【都会のトム&ソーヤ】究極のゲームを目指す少年たちの大冒険第3巻【いつになったら作戦終了?】【小学校高学年以上】

2024年3月5日

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都会のトム&ソーヤ 3  いつになったら作戦終了?  はやみねかおる/作 にしけいこ/画   講談社

ぼくは内藤内人、どこまでもふつうの中学生。そして親友は竜王創也。竜王グループの御曹司で天才という、どこまでもふつうでない中学生。ぼくたち二人は、「究極のゲーム」を目指してる。今日はぼくの究極のデート計画を創也がたてることになり……  

この本のイメージ 高校生の非日常☆☆☆☆☆ またおまえか☆☆☆☆☆ 新たなる敵?☆☆☆☆☆

都会のトム&ソーヤ 3  いつになったら作戦終了?  はやみねかおる/作 にしけいこ/画   講談社

<はやみね かおる>
日本の男性小説家(1964年4月16日 – )。三重県伊勢市出身。代表作は「都会のトム&ソーヤ」「怪盗クイーンシリーズ」「名探偵夢水清志朗シリーズ」など

 はやみねかおる先生のヤングアダルト(ライトノベル)小説、「都会(まち)のトム&ソーヤ」の第3巻です。たいへんに多作な方で、この「都会のトム&ソーヤ」以外にもたくさんのシリーズを執筆されています。

 この物語の主人公は自称「平凡な中学生」内藤内人。しかし、実は、異常なサバイバル能力のある高校生です。
 彼にサバイバルを仕込んだのはおばあちゃん。この名前も出てこない謎だらけの「おばあちゃんの豆知識」が、常に内人を助けます。

 「仮面ライダーカブト」のおばあちゃんと言うよりは、どっちかというと「ARMS」のお母さんみたいな。いや「冒険野郎マクガイバー」みたいな。(どれも古すぎですよ) 

 親友の竜王創也は、大財閥竜王グループの御曹司。天才的頭脳と、どこか抜けている天然風味をあわせもつ、スーパー中学生です。

 この二人がコンビを組んで「究極のゲーム」を目指すというのが、このお話のメインストーリー。

 2巻までは、竜王創也は、コンピュータゲームを創ろうとしていたのですが、内人と冒険するうち、R.RPG(この物語ではリアルロールプレイングゲーム)を創りたいと思いはじめます。

 これは、おそらくL.RPG(ライブロールプレイングゲーム)と呼ばれる、実際に身体を使うロールプレイングゲームと同じものだと思います。

 L.RPGとは、昔からSFやファンタジーの愛好家が旅館などを貸しきって遊んでいた、歴史の古いゲームで、コンピューター端末を使わずに実際に人間が参加し、NPCキャラクター(ゲーム内の登場人物)を人間が演じて遊びます。

 ディズニーランドにゲーム要素を足したようなものでしょうか。システムとシナリオを創るのがわりとたいへんで、だいたい、ゲームクリアまでに一日か、二日かかるように創られていますが、アクシデントで一時間もかからないうちにクリアされてしまうこともあり、リアルに人間が動くのでゲームバランスが非常に難しいゲームです。

 参加者はひとりで遊ぶこともできるし、参加者同士でパーティを組んだりすることもできます。

 もともと、コンピューターゲームのRPGは、テーブルトークRPG(TRPG)と言う、テーブルについて複数人で遊ぶ、パーティゲームのようなRPGを、1人でも遊べるようにコンピュータゲームにしたことから始まっています。ライブロールプレイングゲームは、TRPGを、よりアクティブな方向に発展させたものと言えます。

 今後は、創也と内人が、都会の町をゲーム空間のように駆け回る話になる予感を秘めた展開になるのが、この第3巻。

 天才ゲームクリエイター「栗井栄太」たちとともに、今回は謎の組織「頭脳集団(プランナ)」が登場、三つ巴(?)の大冒険の予感です。

 わたしは、はやみね作品については、この「都会のトム&ソーヤ」を読み始めたばかりという、もうまったく、時代に取り残されているオバハンですが、このブログは、わたしの読書記録もかねているので、スローペースにはご容赦ください…… (読みたい本がいっぱいあるのですよ……)

 そんなわけで、はやみね作品についてはほぼほぼ新参者なのですが、はやみねワールド特有の、深刻になり過ぎない、カラっとした雰囲気がわたしは大好きです。

 また、次々と登場する様々な天才たちが、みなそれぞれ一癖も二癖もあって魅力的。あれですよ、一条ゆかり先生の「有閑倶楽部」に通じるものがあります。(もしかして、これも古い…古いのか……ガックリ)

 また、そんな異能集団ばかりの作品の中で、ぜんぜん負けていない堀越美晴ちゃんのお父さん。(この場合の「ぜんぜん負けていない」は「美晴ちゃん」じゃなくて「お父さん」にかかります)

 なんというかね、すごいキャラクターですよね。ここまで来るといっそ、すがすがしい。(でも、もし本当にモデルが実在したらどうしよう……)

 そして、今回も、「保育士になりたい凄腕ボディーガード」二階堂卓也さんは大活躍。この人がいると、物語がぴりりと引き締まります。お茶噴くこともあるけど。(「シャドーボクシング」はわかるけど、「シャドー保育」って何)

 内人と創也も中学生にしてはたいした中学生なのですが、大人組がそれに負けていないと言うか、輪をかけておかしな人たちばかりなのが良いのです。たしかに、こんなスーパー中学生がいる世界で、大人の世界を教える大人たちはこれくらいスーパーじゃないといけないのかもしれません。

 また、カラッとしたさわやかな世界観ながら、登場人物が全員、どこか憎めなく、いい人ばかり(変だけど)なのも、この作品の魅力。「ルパン三世」「シティーハンター」の世界のように、危険はあるけど深刻になりすぎないのです。世界全体の雰囲気がやさしく、ジュブナイル特有の、のびやかな空気に包まれます。

 こういう雰囲気に魅力を感じるのは、歳をとったからかもしれません。むしろ、若いときのほうが、ハードボイルドにあこがれるものです。わたしは常々「ハードボイルドは若者の特権」だと主張しているのですが、歳をとると大人は思ったほど大人じゃない」としみじみとわかってきてしまうんですよね……自分含め(トホホ)

 まだまだ読み始めたばかりですが、現代では何かと悪者にされがちな「ゲーム」を創ることをポジティブに描いてくれているだけで、応援したくなります。それも、人気の秘密なのかも。

 今年は映画が公開されるようですし、楽しみですね。

※お話は、一応は一話完結なので、どの巻から読んでも楽しめますが、大きなストーリーが流れていますので、1巻から順番に読むことをおすすめします。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 危険なシーンはあるのですが、気をつけて書かれているため、それほど気になりません。楽しんで読むことができると思います。「CLAMP学園探偵団」や「有閑倶楽部」、「ルパン三世」が好きな方なら、はまると思います。(例がどれも古すぎですよ)

 突拍子もない設定と、軽快で小粋な雰囲気の冒険小説です。
 創也がダージリンティーを淹れるのが大得意という設定なので、読後はダージリンティーでティータイムを。

 

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