそうです。
 読後は、熱々の紅茶と、できるだけかわいいお菓子をご用意くださいね。

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