【雪の森のリサベット】リンドグレーンの描く雪国の姉妹の物語。クリスマスプレゼントに。【小学校低学年以上】

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雪の森のリサベット  アストリッド・リンドグレーン/作 イロン・ヴィークランド/絵 石井登志子/訳 徳間書店

マディケンとリサベットは仲良し姉妹です。マディケンは風邪をひいてしまったので、リサベットだけがお手伝いのおねえさんのアルバとクリスマスプレゼントを買いに街に出かけました……

この本のイメージ クリスマス☆☆☆☆☆ なかよし姉妹☆☆☆☆☆ 小さな大冒険☆☆☆☆☆

雪の森のリサベット  アストリッド・リンドグレーン/作 イロン・ヴィークランド/絵 石井登志子/訳 徳間書店

<アストリッド・リンドグレーン> スウェーデン生まれ。小学校の先生や事務員をしながら数多くの作品を発表し続けた。国際アンデルセン賞受賞。作品に「長くつ下のピッピ」など。

雪の森のリサベット  アストリッド・リンドグレーン/作 イロン・ヴィークランド/絵 石井登志子/訳 徳間書店

 スウェーデンの児童文学作家リンドグレーンの小さいお子様向け物語です。だいたい、小学校低学年向け。フルカラーの挿絵がふんだんに入っており、絵本と小説の中間くらい字の多い絵本というかんじの本です。

 あらすじは、

 「六月の丘」で暮らすなかよし姉妹、マディケンとリサベット。クリスマスをひかえたある日、マディケンは風邪を引いてしまいました。それで、妹のリサベットがお手伝いのおねえさんアルバと、マディケンのぶんもクリスマスプレゼントを買いに街にでかけることにしたのです。

 ところが、街で、お友達の男の子グスタフが他人のそりの後ろに勝手に乗って滑って遊んでいるのを見つけます。
 「どうだ、こんなことできないだろう」
 自慢されて、リサベットは真似をしてしまいます。

 知らないおじさん、アンデションさんのそりの後ろに勝手に乗ってしまったリサベットは、知らない場所に行ってしまい、おきざりにされてしまいます。さあ大変。リサベットはどうなるのでしょう。

 ……と、言うお話。

 かなりあぶないことしてしまったんですね、リサベット。リサベットは大冒険のすえ、自宅に戻ってきてめでたしめでたしなお話ではあるのですが、この危険な遊びは、もしかしたら当時、子どもの間で流行したんじゃないでしょうか。
 わりと現実的ないましめの要素を感じます。

 リサベットが勝手に乗ってしまったそりの持ち主、アンデションさんにも問題があって、実はお酒を飲んでいたんです。
 酔っ払っていたので、ちゃんとした判断が出来ず、雪の森の中に小さな子どもを置き去りにしてしまうわけです。

 お酒を飲んで車に乗るのはもちろん飲酒運転ですが、そりはどうなのかしら、と調べてみたら、そりや馬は「軽車両」扱いなんですね。だから、馬そりでも犬ぞりでも、または馬に直接乗る場合でも、お酒を飲むのは飲酒運転扱いのようです。
 これは、アンデションさん、アカン人だったようです。

 (「34丁目の奇跡」でサンタクロース役のおじいさんが酔っ払っていて首になった理由が、ここではっきりとわかりました。そりの飲酒運転は法律違反だったのですね)

 つまり、リンドグレーンは物語を通じて、子どもが他人のそりの後ろに勝手に乗る遊びと、そりの飲酒運転に注意喚起していたようです。

 寒さにこごえたリサベットが、牛小屋に入って暖をとるシーンなど、雪国の子どもたちへの非常時のサバイバル知識のようなところもあり、これは本国では小さな子どもたちにとってわりと実際的な教訓を伝える本だったのではないか、と想像させられます。

 それとは別に、小さい女の子の姉妹愛や、おてんばなリサベットのかわいらしさが生き生きと描かれており、瑞々しい子ども心いっぱいの物語でもあります。
 また、挿絵が表情豊かで、どの絵もマディケンとリサベットが愛らしい。北欧の自然や町並みも、美しくあたたかみがあり、日本人のわたしたちには異国情緒を感じさせてくれます。

 物語が伝えようとしている教訓の、本質的な部分は雪国でなくとも万国共通なので、読み聞かせながら説明するのもいいかもしれません。とにかく、挿絵がすばらしいので、読みながら幸せな気持ちになってきます。

 冬にぴったり、クリスマスプレゼントにぴったりの本です。
 字はほどよい大きさで、漢字には振り仮名がふってあり、短いお話なので、小学校低学年から。だいたい、絵本を卒業したばかりくらいのお子さまにおすすめです。

 リサベットがかなりやんちゃなので、男の子が読んでも面白いと思います。他人の乗り物に勝手に乗らない、お酒を飲んで乗り物に乗るのはダメ、寒いときには迷わず暖をとるなど、生活に必要な知識や教訓も含まれていますので、教訓的側面もあります。お出かけできない寒い日に、親子でどうぞお楽しみください。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はほとんどありません。雪国のほのぼのファミリーストーリーです。挿絵が愛らしいので、大人の和みタイムにもいいのですが、これは、小さなお子様の情操教育向けのお話です。身近な教訓が楽しいお話の中にたくさん入っています。
 お風呂上りなど、部屋と身体をあたためて、ぽかぽかのときにゆっくり読むのがおすすめ。心がほかほかとしてくる、ハートフルな絵本です。

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