【黒ねこサンゴロウ旅のつづき】謎の花をめぐる冒険。黒ねこハードボイルド【青いジョーカー】【小学校低学年以上】

2021年11月25日

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青いジョーカー 黒ねこサンゴロウ旅のつづき 2   竹下文子/文 鈴木まもる/絵  偕成社

ぼくの名前はイカマル。サンゴロウ親分にあこがれて、自分の船をもつことにした。おんぼろ船を修理して使えるようにしたその船はイルカ号。親分に見せておどろかせたいと思ったけれど……

この本のイメージ サスペンス☆☆☆☆☆ ハードボイルド☆☆☆☆☆ ねこ☆☆☆☆☆

青いジョーカー 黒ねこサンゴロウ旅のつづき 2   竹下文子/文 鈴木まもる/絵  偕成社

<竹下文子>
竹下 文子(たけした ふみこ、1957年2月18日~)は 日本の児童文学作家。夫は画家の鈴木まもる。福岡県生まれ、東京学芸大学教育学部卒業。大学在学中より執筆を行う。1978年「月売りの話」で日本童話会賞受賞。1979年『星とトランペット』で第17回野間児童文芸推奨作品賞受賞。1985年『むぎわらぼうし』で絵本にっぽん賞受賞。1994年『黒ねこサンゴロウ<1>旅のはじまり』『黒ねこサンゴロウ<2>キララの海へ』で路傍の石幼少年文学賞受賞。2009年『ひらけ!なんきんまめ』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。2020年『なまえのないねこ』で日本絵本賞、講談社絵本賞受賞。(wikipediaより)

<鈴木まもる>
1952年、東京都に生まれ。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さしえ賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。

青いジョーカー 黒ねこサンゴロウ旅のつづき 2   竹下文子/文 鈴木まもる/絵  偕成社

 黒ねこサンゴロウシリーズの続編シリーズです。初版は1996年。

 お話が、一応、一話完結の形にはなっていますが、全体の構成がしっかりしていて、大きな流れは続いているので、まずは「黒ねこサンゴロウ」の第1巻、「旅のはじまり」から、順番にお読みになることをおすすめします。

↓「黒ねこサンゴロウ 旅のはじまり」のレビューはこちら

 今回の語り手はイカマル。サンゴロウを親分と慕う、少年船乗りねこです。港で働きながら、ボロ船を買い取って修理し、コツコツと自分の船を作り上げていました。

 そんなとき、サンゴロウを訪ねてきた謎の女ねこ、シーナ。サンゴロウの友人だと言うけど、なんだかあやしい。

 じつは、サンゴロウはシーナと、カリン草という青い花をめぐって、熾烈な争いをしていたのです。もちろん、争いに巻き込まれたのはサンゴロウ。けれど、サンゴロウのほうがどうにも分が悪く、イカマルは心配してサンゴロウのあとをつけますが……

 と、いうのがあらすじ。

 「青いジョーカー」と言うタイトル、お話を読むと「そういうことか」と理解できるのですが、このタイトルがなんともかっこいい。

 今回は、かなりサスペンス風味。貴重な青い花カリン草をめぐり、花を手に入れようとする悪女シーナと正しい形で決着をつけたいサンゴロウのあいだでのバトル。そして、自分の船を手に入れたイカマルも参加して、最後は決着をつけます。

 いままでのお話のなかで、いちばんハードボイルドでサスペンスではないでしょうか。おもしろかったです。

 今回は、事件解決の展開がメインなので、哲学的な要素はありません。純粋なエンタテインメントです。ねこなのにニヒルでハードボイルドのサンゴロウ。絵はねこなのに、かっこいい。

 鈴木まもる先生の挿絵が絶妙で、「かわいい」と「かっこいい」のふたつをあわせもっていて、そして、ちゃんと「ねこ」なんです。しぐさとか、プロポーションとかが猫。猫好きの目から見ても、「おお、まさに猫だ」と思います。さすがです。

 字は多くて読みやすく、ひらがなか多めで、ごく簡単な漢字以外には振り仮名がふってありますが、繰り返しの場合ははぶいてあるなど、正確に言うと総ルビではありません。一応、小学校低学年以上としてありますが、総ルビじゃないと無理な場合は厳しいかも。

 でも、1巻に登場するミリが小学二年生なので、二年生くらいからは挑戦してほしいところ。当ブログでは小学校低学年以上としました。もちろん、読み聞かせなら一年生から大丈夫です。一人称なので、読み聞かせはしやすいでしょう。

 昔とちがって、今はジェットコースター展開のアニメや漫画があふれていますから、ごくふつうの児童文学ではお子様にはつまらないかもしれません。でもサンゴロウのシリーズは、子供向けなのに、わりと本格的なサスペンスだったりハードボイルドだったりするので、そういうテイストのものが好きな人には魅力的だと思います。

 もちろん、大人が読んでも楽しめます。これ、おせじとかじゃなく、本当に大人が読んでも面白いのでびっくりしますよ。

 わたしは、常々「ハードボイルドは若者の特権」と主張しています。自分が歳をとってくると、大人とか年配の人が、子どもの頃に思ったほど大人でもなければ、かっこよくもないとわかってくるからなんですね。(自分含め)

 子どもの頃は、大人を見て「渋い、かっこいい」と思っていても、自分がそういう歳になると、なかなか……。そう言う意味でも、若いときに、ハードボイルドを楽しんでみてくださいね。ねこだけど。

 男の子の夢とロマンが詰まった、ニヒルな黒猫のハードボイルドストーリーです。

 自粛期間に親子で楽しむのにぴったり。シリーズは「サンゴロウ」「旅のつづき」それぞれ五巻ずつ、ぜんぶで十巻なので、かなり楽しめます。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素は、ほとんどありません。サスペンスでアクションなのに、流血シーンがほぼないのはお見事です。ハラハラドキドキの展開で、最後まで楽しめます。

 長い物語を読み始めの男の子にぴったり。女の子も、アクションものとかが好きな子ならおすすめです。

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