【ルルとララ】カップケーキを作ろう!小学校低学年の女の子に絶大な人気のクッキングファンタジーの第1巻【小学校低学年以上】

2024年3月7日

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ルルとララのカップケーキ あんびるやすこ 岩崎書店

かえでの森にかこまれたメープル通りに、小さなお菓子屋さんがオープンしました。店長は小学生のルルとララ。でも、まだルルとララはクッキーしか作れません。そんなふたりのもとに、お隣のパン屋さんのシュガーおばさんがやってきます。ふたりは新しいお菓子の作り方を教えてもらうことになりました。それは……

この本のイメージ かわいい☆☆☆☆☆ おいしい☆☆☆☆☆ レシピあり☆☆☆☆☆

ルルとララのカップケーキ あんびるやすこ/作・絵   岩崎書店

<あんびるやすこ> 群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」「魔法の庭ものがたり」「なんでも魔女商会」シリーズなど。 

 あんびるやすこ先生の「ルルとララ」シリーズの記念すべき第1巻が「カップケーキ」です。

 ルルとララシリーズは、物語を楽しみながら、お菓子の作り方をおぼえられちゃう一石二鳥の絵物語本。

 だいたい絵本を卒業したばかりのころ、長いお話の読み始めの頃におすすめの本で、小学生店長ルルとララとかえでの森の動物たちとの交流を楽しみながら、動物たちの悩みをお菓子の力で解決してゆくストーリーです。

 表紙のルルとララは、まだちょっと素朴な感じですが、モノクロとフルカラーのふんだんな挿絵と、かわいいレシピなどはしっかり。

 とくに、ルルとララのレシピは、ひとつのお菓子をいろんなバリエーションで作れるようになっており、今回も、森の動物さんたちの好物をカップに入れてカップケーキを作る と言うエピソードにのせて、様々なカップケーキの作り方が紹介されています。

 今回のお話は……

 お菓子屋さんを開店したばかりのルルとララ。メニューはまだクッキーだけです。
 たくさんのお客に来てほしいルルとララに、おとなりのシュガーおばさんが、電子レンジとマグカップでつくるカップケーキの作り方を教えてくれます。

 ルルとララは森の動物たちのために様々なカップケーキを作り、お礼にケーキの材料になりそうな果物や木の実をもらいます。
 ふたりのカップケーキは大好評。

 さて、そろそろ1人ぶんの材料しか残っていないところへ、3匹のこぶたが、いちご、バナナ、メロンのカップケーキをほしがり、お店で大喧嘩してしまいます。ルルとララが困っているところへ、お隣のシュガーおばさんがケーキ用の色とりどりのエッセンスを持って開店祝いに来てくれました。

 ルルとララは、フルーツのエッセンスを使って、いちご、バナナ、メロンのケーキ生地を少しずつ作り、三色ケーキを作ります。

 こぶたちゃんたちは、仲良く一つのケーキを分けて仲直り。めでたしめでたし。

 と言うお話。

 これは第一巻なので、各キャラクターの紹介や、ねずみのニッキとの出会いも描かれています。

 あんびる先生のお話の特徴は、悪人のいないやさしい世界観、主人公の成長、キャラクターどうしの心の交流が描かれた、正統派のファンタジーストーリー。
 たいへん多作な方で、たくさんのシリーズを並行して執筆されています。もともと、テレビアニメの美術の仕事やデザイン関係のお仕事をされていたらしく、ストーリーだけでなく、絵も描かれていて、しかもそれがかわいくておしゃれです。

 「ルルとララ」とリーズも、シンプルなお話ですが、誰かのために「お菓子をつくる喜び」「創意工夫する楽しさ」「食べてもらう喜び」など、お菓子作りについて大切なことが詰まっています。起承転結のあるしっかりとしたストーリーなのに、レシピも本格的。

 ルルとララのお洋服はかわいいし、お菓子の絵やレシピはフルカラーでおいしそう。
 できたてほやほやのルルとララの店とおなじように、この本も素朴であたたかみのある仕上がりです。

 今は外に出ないほうがいい時期ですが、そういうとき、家の中で「何かを作る」ことは心を支える効果があります。
 とくにお料理は、大人になったときにできたほうが絶対にいいので、この機会に親子でお料理したりお菓子を作ったりする時間を持つのもいいですね。

 自炊ができるとできないとでは、生活費の節約率がちがってきますし、ちょっとしたときに自分でちょっとしたおやつが作れるようになると、今回のように外出できないときには、おうちカフェができて便利です。

 何かをつくっているときは自分と向き合えますし、出来上がったものを食べてもらうことは、コミュニケーションになります。今は、厳しい世の中で、大人も子どもも大変なことやつらいことがいっぱいですが、お料理やお菓子作りは身近な喜びを発見する機会でもあります。

 「ルルとララ」が作るお菓子レシピは、大型オーブンや火を使うレシピはほとんどなく、なるべく電子レンジを駆使する安全なものなので、小学生の女の子にぴったり。あぶなくないのが安心ですよね。

 しかも、読み終わったときはいつも、森の動物たちとルルとララが幸せそうにニッコリ微笑んでいるハッピーエンドです。

 いままでお料理なんてしたことのない、小さなお子さまでも、マグカップとホットケーキミックス、電子レンジがあれば作れるカップケーキなら、簡単に作れます。お菓子入門編として、これほどぴったりなものはありません。

 慣れてくれば、クッキーやゼリーなど、いろんなお菓子に挑戦するのもいいですね。

 字は程よく大きく、文章は平易で読みやすく、数字以外の漢字にはすべてふりがながふってあるので、小学生低学年から。賢い子なら幼稚園から読めると思います。もちろん、読み聞かせにもおすすめ。

 メープル通りのルルとララと一緒に、お菓子をつくってほのぼのティータイムを楽しみましょう。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。かわいく、ほのぼのとしたクッキングファンタジーです。また、レシピは電子レンジを使ったものなので、あぶなくありません。安心してお子さまと楽しめます。

 テーマと起承転結がしっかりした、心温まるハートフルストーリーです。
 おとなりのシュガーおばさんに、毎回ひとつ、あたらしいお菓子のレシピを教わったルルとララが、お菓子の力で、森の動物たちを助けます。

 動物たちのお悩みには、毎回ちょっとしたテーマが隠されており、ルルとララはお菓子の力でお悩みを解決しつつ、動物たちと一緒に成長してゆきます。

  創造的な感性豊かなHSCの女の子にぴったり。また、お料理やお菓子作りが好きな男の子にもおすすめです。
 読後はもちろん、カップケーキでティータイム。お気に入りのカップで、ケーキつくりを楽しみましょう。

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