【ルルとララ】宝石みたいなゼリーをつくろう! ぷるぷるの夏のスイーツをめしあがれ【小学校低学年以上】

明日は、大好きなシュガーおばさんの誕生日。ルルとララは、バースデーケーキを作ろうとはりきりますが、何度やっても失敗してしまいます。そんなとき、お店に妖精があらわれて……楽しいクッキングファンタジー!
この本のイメージ ゼリーを作ろう☆☆☆☆☆ 妖精のお菓子☆☆☆☆☆ 自分たちのできることで☆☆☆☆☆
ルルとララのきらきらゼリー あんびるやすこ/作 岩崎書店
<あんびるやすこ> 群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」シリーズなど。
小さな女の子に大人気のあんびるやすこ先生のルルとララシリーズ。今日のお菓子はあの、夏のスイーツ。
かえでの森にかこまれたメープル通りに小さなお菓子屋さんがあります。店長は、小学生のルルとララ。
ルルとララは、いっしょうけんめい作ったお菓子で、森の動物たちや、不思議なお客様の悩みを解決します。明るく楽しいクッキングファンタジー、今回は「ゼリー」です。
おはなしは……
もうすぐ、大好きなシュガーおばさんの誕生日。ルルとララはバースデーケーキを作ろうと大張り切りですが、どうしてもスポンジが上手く焼けません。ルルとララはオーブンを使うお菓子で、上手に作れるのはクッキーだけなのです。
失敗続きのふたりのところへ、妖精がやってきます。妖精の女王様のお誕生日のために、特別なお菓子を作ってほしいというのでした。それは「食べられる宝石」。
困り果てたルルとララでしたが、そこに訪ねてきた野ねずみのニッキがヒントをくれて、ふたりは「宝石のようなゼリー」を作ることにしました。
そして……というのがあらすじ。
今回は、「無理せずに自分のできることで素敵なことをしてみよう」がテーマです。
ルルとララは、まだまだ難しいお菓子が作れません。けれども、自分のできることを組み合わせることで、素敵なことがたくさんできるはず。今回は、そういった創意工夫をするお話です。
ルルとララのレシピのすごいところは、徹底して火を使わないところです。
加熱は電子レンジ。あとは「混ぜる」「冷やす」「盛り付ける」でつくりあげてしまいます。
マグカップケーキみたいな簡単なものしかできないかと思えば、そんなことはなく、クッキーを砕いてタルト生地を作ったり、手が込んだお菓子も作ります。
こういう方法があったか! と、かなり目からうろこ。
ガスオーブンやガスコンロを使わなくても、こんなにいろんなお菓子がつくれるのですね!
今回は、大好きなシュガーおばさんの誕生会と言う大イベントあるので、豪華なゼリーケーキだけでなく、自分たちでできるテーブルセッティングや飾り付けのアイディアなど、内容も盛りだくさん。
お出かけできない夏ですから、家でこんなふうに家族で手づくりのお茶会をするのは楽しそうです。
また、挿絵のルルとララのファッションがいつも可愛いのも、このシリーズの魅力。今回は、ギンガムチェックのエプロンドレスです。
「きらきらゼリー」はルルとララのシリーズの中では三冊目で、まだまだルルとララはお菓子屋さんをはじめたばかり。これから、どんどん上達して、いろんなお菓子を作ってゆくわけです。
ルルとララのシリーズは、しっかりしたストーリーがあって、読みやすく、そして、小さなお子様のために考え抜かれた役立つレシピもついています。挿絵はかわいらしく、作り方は図解入りでわかりやすい。至れり尽くせりのクッキングファンタジーです。
とくに、今回、紹介されている、炭酸を使ったダイヤモンドのようなゼリーは、インターネットでも話題なので、ぜひ作ってみたいもの。フルーツを入れるときらきらの宝石箱みたいです。
ゼリーは、だまにならないようゼラチンを溶かす、綺麗に型に入れるなどお料理の丁寧な手順をおぼえるだけでなく、冷蔵庫に入れて暫く「待つ」というアクションもあって、単純な手順ですが、小さな子どもには案外難しい。
「何かを創りあげるときには待つことも大事」と言うことも教えることができて、知育効果もあります。
最近は、なんでも即効でできてしまうことが多いので、なかなか「待つ」と言うことがありませんが、小さな頃に「待つ」ことができるようになると、我慢強くなって、いろんな可能性が広がります。
今は、我慢が必要なときです。先が見えない状態ではありますが、家の中で「自分にできること」をたくさんして、「待つ」時間を楽しみましょう。
できることを組み合わせると、楽しいことがたくさん生まれてくるかもしれません。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。うきうきの、クッキングファンタジーです。最近は男の子も料理をしますから、小さな女の子だけでなく、男の子にもおすすめです。ゼリーはとても簡単なので、家にある材料で気軽に作れます。
読んで楽しく、作って楽しい、かわいい絵本です。
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