【まじょ子】ハロウィンシーズンに!全60巻の児童小説の金字塔。おちゃめで小さな魔女の物語【まじょ子どんな子ふしぎな子】【小学校低学年以上】

2024年3月18日

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さくら通りの公園横の交番に、小さな女の子がやってきました。どうやら迷子のようです。自分の名前も、歳も、住所も忘れちゃったと言う女の子と、おまわりさんはなぞなぞ遊びをしますが……

この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ 魔女☆☆☆☆☆ 楽しい☆☆☆☆☆

まじょ子どんな子ふしぎな子  藤真知子/作 ゆーちみえこ/絵 ポプラ社

<藤真知子>
東京女子大学卒業。「まじょ子どんな子ふしぎな子」でデビュー。以後、「まじょ子シリーズ」は、幼年童話のファンタジーシリーズとして人気を博し、ついに60巻で完結。ほかにも「わたしのママは魔女シリーズ」(全50巻)など、作品多数。

<ゆーちみえこ>
東京生まれ。早稲田大学卒業後、イラストやさし絵の仕事を始める。作品に「えらいこっちゃのようちえん」、「子どもの初めて応援」シリーズ(以上、アリス館)、「空にむかってともだち宣言」(国土社)、「ねむりいす」「あたしのやまのぼり」(ともに、ひさかたチャイルド)、「わがまま犬とのくらしかた」、「まじょ子」シリーズ、「わたしのママは魔女」シリーズ(ともに、ポプラ社)など。日本児童出版美術家連盟会員。

 もうすぐハロウィンなので、もういっちょう、魔女ものをご紹介。

 児童小説にさんぜんと輝く、全60巻という金字塔を打ち立てた、「まじょ子」シリーズの第1巻。藤真知子先生のデビュー作でもあります。
 初版は1985年12月。36年前です。最初に「まじょ子」を読んで育った子どもは、もうそろそろ40歳くらいになっていますね。その間、シリーズは刊行を続け、2018年に60巻で完結いたしました。
 たいへんなロングセラーです。

 「まじょ子どんな子ふしぎな子」は、市場では入手困難で、中古でしか手に入らないのですが、記念すべき第1巻でデビュー作のため、まずはこの本からご紹介します。(まじょ子シリーズのほかの本は買えます) 第1巻は、中古か図書館でお楽しみください。ただし、このシリーズ、話が続いていないので、どの本から読んでも大丈夫です。

 また、ポプラポケット文庫から、「まじょ子2in1」として「まじょ子どんな子ふしぎな子」と「ふしぎなくにのまじょ子」の二冊を一冊にあわせた文庫版が出版されています。こちらは電子書籍にもなっています。

 例によって、無知だったわたしは初読なんですが(恥)、今回はじめて読んで、まじょ子ちゃんのキュートな魅力にノックアウト。これはかわいい。

 ちょっぴり小生意気なところもあるまじょ子ちゃん、「長くつ下のピッピ」のようなガキ大将ではなく、「メリーメリー」のようなやんちゃさもない、天真爛漫で素直な女の子です。ただし、人間界の常識を知りません(重要)。

 この「異世界ギャップ」が巻き起こす、数々の事件の短編集が今回のお話。

 第1巻に収録されているのは、「夜のまいご」「エレベーターのおきゃくさま」「夜のかんじゃさん」「ぼうしやのおきゃくさま」の四本です。

 物語の起承転結がはっきりしていて面白いので、ひらがなの多い子供向けの短編なのに読み応えがあり、読書欲が満足するのが、藤先生の作品のすごいところ。この文章量、そのうえ短編集なのに、「ああ、読んだなあ」と思えるのです。

 言うならば、ちっちゃくてかわいらしいプチタルトを四つ食べただけなのに、大きなホールケーキを一つ食べたような気分になる、そんな感じ。胃袋じゃなく、心がね。

 また、それぞれのお話の色彩描写が華やかで、フルカラーの鮮やかな情景が目に浮かぶのも魅力。まじょ子ちゃんの短編は、とても映像的です。

 お話が続いているタイプのシリーズではなく、どの本から読んでも楽しめるつくりになっていますので、気になるタイトルや表紙から選んでもだいじょうぶ。(大切なことなので二度書きました)「まじょ子どんな子ふしぎな子」は入手困難ですが、最近出版されたものだと、まだまだ通販で手に入ります。

 字が大きく、ひらがなが多く、すべての漢字にはふりがながふってあります。対象は小学校低学年から。絵本を卒業して、長い小説の読み始くらいの本です。「モンスター・ホテル」とおなじくらい。

 短編集なので、読み聞かせにもぴったりです。

 お話はつねに明るく、暗いところがまったくないので、親子で楽しく読めると思います。まじょ子ちゃんのママは美人でかっこいい魔女です。

 デパートのエレベーターガールなど、今となっては少しレトロなエピソードもありますが、それも世代間の話題になりそう。わからないことは、おじいちゃんかおばあちゃんに聞いてみましょう。

 30年以上愛された、キュートな魔女ファンタジー、まだの方はぜひ手にとってみてくださいね。
いたずらなまじょ子ちゃんの魅力にきりきり舞いさせられてしまいますよ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。明るく楽しい、魔女ファンタジーです。
 まじょ子ちゃんは、天真爛漫で素直な性格で、純粋に魔女の世界の常識で生きているだけなのですが、それがズレているので楽しい、と言う、異世界ギャップものです。

 子どもなら、まじょ子ちゃんが見せてくれる不思議世界にわくわくするでしょうし、大人なら子ども時代の純粋な気持ちを思い出して、なごみます。

 子どもから大人まで、疲れたときには元気をもらえる、メルヘンチックファンタジーです。おすすめです。

 

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