【しあわせのバケツ】思いやりとは?まごころとは?アメリカで絶賛された、愛情の交換を描いたロングセラー絵本【絵本】【4歳 5歳 6歳】

2024年3月16日

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しあわせのバケツ キャロル・マックラウド/作 デヴィッド・メッシング/絵 TOブックス

だれもがみんな見えない心のバケツを持っている。そこには、みんなのよい心やよい気持ちが入っている。バケツがいっぱいになると幸せな気持ちになるし、バケツがからっぽになると哀しい気持ちになる……

この本のイメージ 思いやりとは☆☆☆☆☆ 幸せとは☆☆☆☆☆ コミュニケーションとは☆☆☆☆☆

しあわせのバケツ キャロル・マックラウド/作 デヴィッド・メッシング/絵 TOブックス

<キャロル・マックラウド>
学校や教会などで、バケツを使った教育指導を行なう専門家であり教育者。ミシガン州ブライトン市にある教育組織Bucket Fillers,Inc.社の代表として、人々が幸せに暮らす方法を研究、指導している。フロリダのベニスで夫と共に暮らしている

<デヴィッド・メッシング>
ミシガン州デトロイト市のウェイン州立大学卒業後、子ども向けの雑誌でイラストを描き始める。絵本だけでなく、映画、広告、歴史ある美術館からバイクメーカーであるハーレーダビッドソン、自動車メーカーのためにミニチュアや小道具を製作。現在、家族と一緒に、25年続くアートスクールを運営している。現在はアニメ制作と本のイラスト作りに情熱を傾けている(以上、本書より引用)

 アメリカで、「お母さんが選ぶ絵本大賞」金賞を受賞した名作です。原題はHave you filled a bucket today? アメリカでの初版は2006年。日本では2019年です。

 本書は、「思いやり」や「コミュニケーション」について、わかりやすく説明した絵本です。

 人は、それぞれみんな一人に一つ、「見えないバケツ」を持っている。
 そのバケツは、良い心や良い気持ちになるといっぱいになり、バケツがからっぽになると哀しい気持ちになる。

 バケツをいっぱいにする方法は、他人のバケツをいっぱいにすること。
 誰かに微笑みかけたり親切にしたり、好きな気持ちを伝えたりすると、バケツはいっぱいになる。
 そして、誰かのバケツがいっぱいになると、自分のバケツもいっぱいになる。

 誰かのバケツをからっぽにしたら自分のバケツがいっぱいになると信じている人がいるけど、それはまちがい。
 他人のバケツをからっぽにする人のバケツはたいていからっぽだ。

 だから、誰かのバケツをいっぱいにしよう。他人を幸せにすると自分も幸せになるよ。

 ……これがわかりやすく、かわいらしいイラストで描かれています。
 日本語だけでなく、下に英語でも書かれているので、英語で読むこともできます。

 「しあわせのバケツ」と言う考え方は、1960年、ドナルドOクリフトンと言う人が創った物語Dipper and Bucketという本に登場しました。彼は「ポジティブ心理学の父」と呼ばれています。
 絵本「しあわせのバケツ」は、それをもとにしてキャロル・マックラウドとデヴィッド・メッシングが、子どもたちにもわかりやすい絵本にしたものです。

 この本は、童話のようなストーリーはありません。どちらかというと道徳を説いた本だと思います。
 けれども、「どうして他人に温かい気持ちをむけることが大切か」が、たいへんわかりやすく説明されており、これは子どもだけでなく、全人類が読むべきだなあ、としみじみ感じました。

 誰かを傷つけて、その誰かのバケツを空っぽにすれば、自分のバケツも空っぽになってしまう。

 バケツを空っぽにする人のバケツはたいてい空っぽ。
 彼らは他の人のバケツを空っぽにすると、自分のバケツがいっぱいになると思っている……。
 でも、そんな方法でバケツはいっぱいにはならない。 (引用p15~16)

 真正面からストレートに書いていますが、ほとんどの人間関係のトラブルのもとはこれだと思います。
 この絵本の優しさは、ここで「たまに他人のバケツを空っぽにすると自分のバケツがいっぱいになる人がいる」と言う価値観が無いところ。この考えは、今、とても大切なのではないでしょうか。

 他人のバケツを空っぽにする人のバケツは空っぽなのです。
 そして、その人は、「正しいバケツの満たし方」を知らないだけなのです。

 たいへんシンブルでわかりやすい表現で、思いやりやコミュニケーションについて描いています。
 とても単純なことを描いた絵本ですが、掘り下げると深いテーマが眠っています。

 どんな人でも一人に一つ、必ず、「見えないバケツ」を持っていること、そのバケツは他人を幸せにすることでいっぱいになること、他人のバケツを空っぽにいる人は自分のバケツも空っぽで、他人のバケツを空っぽにすると自分のバケツがいっぱいになると「間違った方向に思い込んでいる」こと。
 そして、そんな人でも、みんなと「おなじバケツ」を持っていて、バケツそのものが壊れていたり、別のバケツだったりするわけではないのです。

 こんなにシンプルな説明で、「まごころ」とか「おもいやり」について説明した絵本を今まで見たことがあったでしょうか。
 幼児向けということになっていますが、子供から大人まで、全年齢におすすめの絵本だと思います。

 この本の前書きには「まずは、この絵本をお子さんに読んであげてください。そして、あなたにとって、子どもたちが特別な存在であることを教えてあげてください。そうすることで子供たちは、何をすればいいのかを考えるようになります。あなたも毎日、一緒になって、バケツを満たす練習をしてあげてください。子どもたちはすぐに喜びを感じ、誇らしい気持ちになります。」(引用3p)とあります。

 ですからもちろん、読み聞かせに最適。親子で読むと、いままで以上に親子の絆が深まるはず。
 おそらく、この本との出会いは、早ければ早いほどいいのでしょう。けれど、この考え方は、いつ出会ってもその人の助けになると思います。

 いまは、巣ごもりで、どうしてもイライラしがちな時期ですから、そんなときに、この絵本を。
 お子さまへのプレゼントにも、親子での読み聞かせにも、大人のなごみ絵本としても、おすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 HSPHSCにおすすめの絵本です。「心」「思いやり」「コミュニケーション」「幸せ」について、驚くほどわかりやすく説明した良書です。どの年齢の人にもおすすめの絵本。
 読み聞かせはもちろん、大人の癒し時間にもおすすめです。

 

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