【タイムライダーズ】世界中でヒットしたタイムトラベルSF。完結まで読めるかな?【中学生以上】

2024年2月28日

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タイムライダーズ 1 & 2  アレックス・スカロウ/作 金原瑞人/樋渡正人/訳 小学館

1912年のアイルランドの少年リアム、2010年のアメリカの少女マディ、2026年のインドの少女サルは、2001年のニューヨークに集められ、タイムライダーズとなった。それは、タイムマシンによる時間汚染を修正するための秘密の組織で……

この本のイメージ SF☆☆☆☆☆ タイムトラベル☆☆☆☆☆ アクション☆☆☆☆☆

タイムライダーズ 1 & 2  アレックス・スカロウ/作 金原瑞人/樋渡正人/訳 小学館

<アレックス・スカロウ>
1966年イギリス生まれの作家。大学卒業後ロックギタリストとして活動。その後、グラフィック・アーティスト、ゲームデザイナー、シナリオ作家を経て、作家となる。

 このブログは、わたし自身の読書記録もかねていますので、入手困難本やシリーズ途中で刊行が止まっているものでも、面白いと思ったらどんどんご紹介してゆくスタイルなのです。アフィリエイトをするなら、絶対、ハードカバー新刊をばりばりご紹介したほうがいいとわかっているのですが…… 

 「タイムライダーズ」は、世界中で読まれているベストセラーSFだそうです。すごく面白いのですが、日本では刊行が途中で止まっています。(本国では完結しているようです)

 この小説は、いわゆる「ヤングアダルト」と言う、中学生から高校生を中心とした若者向けの小説ジャンルに入ります。
 これ、「ライトノベル」とどう違うのか調べたのですが、どうやらもとは海外の用語だったようです。だいたいは同じ意味なのですが、少しだけニュアンスが違うようです。

ヤングアダルトとライトノベルの違い

 ・ヤングアダルト  高校生くらいの若者を読者として想定された小説。若者が図書館で借りて読むことを想定している。図書館ではYAと分類される。

 ・ライトノベル   日本のパソコン通信コミュニティ「ニフティーサーブ」で生まれた造語。「アダルト」という言葉が日本では別の意味を持つため、本来の「ヤングアダルト」が持っていた言葉の意味を日本語で伝えるために生み出された。高校生くらいの年齢の読者を楽しませるために書かれた小説だが、読みやすく軽い風味の小説を好む人なら年齢関係なく読むことを想定している。

 こう読むと、海外の「ヤングアダルト」は、「若者に読ませたい」小説であり、日本のライトノベルは「若者が好んで読む」小説、と言う意味合いが含まれるようです。

タイムライダーズ とは?

 イギリスの作家アレックス・スカロウの書くヤングアダルトSF小説です。このサイトでは、ほぼほぼ初めてに近いかもしれない、SF小説のご紹介になります。
 ブログを開設してから、最初は毎日更新、息切れしてからは日曜以外更新を続けてまいりましたが(でも、体調の悪いときはそれ以外でも休みます。健康がいちばん)、SFって、紹介していなかったかも。

 お話は……

 沈没直前のタイタニックから、墜落寸前の飛行機から、そして未来のインドからそれぞれ「死ぬはずだった」少年少女が選抜され、タイムライダーズが結成されます。

 未来のある時点で発明された「タイムマシン」による「時間汚染」と呼ばれる犯罪に対抗するため、変更された歴史を修正するために生まれた組織でした。この組織の創設の経緯や、技術と資金のバックボーンなどすべて謎のまま話が進みます。

 タイムマシンによって引き起こされた、第二次世界大戦の歴史変更━時間汚染━を修正するために、アイルランドの少年リアム、ニューヨークの少女マデレーン、ムンバイの少女サリーナが、人造人間のボブとともに奮闘します。はたして、汚染された時間は、修正されるのか?

 と、いうのが今回のあらすじ。

 タイムライダーズの目的ははっきりしましたが、それ以外の詳細は謎のまま。
 けれども、「次は何がおきるのかな、何がおきるのかな」とわくわくしながら読めるので、あっと言う間に読めてしまいます。小説版「少年ジャンプ」という感じなので、あんまり小説を読んだことがない人でも、「少年ジャンプ」が好きなら、面白く読めると思います。

 第1話は、第二次世界大戦でナチスドイツが勝ってしまった世界の歴史を修正するお話です。過去に飛んだある男の干渉で、第三帝国が敗北せず、ヨーロッパやアメリカを占領してしまい、その歴史を主人公たちが修正するべく戦います。

 Amazonドラマの「高い城の男」と、ちょっぴり似たところもありますね。(実はシーズン2の途中までしか見てないんですが。なんかものすごく話が進んでいて、どうやら完結しているようです。見なくては……)

 タイムライダーズでは、歴史上のできごとがかなり詳しく書かれているため、読んだ青少年が歴史に興味を持ち、横展開で歴史の本を読むことを期待しているようです。アメリカの低学年児童向け小説「マジックツリーハウス」もそんな感じです。

 日本でも一時期「架空戦記もの」と言う、「歴史のあの時、あの部隊が勝っていたら」のような小説が流行したことがあります。タイムクライムミステリーや、タイムトラベルSFでもよく取り上げられる題材ですが、歴史ミステリーの要素もからんだりして多くの人々に愛されます。

 わたしは、歴史マニアというほどでもなく、覚えたこともすぐ脳から出て行ってしまうほうなので、本気の歴史マニアの方々ほどは細かい部分を楽しめないと思うのですが、こういうお話は大好きです。
 詳しい人が解説してくれたら、きっと何重にも楽しめるでしょうね。

歴史とSFが好きな人に

 SFのような不思議かっこいい系の話と、歴史が好きな人におすすめの小説です。第二次世界大戦の時代に突っ込んでゆくお話なので、当然、ばんばん人が死にます。一応、残虐シーンや流血シーンについては気をつけて書かれていますが、現代の日本の少年漫画ていどには、あります。ですから、そういうシーンが大丈夫な方向け。
 ただし、ストーリーは基本的に正統派の少年漫画風なので、謎は残しつつも読後感はすっきりしています。

 また、人造人間のボブと、はるかな過去から来た少年リアムとのあいだに心の交流が生まれ、次第にピュアな友情が育ってゆく過程にぐっとくるものがあります。二人ともあまりにも純真なので、謎の多い組織での命がけの任務のなか、今後どうなってゆくのかは心配ではあるのですが……

 映画のような疾走感あふれる小説です。教訓めいた要素や情緒の描写は少ないのですが、エンタメとして完成度が高いので純粋に小説を楽しみたい方にはおすすめ。シリーズ全体は(日本では)完結していないようですが、一話ごとにお話自体は完結しているので、これだけでも楽しめます。完結まで読めるといいなあ。
 ふだんあまり小説を読まないけれど、少年漫画はたくさん読む、と言う人の小説への入り口になるかもしれません。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 流血シーンはあります。けれど、気をつけて書かれているのでそれほどでもありません。「そういうシーンがあるのだな」と身構えていれば大丈夫な方なら、おすすめです。人が死ぬ戦闘系少年漫画が読めるなら、大丈夫だと思います。
 ストーリー自体は、少年ジャンプ風のタイムトラベルSFなので、好きな人ははまるかも知れません。
 読後は、世界史に興味を持つかもしれないというおまけつきです。

 

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