【地球のことをおしえてあげる】俯瞰する世界観。自分の生きている世界を知る知育絵本【4歳 5歳 6歳 7歳】

宇宙からくるだれかさんへ。 地球がどんなところかしってる? ぼくがきみにおしえてあげる。 小さな子どもが、自分を取り巻く世界を俯瞰して見ることができる、壮大な知育絵本。
この本のイメージ 世界の俯瞰☆☆☆☆☆ 細部に神は宿る☆☆☆☆☆ 宇宙☆☆☆☆☆
地球のことをおしえてあげる ソフィー・ブラッコール/作 横山和江/訳 すずき出版
<ソフィー・ブラッコール>
オーストラリア出身、ニューヨーク在住。絵本作家。絵本、児童書のさし絵を数多く手がける。『ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンの活動で世界中をまわった。「プーさんとであった日」「おーい、こちら灯台」でコールデコット賞を受賞。
作者が非営利の組織「セーブ・ザ・チルドレン」の活動のなかで、様々な国を回りながら、「すべての子どもたちに読ませることができる共通の絵本がほしい」と思ったことがきっかけで生まれた本です。
原書タイトルは IF YOU COME TO EARTH.原書初版は2020年。日本版は2021年2月が初版です。
宇宙にいる宇宙人に、地球のことを説明する、と言う形で主人公のクインという男の子が地球のこと、生物のこと、人間のことを説明するというつくり。
かなりのボリュームで、フルカラーの挿絵とともに、子どもたちを取り巻く世界のことを、詳細に説明しています。
わたしが子供の頃、第一次アニメブームというのが到来しておりまして、当時は「宇宙もの」のアニメが大流行しました。「宇宙戦艦ヤマト」が大ヒットした影響だと思いますが、大きな宇宙船や列車で宇宙を旅するジャーニーものや、宇宙をまたにかける冒険ものなど、宇宙を舞台にしたアニメーションが数多く生まれた時代です。
子どもの頃に宇宙に興味をもつと、現実世界が小さく感じられます。
今にして思うと、それはけっこういいことだったんだなと思います。わたしたちが幼い頃に流行したアニメーションは、宇宙人、異星人が登場する物語が多く、異文化と出会うカルチャーショックや、価値観の違いで起きる争いやトラブルを描く物語を数多くエンタメとして楽しむことができました。
それは、大人になって、現実の世界で価値観の違いにぶつかったときに、わりとすんなりと「自分は自分、他人は他人」と割り切れる助けになったのです。
シニアオタクが、独立独歩で趣味を満喫する傾向があるのは、あの宇宙ブームが影響しているのではなかろうかとも思います。
小さな子どもの世界と言うのは、最初、母親と子どもの二人だけです。そこにお父さんが加わり、きょうだいや祖父祖母などが加わり、そしてやがて幼稚園や近所の子どもたち、その親たちと広がってゆきます。
それでも、子どもの知っている世界は、まだまだ自分と自分の周囲の数人がすべて。そして、それは「自分と相手」と言う関係性でしか理解できません。
けれども、世界は、宇宙はどこまでも広がっています。
幼いときに、自分を取り巻く世界を俯瞰して見ることが出来た子どもは、その後の人生をどんなに大きくとらえることができるでしょうか。
この絵本は、小さな子どもに俯瞰の視点を与えてくれるのです。
宇宙人に地球のことを教えてあげる手紙の形式で、地球の自然環境や、人間の暮らし、子どもたちのこと、人種のこと、身近なもののこと、様々なことを挿絵とともに、わかりやすく説明しています。
もろちん、これで世界のすべてを表現したわけではありませんが、小さな子どもの頃にこうした大きな視点を持つことは、子どもの人生を羽ばたかせるために役立つと思います。
絵はほのぼのとしたあたたかみがあり、子どもたちの顔はそれぞれ個性があってユーモラスに描かれています。
繰り返し読むと、いつも新しい発見があり、何度も読み聞かせしてあげてほしい絵本です。
雨の日の読書や読み聞かせにぴったり。
興味をもったことがあれば、それをさらに調べる横展開も考えられます。
お子さまの視点をぐんと広げる絵本です。世界に興味をもつこの時期、どうぞ読み聞かせしてあげてくださいね。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。HSCのお子さまにおすすめの絵本です。
知的好奇心を刺激し、小さなお子さまにいままでとはちがった視点を与えます。感じる世界が広がるので、他人の心を思いやったり、見えないところを想像したりできるように促します。
繰り返しの読み聞かせをおすすめします。
もちろん、プレゼントにも。
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