【ルドルフともだちひとりだち】ルドルフとのら猫たちの日常と、ルドの一人旅【続ルドルフとイッパイアッテナ】【小学校中学年以上】

2021年6月12日

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ルドルフともだちひとりだち 続ルドルフとイッパイアッテナ  斉藤洋/作 杉浦範茂/絵 講談社

ぼくはルドルフ。ひょんなことからトラックの荷台に乗って岐阜から東京に来てしまった。東京でののら猫生活も一年以上。そんなとき、イッパイアッテナの家があった空き地に新しい家が建つことになって……

この本のイメージ 猫の友情☆☆☆☆☆ 再会と別れ☆☆☆☆☆ それぞれの成長☆☆☆☆☆

ルドルフともだちひとりだち 続ルドルフとイッパイアッテナ  斉藤洋/作 杉浦範茂/絵 講談社

<斉藤洋>
日本のドイツ文学者、児童文学作家。亜細亜大学経営学部教授。作家として活動するときは斉藤 洋と表記する。代表作は「ルドルフとイッパイアッテナ」「白狐魔記」など。

ルドルフともだちひとりだち 続ルドルフとイッパイアッテナ  斉藤洋/作 杉浦範茂/絵 講談社

 岐阜から東京にトラックで迷い込んでしまったルドルフと、本が読める不思議な猫イッパイアッテナ、そして仲間たちの、ほのぼの野良猫ライフを描くシリーズ、第2弾です。

 そういえば、斉藤先生はもともとはこういう作風だったのを思い出しました。最後まで読んで、誰も死なないし破滅もしないので、心底ほっとしました。(←失礼だろ)

 斉藤先生のビターな話はほんとうにやるせなく、それはそれで体力精神力があるときに読むと深みがあって独特の魅力があるのですが、「ルドルフとイッパイアッテナ」シリーズのような、かわいくて純粋な動物ものは、疲れきった心がざぶざぶと洗われます。

 さて、お話は、

 ルドルフが東京に着てから、そろそろ一年以上になります。

 イッパイアッテナの住んでいたアパートがあったところに、新しい家が建つことになりました。思い出の場所が変わってゆくことに、しんみりするイッパイアッテナ。
 しかし、彼にはある野望がありました。英語を勉強して、もとの飼い主「日野さん」が住んでいるアメリカに行こうと思っていたのです。もちろん、ルドルフと一緒に。

 とんでもないことになってしまったけど、わくわくもしているルドルフ。
 ところが、事態は思わぬ展開に……

 と、言うのがあらすじ。

 他にも、ブルドッグ犬デビルの成長や、飼い猫ブッチーたちとの交流、後半はルドルフの大冒険などが描かれます。

 今回のテーマは、それぞれの成長と自立。
 成長がすばらしい喜びをつれてくることもありますし、せつない結果になることもあります。

 でも、猫たちも犬たちも、みんな、まっすぐに自分の命を生きてゆく。

 字が読めて、本が読めて、たくさんのことを知っている、思慮深い不思議猫イッパイアッテナですが、雪の積もった屋根の上で本気で雪山遭難ごっこをしたり、おかしな護身術を身につけたりと、すごく楽しんで生きている感じです。
 そして、もとの飼い主を探してアメリカに行くと言う突拍子もない夢もある。
けれど、よくよく計画を聞いてみると、それなりにちゃんと筋が通っていて、そんなに行き当たりばったりでもなければ妄想でもないのです。
 人間でもこう言う人、いますね。天才と呼ばれますが。

 ルドルフはルドルフで、人間なら「天然ちゃん」と呼ばれてしまうような、純粋な猫です。
 「白狐魔記」の白狐魔丸もそうなのですが、ルドルフも考え深く大人びたところがあるにもかかわらず、いつまでも子どものような素直さがあります。

 でも、そのぶん仲間を大切にする気持ちや、こうと決めたらやりきる強い心があるのです。

 他の作品では、わりと変化球や哲学的なお話が多い斉藤先生ですが、このシリーズは徹頭徹尾正統派。安心して読めますよ。

 そういえば、ちゃんと正統派が書ける人が暗い話を書くと、心に響きすぎて怖いですよね。斉藤作品は、最初にどっちかはっきりしておいていただきたいです。(勝手な要望)

 ストーリーは小さいお子さまには面白く、大人の心にも響く内容で、小さなお子さまへのプレゼントにも、読み聞かせにも、大人の和みタイムにも、全年齢におすすめの児童書です。

 新しいことを何でも知ろうとするイッパイアッテナとルドルフを見ていると「学ぶこと」の楽しさ、大切さを思い出させられます。

 自分たちの夢を叶えるためにコツコツと努力して、計画して、やりぬこうとする猫たちの姿からは、小さなお子さまだけでなく、大人も学ぶことが多いはず。

 字はかわいいフォントで読みやすく、漢字には振り仮名が振ってあるので、通常は小学校中学年から。かしこい子なら小学校低学年からこつこつ読めると思います。

 この字のフォント、なつかしい。昔、「ルポ」っていうワープロ(ご存じない方のほうが多いと思いますが、パソコンが生まれる前に文章を打ち込んで出力していたオフィス機器です。タイプライターのハイテク版みたいなもの)があって、こういうフォントでした。「ルポ」はフォントがかわいかったので、女子に人気があったのですよ。(どうでもいい思い出話)

 お話が続いているので、「ルドルフとイッパイアッテナ」から順にお読みになることをおすすめします。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。猫好きさんには、絶対おすすめのシリーズです。
 ルドルフが、とっても純真でかわいらしく、イッパイアッテナは突拍子も無くて面白い。

 そのほかの登場人物も登場猫もいいやつばかりで、すがすがしい気持ちになれる動物ファンタジーです。
 週末の午後、ひなたぼっこしながら、読書をお楽しみください。

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