【なんでも魔女商会】ドラゴンを預かったら大騒動? 小学校低学年に大人気のハートフルファッションファンタジー【ドラゴンの正しいしつけ方】【小学校低学年以上】
なんでも魔女商会リフォーム支店のおさいほう魔女シルクとふつうの人間ナナは親友です。ある日、シルクのもとに星占い魔女のスピカからドラゴンの赤ちゃんがやってきました。スピカの旅行中、預かることになったのですが……
この本のイメージ 魔女☆☆☆☆☆ ドラゴン☆☆☆☆☆ ソーイング☆☆☆☆☆
なんでも魔女商会 4 ドラゴンの正しいしつけ方 あんびるやすこ/作 岩崎書店
<あんびるやすこ> 群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」シリーズなど。
本日ご紹介するのは、小学校低学年女子に大人気、あんびるやすこ先生の「なんでも魔女商会」シリーズ第4巻。
今回のテーマは「記憶」。
子どもの頃、ものすごく仲が良かった友達だったはずなのに、愛称しか思い出せないとか、子どもの頃の顔しか知らないので、大人になったらわかるかしらとか、「ひさしぶり」には、わくわくした期待に不安も混ざります。
そんな気持ちを励まして、背中を押すワンピースの物語です。
お話は……
おさいほう魔女シルクは、お洋服リフォームの達人。そして、人間の女の子ナナの大親友です。
ある日、ナナがいつものようにシルクの「リフォーム支店」に遊びにくると、かわいいドラゴンの赤ちゃん「ピンキー」がいました。ピンキーは星占い魔女スピカの飼いドラゴンで、スピカの旅行中シルクが預かっていたのです。
でも、まだ赤ちゃんのピンキーは、知らないことばかり。たぬきのリリーさんのカーディガンのボタンを飲み込んでしまい、そのうえところどころほつれをつくってしまいます。
リリーさんは、お友達のローズさんに久しぶりに会うために準備していたのですが、大切な黄色いワンピースを緑色のテーブルクロスと一緒に洗ってしまい、まだらに染まったワンピースを見て落ち込んでいた矢先でした。
シルクは、おわびにリリーさんのためにカーディガンとワンピースをリフォームして新しい素敵なドレスを作る約束をしますが……
……と、言うのがあらすじ。
今回のデザインテーマは、「ともだちに おもいだしてもらえるワンピース」。
お互いに成長してしまい、子どもの頃とはすがたが変わってしまった親友同士、ひさしぶりに会うとき、相手に自分だとわかるようなドレスを着たい。リリーさんのそんな願いを叶えて、シルクはリリーさんとローズさんの共通の思い出をモチーフにしてドレスをリフォームしました。
その結果は……読んでみてのお楽しみ。
あんびる作品の魅力は、愛らしい絵柄と、おしゃれなデザイン、成長する主人公、そして、誰も悪者にしないほのぼのとしたストーリーです。
「なんでも魔女商会」のシリーズは、ファッションがテーマなので、おさいほう魔女シルクも、人間の女の子ナナも、毎回とてもかわいい服を着ています。シルクはメイド服に魔女帽というスタイル。すそにリボンを通したレースがあしらわれている、愛らしいメイドエプロンです。
ナナはいつも、ボーイッシュでかわいい服を着ています。今回は少しカントリー風。
シルクは、毎回、お客様の様々な悩みを「ファッション」と「リフォーム」の力で解決します。おしゃれとリフォームは、現実の世界でも魔法みたいな力がありますね。
「ルルとララ」では、お料理レシピのページがありますが、「なんでも魔女商会」では、簡単なおさいほうハンドメイドのレシピが紹介されています。(今回はくるみボタン)
おさいほうやお料理は、いまはできる人が少なくなって、現代では特殊技術のように扱われるようになりました。とくにおさいほうはできる人が減りましたが、既存の服をリメイクしたりリフォームしたり、飾りをつけたりは、小さい子でもチャレンジしやすいはず。
今回の、花びら飾りなどは、小さいお子様でもできそうです。
そして、そしてラストはちょっとほろりとさせるドラゴンのエピソード。
友情って、自分の中にあるものです。自分の中に友情があれば、それが友達。
そんなシンプルなことを、ドラゴンは生まれたときから知っているのですね。
かわいくって、おしゃれで、ほのぼのしんみり感動して、そして、ためになる、ソーイングファンタジーです。親子で読み聞かせした後は、一緒にハンドメイドを楽しんでみてください。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。ほのぼのとして、かわいらしいハートフル魔女ストーリーです。悪者がひとりもいない、優しい世界です。HSPとHSCにおすすめ。
お裁縫が好きなら、女の子にも、男の子にも。
ラストは、犬や猫、動物好きなら、ほろりとします。
めしつかい猫、コットンのいれるカモミールティーが、とってもおいしそうなので、読後はカモミールのお茶でティータイムを。
最近のコメント