【バレンタイン企画】【ぎょうれつのできるチョコレートやさん】バレンタインにお子さまに! おいしそうでかわいいほのぼの絵本【4歳 5歳 6歳】
キタリスくんとシマリスくんはなかよしです。ある日、ぐうぐう山で、くるみをひろっているおにいさんを手伝ってあげると、御礼にチョコレートの入ったかわいい小箱をもらいました。一口食べると、なんておいしいんでしょう! ふたりは、喜んで家に帰ろうとしますが……
この本のイメージ かわいい☆☆☆☆☆ おいしい☆☆☆☆ ほのぼの☆☆☆☆☆
ぎょうれつのできるチョコレートやさん ふくざわゆみこ/作 教育画劇
<ふくざわゆみこ>
東京生まれ。絵本作家。主な絵本に「ぎょうれつのできるパンやさん」「ぎょうれつのできるチョコレートやさん」他、ぎょうれつのできるおいしいえほんシリーズ(教育画劇)、「おおきなクマさんとちいさなヤマネくん」「ブルくんとかなちゃん」シリーズ(福音館書店)など多数。
もうすぐバレンタインデー。
日本では、女性が男性にチョコレートを贈る日となっていますが、これは製菓業界がキャンペーンのために決めた風習のようで、欧米では親しい人にチョコレートにかぎらずお菓子やカードを贈る日のようです。
でも、わたしはこの時期しか食べられない、おいしくってかわいい期間限定のチョコレートをたくさん食べられるので、バレンタインシーズンは大好きなんですよ!(←食い意地がはりすぎ)寒い季節はいちばんチョコレートがおいしいですもん。
さて、今日はバレンタインにぴったりの絵本をご紹介。
わたしは、特別な日に絵本や児童文学をプレゼントする習慣を、このサイトで個人的に絶賛ゴリ押し中ですが(迷惑ですよ)、バレンタインにチョコレートと一緒にお子様にプレゼントするのにおすすめの絵本です。
すっごくかわいいので、大人でもおもわず顔がほころんでしまいますよ。
ふくざわゆみこ先生の「ぎょうれつのできるチョコレートやさん」です。
キタリスくんとシマリスくんは、大の仲良し。
ぐうぐう山で、知らないお兄さんがクルミをとっているのを、ふたりで手伝ってあげると、御礼にチョコレートの入った小箱をもらいました。
おにいさんは、チョコレート屋さんだったのです。
ふたりが、もらったチョコを食べると、あら不思議、とっても幸せ気分になります。
チョコレートの入った箱を持って家へ帰ろうとすると、風船を取り合って割ってしまい、泣いているひよこさんたちと出会います。おいしいチョコレートを分けてあげると。ひよこさんたちは大満足。ケンカを忘れて仲良くなります。
次に花を枯らして泣いているオオカミさんに出会い、チョコレートを分けてあげて元気になってもらいます。
次には、お友達と一緒に歌う勇気がなかったカエルさんにチョコレートを分けてあげて、元気にしてあげます。
そんなこんなで、みんながチョコレートで元気になってくれるのですが、森にはもっともっと元気にしたい人たちでいっぱい。
悩んだふたりは、町のおにいさんのところへ行って、チョコレートの作り方を教えてくださいと頼みます。ふたりは、チョコレート屋さんをひらきたくなったのです。
おにいさんのところで修行したふたりは、森においしいチョコレート屋さんを開店します。
森のみんなは大喜びで駆けつけてくれました。めでたしめでたし。
……と言うお話です。
いつもの年寄り話で恐縮ですが、わたしの幼いころ、お店と言うのは個人商店のことで、スーパーマーケットは町にひとつかふたつ、コンビニなんて当然ありませんし、デパートは大きな都市にいかないとありません。
商売と言うのは、商店街で行われているものでした。
ですから、お客はお店と世間話をしながら買い物をしたものです。
買い物リストを持って買い物に行くのではなく、お店に行ってから「今日は何かいいものはないの?」と聞く。すると、「今日はじゃがいものいいのが入りましたよ」と言われ、「じゃあ何をつくろうかな」と奥様が言うと「カレーがいいですよ。ニンジンと玉ねぎをお安くしましょう」みたいな感じの会話です。
魚屋でも、肉屋でもこれがあたりまえで、お店はお客の家族構成や味の好みも知り尽くして商品をすすめると言ったぐあいでした。
もう、そんな文化ありませんよね。
こう言う時代は、大雑把でのどかなので、その場で夕食の献立を変更させちゃったり、売れ残りや形の悪いものをオマケしたりと、面白いことやお得なこともあったのです。
わたしも小さい頃よく、そういった店にお使いに行きました。子供が行くと、おまけされる確率が上がるんです。
この絵本には、そういう古きよき雰囲気がたっぷり詰まっています。
・誰かに親切にしたいという気持ち
・おいしいものを食べる喜び
・おいしいものを誰かに上げる喜び
・おいしいものを作る喜び
・おいしいものを売る喜び
おいしいものを食べるとしあわせになるよね、おいしいものはプレゼントしたくなるよね、そして、誰かが喜んでいると作ってあげたくなるよね。
食べるという事が、おなかを満たすだけではない、幸せな気持ちをつくるというお話です。
大人になると、単純においしいものを食べるだけでなく、カロリーだとか値段だとか、時短だとか、いろんなことを考えてしまいます。こういうのは、小さな子どものほうがすとんと素直に理解してくれるはず。
文章はひらがなとカタカナだけで構成されているので、五十音が読めればひとりでも読めます。でも、読み聞かせしてあげても、親子で幸せな気持ちになれると思いますよ。
絵は全ページフルカラー。リアルとディフォルメのちょうどいい中間で、どの動物も愛らしく魅力的に描かれています。
リスだけでなく、ウサギ、鳥、オオカミ、カエル、ひつじ、キツネ、たぬきなど、様々な森の動物が登場します。
また、森や家などの背景もメルヘンチックだけど細密に描かれており、ヨーロッパの小さな森や町のような雰囲気。
そして、なによりチョコレートがおいしそう。
どこかなつかしく、あたたかい気持ちになれる絵本です。お外に出られない寒い季節、親子でほのぼのする時間のプレゼントにぜひどうぞ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
かわいい絵本です。バレンタインのお子さまへのプレゼントにも、大人の和み絵本としてもおすすめです。絵が抜群にかわいいので、リビングに飾っても、なごめます。
読後は、おいしいココアかチョコレートで、ひとやすみしましょう。
親子でチョコレートを手づくりしても、楽しいですね。
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