【華麗なる探偵アリス&ペンギン】鏡の世界で名探偵に変身?ナンセンス・ファンタジック・ミステリー【小学校中学年以上】

2024年3月18日

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華麗なる探偵アリス&ペンギン 南房秀久/作 あるや/絵 小学館ジュニア文庫

彼女は夕星アリス。冒険家のパパと二人で旅をしながら暮らしていたけれど、パパの都合で日本で暮らすことになりました。ところが、預けられた先にいたのはペンギン。P.P.ジュニアと名乗るこのペンギンと、アリスは探偵をすることになるのである。華麗なる探偵、アリス&ペンギンの誕生!

この本のイメージ ナンセンスファンタジー☆☆☆☆☆ ミステリー☆☆☆☆☆ どうしてそうなる☆☆☆☆☆

華麗なる探偵アリス&ペンギン 南房秀久/作 あるや/絵 小学館ジュニア文庫

<南房秀久>
南房秀久(なんぼう ひでひさ)。
ライトノベル及び児童文学を中心に書く日本の小説家。東京都在住の蟹座生まれ。

 本日は、小学館ジュニア文庫の人気シリーズ「華麗なる探偵アリス&ペンギン」のご紹介。第1巻初版は2014年です。現在、17巻まで刊行中。
 ファンのあいだでは「アリペン」の愛称で愛されているようです。

 ストーリーは……

 主人公夕星(ゆうずつ)アリスはイギリス人のママと日本人のパパのあいだに生まれた、金髪みどりの目の女の子。ママは亡くなっており、冒険家のパパとふたりで旅をしながら暮らしていたけど、パパの都合で日本で暮らすことになりました。

 パパに教えられたとおり、「ペンギン探偵社」にたどりつくと、そこにいたのはペンギン。あだ名でなんでもなく、ほんものの、しゃべるペンギン。

 しゃべるペンギンP.P.ジュニアはパパからの預かりものと言って、アリスに不思議な指輪をわたします。それをはめると、指輪はアリスの指から外れません。

 そんなとき、事件発生。なりゆき上、P.P.ジュニアと事件現場にむかうアリス。

 愛犬が行方不明になったと訴える富豪夫妻の館で、なんとなく事件の真相に気づいた気がするアリスは、指輪の力で鏡の世界へ入り込んでしまいます。
 鏡の世界で夕星アリスからアリス・リドルに変身したアリスは、事件をズバっと解決。

 しゃべるペンギンP.P.ジュニアとアリスは、コンビで探偵をやることになりました。

 ……と、いうのがあらすじ。

 アリスのライバルに怪盗赤ずきん。P.P.ジュニアのライバル探偵には名探偵シュヴァリエこと響琉生(ひびきるい)くん、と個性的なキャラクターも登場します。

 怪盗赤ずきんは、「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」の赤ずきんちゃんを思い出させます。わがままで強くてかわいい女の子。(ちなみに「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」のほうが後に出版されています。アリペンのほうが先)

 響琉生くんは、テレビ番組も持っている有名人少年名探偵。かっこよくて優しい男の子です。

 主人公のアリスは、内向的で大人しい、おっとりした女の子ですが実は観察力、洞察力に優れ、考える力は抜群。けれど、考えるのにとても時間がかかるのでした。

 ところが、不思議な指輪の力で、アリスは鏡の世界へ入り、夕星アリスからアリス・リドルに変身します。
 鏡の世界では時間が流れないので、そこでたっぷり時間をかけて推理したアリスは、探偵助手アリス・リドルとして現実の世界へもどり、事件を解決する、と言うおはなし。

 あるや先生の絵がとってもかわいらしいだけでなく、文中でアリスが何度も着替え、それを絵にしてくれているのがうれしい。アリスは大人しくて内向的な子だけど、とってもおしゃれさんです。(本人は気づいていないけど)

 あざらしのリュックを背負ったペンギン、「ししょー」ことP.P.ジュニアもいい味出しています。

 ナンセンスファンタジーなのに、推理の部分は意外と正統派。テンポのいい文章は読みやすく、アニメシナリオのように軽快です。

 すべての漢字にふりがながふってある総ルビなので、50音さえ読めれば、コツコツ読むことができます。小さな女の子へのプレゼントに。小説入門編としておすすめです。

 とってもかわいいし、面白いので女の子だけでなく、男の子も楽しんで読んでくれそうです。

 また、「不思議の国のアリス」をモチーフにしているので、「不思議の国のアリス」も並行して読んで元ネタをさぐるのもいいですね!

 長い小説の読みはじめに最適の、読みやすくて楽しいファンタジー推理小説です。ファンタジーの部分は「どうしてこうなるの」と言う感じのナンセンスファンタジーなのですが、推理の部分はちゃんと理屈が通っていて、これが両立していると言うのがお見事。

 ファンタジーとミステリーが好きな女の子が、両方楽しめる、お得なジュニア小説です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 おすすめです。主人公のアリスが内向的で落ち込みがちな女の子ですが、自分の長所を生かしてがんばるお話です。
 推理ものではありますが、全体的にナンセンスファンタジーでコメディ色が強いので、明るく楽しい雰囲気の小説です。残酷シーンや暴力シーンはありません。
 格闘シーンがあったとしても、殴られたらびよーんとのびる、昔のギャグアニメみたいな感じです。基本的にかわいいのです。

 読後は英国紅茶……と、言いたいところですが、P.P.ジュニアはコーヒーのほうが好きなよう。
 マグカップにたっぷり淹れたカフェ・オレでひとやすみ。

 

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