【ねえねえ あのね】小さなお子様へのプレゼントに。大人にも。バレンタインにも。愛が循環するかわいい絵本【1歳 2歳 3歳】
あのね、ひよこちゃんがね、「ねずみさんだいすきよ」。ねずみさんうれしくて、あひるさんに「あひるさんだいすき」あひるさんはうれしくて……愛が循環するほのぼの絵本です。
この本のイメージ かわいいは正義☆☆☆☆☆ 愛の循環☆☆☆☆☆ ほのぼのは地球を救う☆☆☆☆☆
ねえねえ あのね しもかわら ゆみ/文 絵 講談社
<しもかわら ゆみ>
東京都生まれ。千葉県在住。
2001年より講談社フェーマススクールズ(KFS)の通信講座にてイラストレーションを、同講座修了後はKFS直営教室で動物細密画(ワイルドライフアート)を学ぶ。
2013年、同スクールが主催した「第7回KFS絵本グランプリ」にてグランプリを受賞。『ほしをさがしに』(講談社)で絵本作家デビュー。他の作品には『ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?』『おすわりどうぞ』など。(本書より)
当ブログでは、誕生日やクリスマス、バレンタインなど、特別な日に絵本や児童書をプレゼントするのを絶賛ゴリ推し中ですが(迷惑)、すっごくかわいい絵本と出会ったのでご紹介。
ご存知の方も多いと思いますが、しもかわら ゆみ先生の「ねえねえ あのね」です。
まずは、絵がかわいい。
ディフォルメがほとんどない、かぎりなくリアルに近い動物の絵です。けれど、それぞれの動物が、ちゃんとそれぞれらしく魅力にあふれていて、表情豊かなのです。
ストーリーは単純で、「ぴよぴよあのね」とまず、ひよこちゃんがねずみさんに「ねずみさん だいすきよ」と耳打ちします。
それを聞いたねずみさんはうれしくて、あひるさんに「あひるさん だいすき」と耳打ち。あひるさんはうれしくて、うさぎさんに「うさぎさん だいすき」と耳打ち。
そしてうさぎさんは…… というお話。
ひよこちゃんの「だいすきよ」と言う愛情は、めぐりめぐってひよこちゃんのもとに帰ってきます。
これは、「自分のあげた愛情は、やがてめぐりめぐって自分に戻ってくる」と言う、愛の循環をテーマにしたお話。
説教臭くもなく、押し付けがましくもなく、ただただ愛らしい動物たちがやさしい言葉を耳打ちして、喜んで、耳打ちして、喜んで、を繰り返すだけの、愛らしさ爆発の絵本なのです。
ただかわいいだけで、ここまで深いテーマを表現しきるわけですから、絵本の可能性は無限大ですね。
愛が循環するテーマの絵本では、「どうぞのいす」というロングセラー名作絵本があるのですが、こちらは「善意の循環」を描いています。これは、うさぎさんが善意でつくった「どうぞのいす」に動物たちが置いたものがどんどん入れ替わるお話。
今回の「ねえねえあのね」で表現されているのは、善意よりさらに単純な「好意」という感情です。
これを読むと、シンプルな「好き」と言うだけの感情でも、世界を優しく変えてゆく力があるのだと思わされます。
日本人は、なかなか「だいすき」とか「ありがとう」とかを口に出せない、口下手なところがあります。
しかし、いちばんこの言葉が大切なのは親子です。
親子は、この世に生まれてきて、はじめて出会う人間関係だからです。
しかし、日本人はポジティブなことを言葉にするのが苦手なので、子どもに対して「いけません」とか「だめですよ」と言うことばのほうが、どうしても多くなってしまいがち。
また、ポジティブな言葉でも「いいこね」「おりこうね」とか「よくできました」などか使われがちで、案外「だいすきよ」とか「ありがとう」は少ないもの。でも「だいすき」には、ここまでの威力があるのです。
不思議なことに、人って「あの人は嫌い」は頻繁に口にするのに、「あの人は大好き」は口にしない生物なんですよね。
人の良いところを口にしたり、ほめたりすることは、「他人を甘やかしてダメにする」と言う考えも根強くあります。
でも、人は悪いところばかりをさんざんあげつらわれることでダメになることもあるし、良いところをほめられることで励まされて立ち上がれるときもあるじゃないですか。
こんなふうに、もっともっとシンプルに、「だいすき」の気持ちが広がってゆくといいなあ、としみじみ感じる絵本です。
字はすべてひらがなで、一ページに三行くらい。
とても読みやすい絵本です。
読み聞かせなら1歳から。自分で読むなら3歳からですが、これは断然親子で読み聞かせがおすすめです。
そして、友人どうしや、大人どうしのプレゼントにも。バレンタインにもぜひ。
絵が無敵の愛らしさなので、読み終えた後は、インテリアとしてリビングに飾っても。
疲れたときや、心が乾いたとき、ハーブティを飲みながら読むと、リフレッシュします。
おすすめです。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はいっさいありません。
可愛くて癒される、「好き」がいっぱい詰まった絵本です。HSCにもHSPにもおすすめです。
小さなお子様向けの絵本なのですが、大人の和み絵本としても、大切な人のプレゼントにもおすすめです。
くたくたになるまで頑張って、もう長い文章なんか読みたくないって時に。眺めているだけで、癒されて元気になります。週末や休日のお風呂上りに、ぜひどうぞ。
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