【ゆうかんなテディ・ロビンソン】「思い出のマーニー」の作者がおくる、ほのぼのぬいぐるみストーリー。【テディ・ロビンソンシリーズ】【小学校低学年以上】

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ゆうかんなテディ・ロビンソン ジョーン・D・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

テディ・ロビンソンは、デボラのお気に入りのクマのぬいぐるみです。テディ・ロビンソンとデボラは大の仲良し。どこへ行くにも、いつも一緒です。さて、今回の冒険は……

この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ ほのぼの☆☆☆☆☆ ぬいぐるみの大冒険☆☆☆☆☆

ゆうかんなテディ・ロビンソン ジョーン・D・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

<ジョーン・ロビンソン>
Joan Gale Robinson、(1910年2月10日 ~ 1988年8月20日)はイギリスの児童文学作家。バッキンガムシャー州生まれ。イラストレーターとしての教育を受け、小説とイラストの両方を手がけた。代表作は「思い出のマーニー」「くまのテディ・ロビンソン」など。

ゆうかんなテディ・ロビンソン ジョーン・D・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

 

 クマのぬいぐるみ、テディ・ロビンソンと女の子デボラのほのぼのファンタジー、「テディ・ロビンソンシリーズ」。作者のジョーン・ロビンソンは、作家兼イラストレーターで、作家としては「思い出のマーニー」、挿絵は「ベッツィ・メイとこいぬ」などを手がけています。

今回ご紹介するのは「ゆうかんなテディ・ロビンソン」。原題はTeddy Robinson is brave.

  収録されているお話は、

 ・テディ・ロビンソンと、小人のおきもの (Teddy Robinson and China Gnome. 1956)
 ・テディ・ロビンソンと、そっくりさん (Teddy Robinson Tries to Keep Up. 1964)
 ・ゆうかんなテディ・ロビンソン (Teddy Robinson is brave. 1964)
 ・テディ・ロビンソン 人魚に出会う ( Teddy Robinson and the mermaid. 1957)
 ・テディ・ロビンソン トレーラーハウスにとまる (Teddy Robinson and Caravan. 1960)
 ・テディ・ロビンソン さらわれる (Teddy Robinson is Taken for Ride. 1961)

 の六本です。

 テディ・ロビンソンのシリーズは、全部で三冊出ているのですが、わたしはこの「ゆうかんなテディ・ロビンソン」が一番好き。いままでのお話の中で、いちばんファンタジックで、いちばん冒険します。

 テディ・ロビンソンはぬいぐるみなので、自分の力で手足を動かしたり、声を出したりは出来ません。
 けれども、デボラとは心と心で会話できるし、ほかのぬいぐるみたちや、動物たちとは会話できる、という設定になっています。(今回、どうやらパパとママとも会話が出来ているらしいことがわかりました)

 このシリーズは、作者のジョーン・ロビンソンが自分の娘デボラのために作ったお話なので、デボラのママは作者本人なのでしょう。ママ、要所要所でいい味出しているのです。

 テディ・ロビンソンは、ちょっとナルシストのクマで、世界で一番だいすきなのはデボラなのですが、その次に好きなのは自分自身。
 そして、何か面白いものを見つけると、即興で歌を作って歌いだすのが特技です。この歌には、ちょっぴり自慢が入ってるのがテディ流。
 そこで「あんまりいぱっちゃだめよ」とデボラが突っ込みをいれてくれるのも、お約束です。

 今回の「ゆうかんなテディ・ロビンソン」では、小人のおきものと張り合ったり、お隣のくまのぬいぐるみと張り合ったり、ライバル心を燃やされる事件が発生します。
 けれども、どちらも誤解で、とくに「そっくりさん」とは大の仲良しになります。

 このそっくりさん問題って、現実にもよくあります。服がかぶってるとか、持ち物がかぶっているとか。
 それを「張り合っている」ととるか「あこがれている(仲良くしたいと思っている)」ととるかでこんなにも違ってしまうんだと言う、わりと深いお話です。

 なんでも解釈次第だと言うこと、なんでもちゃんと確認したほうがいいと言うこと。そして、この場合は、むしろ、テディ・ロビンソンのいつものナルシスト解釈をしておいたほうがよかったってことなんですね。世の中って面白い。

 でも、一時は熱くなったけど、張り合っていた事はあっという間に忘れ、楽しいことだけを考えられるテディ・ロビンソン。これが彼の美徳です。

 農場に行ったテディ・ロビンソンは牛に踏まれそうになったり、海に行ったテディ・ロビンソンは人魚と遊んだり、トレーラーハウスに泊まったテディ・ロビンソンはねずみ一家を守るためにフクロウと戦ったりと、今回はかなり大活躍。

 デボラと心で会話できるテディ・ロビンソンですが、結局は、どこまで行ってもただのクマのぬいぐるみ。いざと言うとき、自力で動くこともできません。

 それでも、動けないなりにできる限りのことをやります。そして、いつも、なんとかしてしまうのです。これは、よくよく考えると、ちょっとすごい。

 無力なクマのぬいぐるみだと思いきや、ここまでスーパーポジティブだと不可能を可能にするってことなんでしょうか。
 人間も見習いたいものです。

 字は大きく、文章は平易で読みやすく、すべての漢字に振り仮名がふってあります。作者本人が描いているイラストが挿絵としてふんだんに入っており、テディ・ロビンソンが表情ゆたかでかわいい。短いお話のオムニバスなので、読み聞かせにもぴったりです。
 絵本を卒業して、長いお話の読みはじめに最適です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。明るくゆかいな、ぬいぐるみファンタジーです。
 ぬいぐるみ大好きなお子さまにおすすめ。小さな女の子がぬいぐるみと会話する描写の、現実とファンタジー成分のさじ加減が絶妙です。

 また、大人のぬいぐるまーの和み絵本としても、とってもいい感じです。表紙や挿絵のイラストもかわいらしく、見ているだけで心がなごみます。週末のリラックスタイムに。

 ぬいぐるみを愛する人すべてにおすすめの本です。読後は、熱々のお茶とお菓子で、ティータイムを。

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