【こねこのトムのおはなし】やんちゃな子猫たちの大騒動。猫好きさんにおすすめの古典名作絵本【ピーターラビットの絵本】【4歳 5歳 6歳】
ねこのタビタ・トウィチットさんの子どもは、ミトン、トム、モペットといいました。3匹のねこは、いつも外でどろだらけになって遊んでいました。ある日、おかあさんはお茶の会にお友達を呼ぶことになり……
この本のイメージ やんちゃ猫☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆ あひるもいるよ☆☆☆☆
こねこのトムのおはなし ビアトリクス・ポター/さく・え いしいももこ/やく 福音館書店
<ビアトリクス・ポター> イギリスの絵本作家。ヴィクトリア時代の上位中産階級に生まれ、遊び相手も少ない孤独な環境で育ち、学校に通うことは無かった。幼いころから絵を描くことを好み、多くのスケッチを残している。代表作は「ピーターラビット」シリーズ。
子どもから大人まで、時を越えて愛される絵本、ピーターラビットシリーズの1冊、「こねこのトムのおはなし」です。原題は、The Tale of Tom Kitten. 初版は1907年です。
お話は……
母猫のタビタ・トウィチットさんには、ミトン、トム、モペットの3匹の子猫がいました。
この3匹はやんちゃで、いつもどろんこで遊ぶような子猫たち。
ある日、タビタさんは、自宅でお友達を招待してお茶会をひらくことになったので、三匹の子猫たちの身づくろいをし、上等の服を着せて、大人しく待っているようにいいつけましたが、トムは太ってしまって、服のボタンがとれてしまいます。
おかあさんは、なんとか無理やり着せて、庭へ出しますが、トムたちは庭で大人しくお客さまを待っているような子猫ではありませんでした。
3匹は外で動き回って、服を石垣の下に落としてしまいます。
そこへ、あひるのパドルダックさんたち(ジマイマたちです)が通りかがります。
3匹の服は、あひるたちに取られてしまいました。
大人しくしてくれてると思った子どもたちが服も着ないでいるのを見たタビタさんは、びっくり。
3匹を二階の寝室に押し込み、子どもたちははしかで寝ていると嘘をついてなんとかお茶会を開始します。
ところが、寝室で3匹がはしゃぎまわったため、お茶会の雰囲気は台無しになりました。
いっぽう、パドルダックさんたちは、子猫の服を着て池で泳いでいたら、服が脱げて池の底に沈んでしまいました。
それでいまでも彼らは、池の中で逆立ちして服を探しているそうです。
……と、いうのがあらすじ。
猫好きにはたまらない、猫のかわいさがぎっしり詰まった絵本です!
ピーターラビットシリーズは、ディフォルメ最小限の動物が古風なビクトリア時代の洋服を着て、様々な事件を起こす物語です。ストーリーの中で、動物たちは擬人化され、人間たちのように暮らしています。
ピーターたちは、穴倉の中でかわいい家具や調度品をならべ、二足歩行で暮らしていましたが、猫のタビタさんのおうちはかなり立派なお屋敷で、お客様を招待する客間だけでなく、衣裳部屋や寝室もあるようです。
現代でも「シルバニアファミリー」など、動物を擬人化した動物ファンタジーは根強い人気ですが、「ピーターラビットシリーズ」は、動物のディフォルメがほとんどなく、リアルな動物の愛らしさと、ビクトリア朝の服や調度品が、絶妙の配合で魅力となっています。
この「こねこのトムのおはなし」でも、お母さん猫のタビタさんに無理やり服を着せられるトムが、服をいやがる子猫のリアルさと、窮屈な服を嫌がる幼児の仕草が絶妙に入り混じっていて、それがなんともかわいいのです。
現実でも、飼い主がかわいい服を用意しても、犬は機嫌よく着てくれますが、猫は嫌がりますからねえ。
犬の付き合いのよさに比べて、猫のマイペースさ。
ミトン、トム、モペットの3匹も、とことんマイペース。
お母さんが、うるさいことを言ってもどこふく風です。
子どもが読めば「あるある」で、大人が読めばどこかなつかしい絵本です。さいごにジマイマたちが気取ってあらわれて台無しにしてゆくところなんて、とぼけていて、ゆかいで、思わず顔がほころんでしまいます。
絵が細密で美しく字は大きくて読みやすく、ひらがなが多いので、幼稚園からお読みいただけます。本が小さいので、幼いお子様にも読みやすく、小さなカバンにいれて持ち歩くのにも最適です。もちろん、親子で読み聞かせにも。
とにかく、猫たちの表情がゆたかで、猫の可愛らしさが爆発している絵本なので、猫好きさんへのプレゼントに!
いい本なら保存用はとっておきたいものですから、既にお持ちでも、プレゼントがかぶっても問題なし! 猫好きの方なら、喜んでくださることまちがいなしです。
「モペットちゃんのおはなし」もかわいいですよ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。ただひたすら猫がかわいい絵本です。
猫好きさんに、おすすめ。ひらがなだけで書かれている、読みやすい、小さなサイズの絵本なので、お子様へのプレゼントにも、読み聞かせにもおすすめです。
猫の絵があまりにも可愛らしいので、猫好きさんの大人のための和み絵本にも最適。とにかく、絵を見ているだけでなごみます。週末のお風呂上りなどに、ハーブティーをお供にぜひどうぞ。
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