【雪の女王】アンデルセンの名作を絵本で。ひたむきな愛の物語。【小学校高学年以上】

2024年3月18日

広告

雪の女王   アンシア・ベル/再話  ヤナ・セドワ/絵 成沢栄里子/訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン/原作 BL出版

悪魔の作った鏡が割れて、世界中に飛び散りました。鏡のかけらは、心優しい少年カイの目と心臓に突き刺ささり、そしてカイは雪の女王に連れ去られてしまいます。幼馴染のゲルダは、カイを探す旅に出ました……

この本のイメージ 美しい絵☆☆☆☆☆ 読み応えあり☆☆☆☆☆ 読みやすい☆☆☆☆☆

雪の女王   アンシア・ベル/再話  ヤナ・セドワ/絵 成沢栄里子/訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン/原作 BL出版

<アンシア・ベル>
イギリス、サフォーク州生まれ。翻訳者。フランス、ドイツ、デンマークの文学作品、特に児童文学を英訳している。大英帝国勲章受勲。

<ヤナ・セドワ>
モスクワ生まれ。美術系専門学校で学び、『雪の女王』でデビュー

<成沢栄里子>
新潟県生まれ。法政大学文学部卒業

<ハンス・クリスチャン・アンデルセン>
Hans Christian Andersen(1805年4月2日 ~ 1875年8月4日)は、デンマークの代表的な童話作家、詩人。

雪の女王   アンシア・ベル/再話  ヤナ・セドワ/絵 成沢栄里子/訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン/原作 BL出版

 

 ついに!
 フィギュアスケートの季節がやってまいりました!
 グランプリシリーズの開幕です。

 先日、グランプリシリーズ初戦、スケートアメリカが開催されたわけですが、スケートファンにとっては嬉しい歴史的快挙があり、いまだに興奮しています。

 「りくりゅうペア」こと三浦璃来・木原龍一組、なんとなんとの銀メダルです!
 日本のペアが、グランプリシリーズ銀メダル! もちろん、史上初。
 これは最終戦、グランプリファイナルもいけそうな勢いです。

 日本のフィギュアスケートカップル競技というのは、ペアもアイスダンスも長らく苦難の時代があり、ペアは言うたら「銀のロマンティック・・・わはは」の時代からずっと、競技人口や練習場所などの問題で苦しんでいたようです。(たとえが古いよ)

 それが銀メダルですよ。どひー。とんでもない時代がやってまいりました。

 このペア、三浦選手のはつらつとした動きや初々しい仕草、木原選手の安定感のあるサポートで、二人で滑ると、なんとも言えないせつなさや、まっすぐさが伝わってくるのです。技術的にも高い選手たちなのですが、この情緒感が魅力。

 まだまだのびしろいっぱいな二人。今後の活躍がすごく楽しみです。
 アイスダンスの小松原組も躍進しています。村元高橋組との対決も注目です。

 そして、宇野昌磨選手、銀メダルおめでとうございます! 手先や仕草、身体の線などすごく美しくなっていてびっくり。それに、スピン!さすがのステファン先生門下でした……。フリーはクワドの数にびびり、そして完成形を想像してわくわくするプログラムでした。純粋に、楽しみです。佐藤選手は、すごい根性で……! 怪我がひどくないといいですね……。心配。

 横井選手は悔しい結果ではあると思いますが、さすがの表現力。キビキビしたメリハリのいい動きと、くるくるかわる表情が魅力的です。宮原選手は安定の、上品で繊細な魅力。そして、坂本選手のダイナミックな魅力は健在。ジャンプがきまるとスカっとします。

 女子は、ロシア女子たちがおそロシアすぎて、このまま異次元に旅立つのだろうかと言うレベルですが、こんな空中戦の時代が来るとは。時代の波が押し寄せてきたのですね……

 そんなわけで(どんなわけだよ)、
 本日のご紹介は、アンデルセン原作の「雪の女王」です!

 このシーズンになると、どうしてもスケートについて語りたくなるので、「雪」だの「氷」だの「スケート」だのが題材になった絵本は優先的にご紹介することになると思います。(どっちが本題だ……)

 これは、モスクワ生まれのイラストレーター、ヤナ・セドワの絵本。原題は THE SNOW QUEEN.初版は2016年。日本語版初版も2016年です。

 この本は、絵本と言う形はとっていますが、文章のボリュームがかなり多く漢字も多いので、イラストの多い大型の小説といったところです。想定読者は小学校高学年以上。

 ストーリーは、ご存知の方も多いと思いますが……

 あるとき、悪魔の作った恐ろしい鏡が割れて、その破片が世界中に飛び散りました。その鏡は、良いものは小さく映り、悪いものは大きく映るという呪われた鏡だったため、無数に飛び散った破片は、世の中にたくさんの悪いことを引き起こしました。

 不幸なことに、心優しいカイ少年の目と心臓に悪魔の鏡の破片が飛び込んでしまいました。
 カイは、世の中が悪く見え、そして冷たい気持ちをもつようになってしまいます。
 そんなカイのところに雪の女王がやってきて、雪の城までそりで連れ去ってしまいました。

 ゲルダは、カイをさがして旅に出ます。旅の途中で様々な人に出会い、力をもらいながら、やがて雪の城にたどりつき、カイを取り戻す……

 と、言うのがあらすじ。

 「雪の女王」は多くのクリエイターに愛され、さまざまなコンテンツになりました。宮崎駿監督の「太陽の王子ホルスの大冒険」に影響を与えたとも言われています。

 全頁を彩るヤナ・セドワのフルカラーの絵が画集かと言うレベルで美しいので、見ているだけでため息が出ます。「雪の女王」ファンなら、ぜひ手に入れたいところ。

 難があるとしたら、アンデルセンの童話をいったんイギリスの童話作家が翻訳し、それをさらに日本語に翻訳した小説なので、原作にある有名なフレーズ「あの子はくつもはかずに広い世界を歩いてきた」「ぶどうとレモンをおいしくするために雪を降らせにゆく」がないのがちょっぴりさみしい。

 アンデルセンの小説をそのまま翻訳したバージョンと読みくらべてみるのも面白いでしょう。

 アンデルセンの童話は悲劇が多く、「人魚姫」や「マッチ売りの少女」など、子どものトラウマになりそうな話がわりとあるのですが、このお話はなんと、ハッピーエンドなんですよ!

 また、登場する女性キャラクターが全員とても魅力的なため、アンデルセンは苦手だけど「雪の女王」は好きと言う方は多いようです。ディズニーの「アナと雪の女王」もいいけれど、原作も根強いファンがいる名作なんです!

 総ルビでないのが残念ですが、しかし、絵の美しさは太鼓判。
 子どもから大人まで、クリスマスプレゼントにもおすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

v

 美しい本です。また、ストーリーも困難を乗り越えてゆくハッピーエンドなので、おすすめします。
 子どもの情操教育だけでなく、大人のなごみ本としてもおすすめです。

 読後はロシアンティーでティータイムを。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告

本棚

Posted by kagurat