【黒ねこサンゴロウ】不思議なネコ族の冒険物語。日本発のロングセラーファンタジー【キララの海へ】【小学校低学年以上】

2024年3月5日

広告

キララの海へ 黒ねこサンゴロウ 2 竹下文子/文 鈴木まもる/絵  偕成社

俺の名前はサンゴロウ。うみねこ島の船乗りだ。うみねこ島に流行る病を治すために、薬の原料ガラス貝をキララの海へとりにゆくことになった。大切な船、マリン号に乗って……

この本のイメージ かっこいい猫☆☆☆☆☆ ファンタジー☆☆☆☆☆ 冒険☆☆☆☆☆

キララの海へ 黒ねこサンゴロウ 2 竹下文子/文 鈴木まもる/絵  偕成社

<竹下文子>
竹下 文子(たけした ふみこ、1957年2月18日 ~)は 日本の児童文学作家。夫は画家の鈴木まもる。福岡県生まれ、東京学芸大学教育学部卒業。大学在学中より執筆を行う。1978年「月売りの話」で日本童話会賞受賞。1979年『星とトランペット』で第17回野間児童文芸推奨作品賞受賞。1985年『むぎわらぼうし』で絵本にっぽん賞受賞。1994年『黒ねこサンゴロウ<1>旅のはじまり』『黒ねこサンゴロウ<2>キララの海へ』で路傍の石幼少年文学賞受賞。2009年『ひらけ!なんきんまめ』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。2020年『なまえのないねこ』で日本絵本賞、講談社絵本賞受賞。(wikipediaより)

<鈴木まもる>
1952年、東京都に生まれ。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さしえ賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。

 「黒ねこサンゴロウ」シリーズ第2巻です。
 この本は、サンゴロウの一人称で書かれています。

 マリン号で冒険をする船乗りのサンゴロウ。彼は「うみねこ族」と言う、直立した猫のような、不思議な生き物の一族の男でした。
 彼ら「うみねこ族」は、「うみねこ島」で暮らしています。

 さて、このうみねこ島に、ネムリ病というおそろしい病気が流行し始めました。この病の薬にはガラス貝という貝が必要なのですが、それが充分な量ではないのです。
 島の医師、ナギヒコ先生に頼まれて、サンゴロウは、ガラス貝をとりに危険なキララの海へと出航します。

 そこで、おそろしい「やみねこ」に襲われたサンゴロウは、記憶を失い、「あの場所」へと漂着します。サンゴロウは無事に「うみねこ島」に戻れるのでしょうか……

 と、いうのがあらすじ。

 一巻で、何も知らないケン君にサンゴロウが話すという形で世界観が説明されているので、この不思議な世界にすんなりと入れます。
 サンゴロウは、マリン号に乗って不思議な海へ行き、不思議な島で危険と立ち向かいます。

 前回は、人間のケン君から見たうみねこ族やサンゴロウのことが書かれていましたが、今回はうみねこ族のサンゴロウから見た人間のすがたが描かれています。

 サンゴロウたちうみねこ族と交流できる人間には共通点があって、親とは気持ちはつながっているが距離があり、ひとりで遊ぶことが多いが、好奇心旺盛で、独立心が強い。

 今回も、鳥のように飛び立ちたいと思っている女の子が登場します。

 しゃべる猫一族がいる不思議な世界を描きながら、作品はしずかに子どもたちに語りかけているようです。勇気をもつこと、未知のものへの好奇心、飛び立つ心、やさしさ、思いやりなど……
 そして、まったく異質のものどうしでも、通じ合うものがあれば、心で交流できること。

 文章は一人称。平易で読みやすく、ひらがなが多くてほとんどの漢字には振り仮名がふってあります。また、丸くてあたたかみのある読みやすい書体です。まるみのある鈴木まもる先生の絵とぴったりマッチしていて、クラシックな童話的な装丁もおしゃれです。

 大人が読んでも楽しめる内容なので、親子で読み聞かせにもおすすめ。
 男の子が読んでも、女の子が読んでも楽しめます。

 どことなく、なつかしの、NHK人形劇の雰囲気があるので、あれが好きだった方は楽しめるのではないでしょうか。かわいく、不思議で、懐かしい感じのするファンタジーです。

 小さな船で青い海をどこまでもゆくような気持ちになる物語です。家でしずかに過ごすときに、親子で読んでみてはいかがでしょう。プレゼントやお見舞いにもおすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はほぼありません。流行り病が流行り始めているという設定で話が始まりますが、そういう病気があるよという会話だけで、悲惨な病気の描写はなく、マイルドです。
 さわやかで、正統派の冒険物語で、今回はかわいい女の子も出てくるので、女の子にも読みやすいと思います。

 もちろん、ハッピーエンド。
 週末のリラックスタイムや、療養中への差し入れ、小さいお子さまへのプレゼントなど、幅広くおすすめします。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

この本の続きはこちら

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告