【ぽつぽつぽつだいじょうぶ?】雨の季節に読みたい絵本。かわいい動物たちとかわいい傘の物語。【3歳 4歳 5歳】

ぽつぽつぽつ あめですよ ちいさなねずみさん だいじょうぶ? 森の動物たちが、雨になるとめいめいで、自分の傘をさします。きのこだったり、にんじんだったり、ふきの葉っぱだったり…… 雨の日が楽しくなるような絵本です。
この本のイメージ 動物かわいい☆☆☆☆☆ 傘がかわいい☆☆☆☆☆ 雨の日は楽しい☆☆☆☆☆
ぽつぽつぽつだいじょうぶ? しもかわら ゆみ/文 絵 講談社
かわいい絵本のご紹介です。字はすべてひらがな。「ねえねえあのね」のしもかわら ゆみ先生の絵本です。
文章のボリュームはあまりないので絵を楽しむ、幼児用の絵本ですが、とにかく絵がかわいい。
動物の絵が、リアルとディフォルメのちょうどいい配分といいましょうか、かなりリアルよりなんですけど、表情としぐさが絶妙なのです。
ストーリーと言うほどのものはなく、雨が降ってきて、小さなねずみさんがきのこの傘をさします。
次に、うさぎさんにも雨が降ってきて、うさぎさんはにんじんの傘をさします。
けんかしていた、たぬきさんときつねさんはふたりでふきの傘をさします。
かえるくんは、雨にうかれて大喜び。
くまさんは木の枝の傘をさし、そして、風が吹いて、雨が上がって空が晴れました、と言う単純なストーリー。
このくまさん、絵はすごくリアルなくまなのに、しぐさが小さな男の子のようなのです。
このあたりが本当にすばらしい。
しもかわら先生の描く動物のかわいさは、動物そのもののかわいさの中に、絶妙の配分で幼児的な表情やしぐさが合わさっているのです。ねずみやうさぎなどの小動物は、目の表情、くまなどの大きな動物は、手足に動かし方やさりげないしぐさなど。
この神配分がすごい。
つまり、一見リアル志向に見える動物の絵は、しもかわら先生のなかでは自分のものとして生きているからこそできる技。
動物を愛している作家の絵本って、この「動物らしさ」と「人間らしさ」の配分が作家の個性だと感じます。
ビアトリス・ポターのピーターラビット、ターシャ・テューダーのコーギビル、ジル・バークレムののばらの村など、昔からこのジャンルの絵本には根強い人気がありますが、動物を描いていると一口に言っても、それぞれの作家にはそれぞれの魅力があるのです。
ビアトリス・ポターの絵は、動物たちのなかにも「悪い動物」とかもいて、しぐさのなかにも悪党らしさがあったりします。人間くさいのです。
ターシャ・テューダーの動物たちは、あたたかみがある素朴な絵で、人間ぽさより動物らしさのほうがより表現されていますし、ジル・バークレムの絵本は、動物たちだけでなく、森や木の家の細密な絵が魅力です。
しもかわら先生の絵の魅力は、動物たちが表現する「こどもらしさ」。
動物たちの愛らしさと、小さな子どもたちのしぐさの可愛らしさがプラスされた、かわいい×かわいいの二乗の魅力。
小さなお子様への読み聞かせのためにももちろん、おすすめですが、とにかくかわいらしいので、大人のなごみ絵本としても。
じめじめした雨のシーズンが、楽しくなるほどのかわいさです。(かわいいかわいい言い過ぎ)
今は、外出しないほうがいい時期ですから、部屋にいる時間が増えています。絵本で、親子の時間をたくさん取りましょう。
大人のみなさまも、たまには子供心に戻って、リラックスしてみてはいかがでしょうか。
児童書や絵本は、疲れきった大人の心をさわやかに癒してくれます。
小さな子供にとっては、社会に出る準備でもある絵本。大人にとっては、初心を思い出し、すっきりと気持ちをリセットするのに向いています。もうね、人生、これくらい単純でもいいんじゃないかって。そういうふうに思えるのが、大人にとっての絵本の魅力です。
字はすべてひらがなで、お話は単純でわかりやすく、文章の量はあまりありませんので、ひらがなをおぼえはじめの小さなお子様に負担なく読めます。字を覚えはじめたばかりのお子さまへの読み聞かせに。
また、絵がとてもかわいいので(まだ言うか!)、大人の和み本にもいいでしょう。梅雨シーズンのプレゼントにも最適です。
身の回りのものを使って傘ごっこをするのもいいですね。
雨の季節を楽しんでくださいね。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はひとつもありません。とにかく無敵のかわいらしさです。
雨の日に、あたたかいミルクティーやハーブティーを飲みながら、ほっと一息、読んでみてください。癒されます。
外出できない日には、親子で読み聞かせを、そして大人の和みタイムにも、ぜひどうぞ。
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