【ゆきうさぎのねがいごと】【絵本】小さなしろうさぎの願いは?クリスマスにぴったりの絵本【クリスマス】【4歳 5歳 6歳】

2024年3月2日

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新版 ゆきうさぎのねがいごと クリスマスのちいさなおはなし レベッカ・ハリー/絵 木原悦子/訳 世界文化社

ゆきうさぎのピートくんは、森の奥に1人で暮らしていました。もうすぐクリスマス。ピートくんは、サンタさんへの願い事を手紙に書きましたが、郵便やさんに間に合わず、直接渡しにゆくことにします……

この本のイメージ かわいい☆☆☆☆☆ 心温まる☆☆☆☆☆ 絵が綺麗☆☆☆☆☆

新版 ゆきうさぎのねがいごと クリスマスのちいさなおはなし レベッカ・ハリー/絵 木原悦子/訳 世界文化社

レベッカ・ハリー
絵本作家。イギリス生まれ。グラフィックデザインとイラストを学ぶ。グリーティングカードの制作に従事した後、幼児絵本の制作へと仕事を広げる。イギリス在住

<木原悦子>
翻訳家。長野県生まれ。明治学院大学英文学科卒業。外国系雑誌の編集者を経て文筆業に転じる。

 全力でおすすめしたい!クリスマスをテーマにした、かわいらしい絵本をご紹介。主人公は、ゆきうさぎのピートくんです。

 あらすじは……

 森の奥でひとりで暮らしているゆきうさぎのピートくんは、クリスマスイブにサンタさんにお願いがありました。
 それは、クリスマスを一緒にすごす友だち。

 サンタさんに願い事の手紙を書いたピートくんでしたが、あいにく郵便屋さんの小鳥は行ってしまったあとでした。ピートくんは、自分でサンタさんの家に手紙を届けに行くことにします。

 雪道を歩いていると、くまさんたちがスケートしているところに出会います。くまさんたちが楽しそうななか、ひとり、こぐまくんが寒そうなので、ピートくんは自分のてぶくろをあげました。

 次に、たくさんの動物たちがクリスマスツリーを飾り付けしているところに出会います。クリスマス飾りを持っていないこぎつねさんが、ひとりでさびしそう。ピートくんは自分の持っていたクッキーを、クリスマス飾り用にあげました。

 次に、道に迷った小鹿さんたちに出会います。ピートくんは、自分の持っていた地図をあげました。

 さあ、ついにサンタさんの家に着きました。サンタさんは、みんなにプレゼントを配りに行くところ。ついでにピートくんを家に送ってくれると言います。ピートくんの願い事は? それは、家に着いてのお楽しみ。

 家に帰ると、さっきのこぐまくん、こぎつねさん、小鹿さんたちが待っていてくれました。ピートくんはクリスマスをお友だちと過ごすことになったのです! めでたしめでたし。

 と、言うお話。

 シンプルですが、ピートくんがどうして今まで友達がいなかったのか、そして、どうして素敵なクリスマスをすごせることになったのか、しみじみと伝わるお話です。

 ピートくんは、「クリスマスにお友達がほしい」と言う強い願いがあり、サンタさんにまで頼もうとするくらいだったのですが、スケートをしているくまさんたちを見つけたときに、「一緒に遊ぼう」とか「僕もスケートをするから混ぜて」とか、言わないんです。

 それより、ひとりでさみしそうにしているこぐまくんが気になって、自分のてぶくろをあげてしまいます。
 そして、こぐまくんが喜んでくれたら、満足してその場を立ち去ってしまうのです。

 次に動物たちが楽しそうにクリスマスツリーを飾り付けているときもそうです。「ぼくもジンジャークッキーを持っているから、一緒に飾り付けさせて」とは言いません。それよりも、ひとりぼっちでさみしそうにしているこぎつねさんのほうが気になるのです。だから、自分のクッキーをあげてしまう。

 次に出会った迷子の小鹿さんたち。一緒にうちにおいでよ、とは誘いません。それどころか地図をあげてしまいます。自分は帰れなくなるかもしれないのに。

 ああ、こういう子なんだ、だから今まで友だちがいなかったんだ、と、しみじみと伝わってきます。
 でも、今日はクリスマスイブ。奇跡が起きる日です。

 サンタさんに送られて家に帰りついたピートくんをさっきの動物たちが待っていて、出迎えてくれました。
おそらく、最後に出会った小鹿さんたちの地図が役に立ったんですね。

 もちろん、ここに「願いが叶ったのは、自分の足で歩いてサンタさんに会いにいったから」(行動したから)と言うメッセージも加わっています。

 単純なお話ですが、大切なメッセージがたくさん詰まっており、ほのぼのと心が温かくなる絵本です。

 ピートくんは、他人に対して「お友だちになろうよ!」とぐいぐい近づいてゆくタイプではありませんが、ピートくんにしかない、他人をおもいやるあたたかい心があります。
 そして、そんなピートくんのよさに気づいて「友達になりたい」と思ってくれるような友だちが、ちゃんとできたのです。

 ピートくんは、最初から最後までピートくんらしく行動しただけ。
 それでいいんだなあ、としみじみと感じさせてくれる物語です。

 装丁がこれまた豪華で、前頁フルカラーで、雪の部分にはキラキラした銀の箔押しが入っていると言う贅沢さ。登場する動物たちも、まるっとした柔らかい筆致で描かれています。ディフォルメ系の動物たちですが、シルバニアファミリーのような愛らしさです。

 うさぎ、小鳥、くま、きつね、ふくろう、ねずみ、鹿など、肉食獣も草食獣も、小鳥も猛禽もぜんぶごっちゃまぜに仲良く登場するタイプの、ほのぼの動物ファンタジーですが、絵が無敵のかわいさなので、そのへんのことは全部吹っ飛びます。

 絵もよし、話もよし、装丁もよしで、小さなお子様へのクリスマスプレゼントにぴったり。読み聞かせにも、いいですね!
 文句なしにおすすめですよ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。かわいらしい絵、ハートフルなストーリー、美しい装丁と、三拍子そろった絵本です。表紙がとても美しいので、インテリアとしてリビングに飾っても。
 いつも頑張っている大人のなごみ絵本として、自分へのプレゼントとしてもおすすめです。

 お風呂上りに、温かいミルクティーなどをお供にお楽しみください。

商品紹介ページはこちら

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