【クリスマスの猫】少女と少年がおこす、クリスマスの奇跡。ハートフルクリスマスストーリー【小学校中学年以上】

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クリスマスの猫 ロバート・ウェストール/作 ジョン・ロレンス/絵 坂崎麻子/訳 徳間書店

1934年のクリスマス休暇、上流階級の娘キャロラインは、おじさんの家にあずけられていました。おじさんは気のいい牧師さんでしたが、とある事情で孤独な暮らしをしていました。ひょんなことから、ボビーという貧しい少年と身重の猫と出会った彼女は……

この本のイメージ 垣根のない友情☆☆☆☆☆ ハートフル☆☆☆☆☆ メリークリスマス☆☆☆☆☆

クリスマスの猫 ロバート・ウェストール/作 ジョン・ロレンス/絵 坂崎麻子/訳 徳間書店

<ロバート・ウェストール>
Robert Atkinson Westall(1929年10月7日 – 1993年4月15日)イギリスの作家、教師、ジャーナリスト。児童文学で有名だが、ノンフィクションや大人向けの小説も書いていた。彼の小説の多くは複雑で暗い、大人のテーマを扱った十代向けのものが多い。

クリスマスの猫 ロバート・ウェストール/作 ジョン・ロレンス/絵 坂崎麻子/訳 徳間書店

 有名な作家ですが、わたしはこの本が初めてです。どうやら、ほかの本はかなり暗いらしく、挑戦できるかどうかわからないのですが……

 でも、この本は、クリスマスにぴったりの、ハートフルなお話です。

 上流階級の娘、11歳のキャロラインは冬の休暇を牧師であるおじさんの家ですごすことになりました。ところが、牧師館はおそろしい家政婦ミセス・ブリンドリーがすべてを取り仕切っており、寒くて居心地が悪く、来客もなく、おじさんは孤独に不便に暮らしていました。

 彼女が牧師館に頼ってくる人たちをすべて門前払いしてしまったために、困っている人たちは牧師館に入れず、困っている人たちを救済したい牧師は肝心の彼らに会うことできないという日々が続いていたのです。

 おかげで、街の人々は牧師さまは冷たい人だと思い込んでおり、牧師のおじさんは、自分には人徳がないので人が頼ってこないのだと思い込み、それぞれがとても不幸なことになっていました。

 キャロラインも、牧師館に閉じ込められ、不自由な暮らしをしていましたが、抜け出して下町に出たある日、貧しい少年ボビーと、身重の猫に出会います。

 ふたりは、協力して猫のめんどうを見ることにし、仲良くなりました。そして、ふたりの友情は、いつしか、大きな奇跡を起こすのです……

 というのがあらすじ。

 全部書いてしまうとネタバレになってしまうのでできませんが、キャロラインとボビーが仲良くなり、力を合わせることで、孤独だったおじさんと町の人たちは救われます。

 牧師のおじさんは、気弱な心優しいいい人で、困っている人を助けたい、子どもたちを助けたいという気持ちでいっぱいです。そして、町には困っている子供たちがたくさんいるのです。

 ところが、家政婦が勝手に門前払いをしていたために、おじさんは誰もいない教会でひとりでオルガンを弾くような生活をしていました。それなのに、子どもたちには、お金持ちでいじわるな牧師さんだと思われていたのですから、気の毒な話です。

 この大問題は、何年もそれぞれが真相に気づかずにいたのですが、牧師館に姪のキャロラインが来て、貧しい少年ボビーとの交流が生まれることで、あきらかになりました。

 窓口とか受付など、ボトルネックになっている場所で、それぞれが知らないうちにおきているトラブルというのは、時代を超えてのあるあるだと思います。
 そして、その解決方法は、垣根を越えて相手を理解しあうことしかないのかもしれません。

 キャロラインは裕福な家の子なので、最初はボビーの貧しい生活にびっくりします。また、ボビーは上流階級に偏見があるので、キャロラインが面食らうようなことをいいます。(あとで、優しいボビーのおばあちゃんのフォローが入ります)

 そんな二人が、猫と子猫たちの世話をすることで、どんどん仲良くなってゆき、その交流は、牧師のおじさんを救い、結果的に町中の人たちに楽しいクリスマスをプレゼントすることができたのでした。

 人と人がわかりあうために必要なことって、宗教とか思想とかじゃなくて、本当はすごく単純なことなんじゃないでしょうか。楽しいクリスマスとか、猫とか。そんなふうに考えさせられたお話です。

 125ページのごく薄い本で、難しい字には振り仮名がふってあります。文章は平易で読みやすく小学校中学年でしたら、だいじょうぶ。かしこい子なら、低学年でもコツコツ読めると思います。もちろん読み聞かせにも。

 短いお話ですが、たいせつなことがぎっしり詰まっています。

 女の子にも男の子にも、猫好きにもおすすめです。もしかしたら、内向的で感受性の強いお子様向けかもしれません。天使やサンタクロースは出てきませんが、ほのぼのとした、郷愁を誘う、あたたかいお話です。

 赤い表紙で、表紙絵のキャロラインの服が緑色でクリスマスらしい配色です。クリスマスプレゼントに、ぜひ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。ほのぼのとした、ハートフルなクリスマス物語です。
 大人の心にも届くものがあるので、親子で読み聞かせしてもいいかもしれません。内向的な人のほうが、たくさんのことを読み取れると思います。
 大人も楽しめますが、子どもにおすすめの本です。ただ、深いメッセージがいくつもあるので、大人が解説してあげるといいかもしれません。

 読後は、あつあつの紅茶とジンジャークッキーなどいかがでしょう。ゆったりした時間に、あたたかいお部屋で読んでくださいね。

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