【サーティーナイン・クルーズ】39のてがかりを集め秘密の遺産を手に入れるアドベンチャー。第7巻は南アフリカ【小学校中学年以上】

2021年9月3日

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サーティーナイン・クルーズ 7 毒蛇の巣窟  ピーター・ルランジス/著 小浜杳/訳 HACCAN/イラスト メディアファクトリー KADAKAWA

イリーナに命を救われたエイミーとダン。ふたりは、あらたな手がかりを求めて南アフリカへ。そこで、ケイヒル一族にかかわるチャーチルの謎を知る。そして、やがてふたりは、両親の謎にたどりつくのだった…… 謎の遺産をもとめて世界を旅する冒険小説第7巻。

この本のイメージ  両親の謎☆☆☆☆☆ 危機一髪☆☆☆☆☆ 歴史ミステリー☆☆☆

サーティーナイン・クルーズ 7 毒蛇の巣窟  ピーター・ルランジス/著 小浜杳/訳 HACCAN/イラスト メディアファクトリー KADAKAWA

<ピーター・ルランジス>
アメリカ、ハーバード大学卒。サスペンス、ミステリー、SF、若者向けロマンス、歴史小説など、さまざまなジャンルで150以上の著作を持つ人気作家。ブロードウェイ・ミュージカル・シアターで、俳優、歌手としても活躍。

<小浜杳>
1973年横浜市生まれ。東京大学英語英米文学科卒。書籍の翻訳以外に、映画字幕翻訳も手がける。訳書に「ゴール」「ゴール!2」(イーストプレス)「ジョージとの日々」(ダイヤモンド社)ほか。

サーティーナイン・クルーズ 7 毒蛇の巣窟  ピーター・ルランジス/著 小浜杳/訳 HACCAN/イラスト メディアファクトリー KADAKAWA

 アメリカからやってきた、ヤングアダルトアドベンチャー小説、「サーティーナイン・クルーズ」シリーズの第7巻。原書タイトルはThe 39 Clues:Viper’s Nest.初版は2010年。日本語版初版は2010年です。翻訳スビードが早い。

 現在市場では第1巻のみ入手困難で、あとは買えるようです。第1巻も中古なら手に入ります。面白い物語なので、電子化希望。

 この物語は、全体構成と第1巻を「パーシー・ジャクソンシリーズ」のリック・リオーダンが作り、それぞれの巻は別々の作家が担当するという集団創作方式。また、シーズン1が終了すると、シーズン2、3と続いており、アメリカのテレビドラマの方式を採用しています。

 アメリカの長期連続テレビドラマは「ショーランナー」と言う作家が、全体構成や世界観、キャラクターの基本設定を決め、その人が創った世界観やあらすじをもとにして、多数のシナリオライターが分業する方式をとっています。これによって、全体の世界観やテイストの統一をはかっているのです。

 小説では、この「サーティーナイン・クルーズ」のほかにも、アメリカで90年以上愛されている少女探偵「ナンシー・ドルーミステリ」や、ドイツのSF「宇宙英雄ローダンシリーズ」、日本では「グイン・サーガ」シリーズが作者の死後この方式で継続中です。

 今回のお話は……

 人類の歴史を影で支えてきた謎の一族ケイヒル。ケイヒルは四つの分家に別れ、一族の宝を探し続けてきました。
 謀略の得意なルシアン、頭脳のエカテリーナ、体力のトマス、芸術のジェイナス。それぞれが財産を築き、大成功しています。

 それにひきかえ、どの分家に所属するのかもわからないエイミーとダンは、何の後ろ盾もない貧しい孤児。

 しかし、彼らの祖母、大富豪グレース・ケイヒルが死んだときから、この秘密の探索は彼女の遺産相続人全員が参加する、一族どうしの対決となったのです。

 直観力、洞察力にすぐれたエイミーと脅威の瞬間記憶力を持つダン、そして、献身的な世話係ネリーの三人で、知恵と勇気で冨と権力に支えられた他の一族たちと勝負します。

 インドネシアで、イリーナ・スパスキーから命がけで助けられたエイミーとダン。どうして彼女は自分たちを助けたのか? わからないだらけのまま、ふたりはイリーナの遺品から次の手がかりのありかに気づきます。

 南アフリカにわたったエイミーとダンは、シャカ・ズールーとチャーチルの謎を解き明かそうとするのですが、そこにはグレースの足跡が。

 そして、いつしか、ふたりは両親の秘密にたどりつくのでした。その、衝撃の事実とは……

 と、いうのがあらすじ。

 カブラきょうだいの母、イザベル・カブラが登場してからいきなりストーリーがハードモード。前回の第6巻「遠い記憶」では、ついに死者が出てしまいました。

 そして、この巻ではついに、エイミーとダンの両親の謎があきらかになります。いままで、四つの分家のうち、どれに所属するのかもわからなかったふたり。どこかに所属していれば、一族の本拠地を使え、恩恵にあずかることもできたのに、不明だったために、ずっと孤児として不自由な暮らしをしていたのです。

 しかし、判明した事実は、あまりにも意外すぎて…… それは、読んでみてのお楽しみ。

 また、頼りになる世話係(オペア)のネリー姐さんにも謎が。車やジープ、小型飛行機と、あらゆる乗り物を操縦できるネリー。ただの大学生だと思っていたけれど、どうやら違うようです。謎の相手クラッシュギャルズ……じゃない、「クラッシュガール」と秘密のメールのやりとりなどをしていて、あやしい。

 ネリーだけは信じていたのに……疑いを持ちはじめるふたり。

 今回のミステリーは、南アフリカの歴史とチャーチル。南アフリカのアパルトヘイト政策などについて、きちんと説明しており、子どもたちに歴史を教える知育としての側面もあります。このシリーズ、歴史ミステリーを追って世界中を旅するお話なので、その巻ごとにその国の歴史に興味を持ち、読後に親子で話し合ったりインターネットで調べたりする横展開を想定されているのです。ここらへんは「マジック・ツリーハウス」もそうですね。
 世界中を回るお話なので、世界地図や地球儀に印をつけながら読むと楽しいかもしれません。

 巻末には、「エイミーのリサーチノート」が毎回掲載されており、その巻でモチーフになった歴史上の人物について、詳しくまとめられています。

 今回は、歴史ミステリーのほかにも暗号解読の要素もあって、盛りだくさん。やっぱりサーティナイン・クルーズはこうでなくちゃ。

 わけもわからず一族間の争いに巻き込まれたエイミーとダンでしたが、だんだんと一族の秘密に近づいてきました。シーズン1は、11巻で完結のようなので、これからはクライマックスの予感。

 次の行き先は中国です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 アクションシーンや危険なシーンはあるのですが、気をつけて書かれているので流血シーンや残酷シーンはおどろくほどありません。いまどきの日本の少年漫画よりはマイルドなくらいなので、だいたいそんな感じだな、と想像して、身構えていたら大丈夫な方にはおすすめです。少年ジャンプが大丈夫なら、大丈夫です。

 読後は、「エイミーのリサーチノート」をもとに、わからないことを検索すると、歴史の勉強にもなり、知育効果もあります。
 読後はルイボスティーでティータイムを。

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