【時間割男子】読めば勉強が好きになる? 乙女ゲーム風四教科擬人化ラブコメ、第4巻!【めざせ、最高のパーティー!】【小学校中学年以上】
四教科の教科書が「神様のはからい」で人間に変化した科目男子たち。彼らの寿命はわたしのテストの点数と連動していて、0点をとると消えてしまう!年末の試験は大切だけど、クリスマスパーティーもしたくて……
この本のイメージ 抱腹絶倒☆☆☆☆☆ この発想はなかった☆☆☆☆☆ 乙女ゲーム風ラブコメ☆☆☆☆☆
時間割男子 4 めざせ、最高のパーティー! 一ノ瀬三葉/作 榎のと/絵 角川つばさ文庫
<一ノ瀬三葉>
東京都在住。 おうし座のO型。「トツゲキ! 地獄ちゃんねる」で第4回角川つばさ文庫小説賞《大賞》受賞。主な作品に「ソライロ♪プロジェクト」シリーズ(角川つばさ文庫)などがある。
最近、子どもたちから大人たちへ、「どうして勉強しなければならないの?」と言う質問が出ることが多いようです。
こういう質問が出るのは、「勉強が辛いから」でしょう。
学校の勉強が味気なく、つまらないと、どうして勉強しなければならないのか、わからなくなってきてしまいます。大人になってみると、学校時代に勉強したことは、案外役に立ったりするのですが、自分が当事者だと、なかなかそれはわかりません。
また、学校の人間関係がこじれ、うまくゆかなくなると、どうしても通学できない子が一定数生まれてしまいます。
みんなが通っている小学校に通えないと、絶望的な気持ちになることもあるかと思います。
小さな子どもの不登校って、気持ちの上で折れてしまうのをいちばん避けたい……。
小学校時代の勉強は、なんらかの事情で学校に行けなくなっても、足し算引き算掛け算割り算の四則演算を理解して、大量読書をすればじゅうぶん巻き返せる、とわたしは思うので(個人の意見ですが)「辛くなったら本を読もうよ!」と、ブログを書き続けています。専門家でもなんでもない、ただの一介のオバハンの意見でおこがましいのですが……(おこがましいよ)
なんらかの事情で小学校に通えなくなるとき、問題になるのは学校の人間関係と成績。人間関係は相手があることなので、やみくもに頑張ってもどうしようもないときもありますが、勉強に関しては、がんばればやりようがあります。
小さな子ども時代の勉強にとって一番大切なのは「読解力」なので、大量に読書をすればなんとかなるのです。また、学校教育では手薄な地理を勉強しておくと、あとあと大きな武器になりますよ!
大量に本を読むことが経済的に苦しければ、図書館と言う手もあります。図書館では、すでに絶版になった貴重な本も借りることができますので、新品の本にはない魅力があります。図書館には厳選された名著があるという、ネットにはない良さがあります。
図書館によっては、貴重な地元の歴史資料が保管してあったりもするので、興味がわけば、どんどん掘り下げるのも楽しそうです。
前置きが長くなりましたが、本日ご紹介するのは、一ノ瀬先生がおくる、前代未聞の四教科擬人化ラブコメ、「時間割男子」の4巻目。
お話が完全に続いているので、まずは第1巻からお読みください。第1巻のレビューはこちら↓
これは、国語算数理科社会の四教科の教科書が、イケメンボーイズに変身(!)して主人公のまどかちゃんのもとに降臨し、ホームステイしながら家庭教師をしてくれるという、なんとなんとの乙女ゲーム風四教科擬人化ラブコメです。
四教科擬人化ですよ、よんきょうかぎじんか。
もうね、これだけは何度読んでも、感動します。この発想、この感性、天才すぎる。
算数の化身、算数ケイくんは、毒舌のクール系。
国語の化身、国語カンジくんは、やさしくて理知的。
理科の化身、理科ヒカルくんは、かわいくてキュート。
社会の化身、社会レキくんは、明るいプレイボーイ系。
4人の「科目男子」たちが、主人公のまどかちゃんの家にホームステイして、家庭教師をしてくれる。
ところが、そんな都合のいい、夢のような話だけではなくて、彼ら4人の寿命が、まどかちゃんのテストの成績と連動していて、まどかちゃんがとった点数と同じ日数しか余命がない。つまり、0点をとると、消えてしまうのです!
今回は、冬休みがあいだに入るため、最低でも30点以上は取らないと、テストのない期間に科目男子たちが消えてしまう。でも、いままでのまどかちゃんには、30点でも高い目標なのです。
そのうえ、もうすぐやってくるクリスマスでは、親友の優ちゃんと科目男子たち、みんなと一緒にクリスマスパーティーをしたい、と言うまどかちゃんの野望がありました。
はたしてまどかちゃんは、年末のテストで30点以上をとって、最高のクリスマスパーティーをおくることができるのか?
……と、言うのが今回のあらすじ。
今回のお話ではまどかちゃんがレキくんと図書館に行き、図書館の魅力を知ります。
また、図書館で不思議な古文書を見つけ、科目男子たちを「ほんとうの人間」にすることができるのではないかと気づき、その方法を探り始めます。ファンタジーとしての本筋も大きく動き出しました。たしかに、科目男子たちの寿命問題、どうなるんでしょうね。気になります。
そして、血がつながっていなくても、人間ですらなくても、心がつながっていればそれは「家族」。と言うテーマが、「時間割男子」のほんわかしたムードのなかで語られるのも素敵です。
このお話、まどかちゃんが科目男子たちの寿命をのばすために、必死でガリ勉する物語なのですが、彼女が基本的に明るくてのんきな性格なので、深刻になりすぎず、全体的にほのぼのゆる~い雰囲気が安心できます。
優等生の成島優ちゃんも、優しくてとってもいい子ですし、悪人が出てきません。
現実世界ではテストの点数って、子どもにとっての死活問題なので、しゃれにならないくらい深刻なんですよね。だから、物語の中で、まどかちゃんが悲鳴をあげながら勉強していたとしても、どこまでもギャグっぽく、ゆるゆるっと話がすすむのがかえってちょうどいいのです。
そして、そんなナンセンスファンタジーなのに、要所要所で、勉強する楽しさを教えてくれます。
子どもの1日はほとんどが学校です。学ぶことが辛かったら、子どもの人生は真っ暗です。少しでも、知らないことを知る楽しさを感じられれば、学ぶことが楽しければ、人生も楽しくなるかもしれません。
文章は、まどかちゃんの一人称。とても読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。知育的な小説ですが、ナンセンスファンタジーとしても面白く読めます。
面白くて、勉強を好きになるかもしれない? ラブコメ小説です。親子で読んで推しキャラを語り合うのも楽しそう!
榎のと先生のかわいい挿絵もたくさん入っています。
物語が完全に続き物なので、まずは第1巻から。前代未聞の乙女ゲームチック知育ファンタジー(?)。
そうそう、これは電子書籍もありますよ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。楽しいファンタジー小説です。今回、ファンタジーストーリーの部分も動き始めます。
小さなお子様の小説入門編として、おすすめです。
読後はまどかちゃんの大好きなプリンでティータイムを。
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