【小さな人のむかしの話】日本児童文学界不朽の名作、コロボックル物語番外編。コロボックルたちの昔話風短編集。【コロボックルむかしむかし】【小学校高学年以上】

2024年3月19日

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小さな人のむかしの話 コロボックル物語別館 佐藤さとる/作 講談社青い鳥文庫 
コロボックルむかしむかし 講談社文庫

せいたかさんがツムジイから聞いたコロボックルたちの昔話を古いと思われる順に並べました。講談社青い鳥文庫版と、文庫版の二種類が違うタイトルで刊行されています。

この本のイメージ 日本昔話☆☆☆☆☆ コロボックルの伝説☆☆☆☆☆ ほのぼのファンタジー☆☆☆☆☆

小さな人のむかしの話 コロボックル物語別館 佐藤さとる/作 講談社青い鳥文庫

<佐藤さとる>
日本のファンタジー作家。「コロボックル物語」は日本発のファンタジーとして知られる。

 日本の近代ファンタジー小説の元祖とも言える、佐藤さとる先生の「コロボックル物語」。その番外編と言うべき短編集です。コロボックルの世界に伝わる、昔話風の言い伝えをツムジイがせいたかさんに語ったと言う形でまとめられています。

 日本は、もともと、ファンタジーやオカルトが生活と融合している国でした。
 天地創造からとてもファンタジックで、独自の神話体系があり、今昔物語や宇治拾遺物語など、不思議な言い伝えが数多く残っています。

 平安時代には、「竹取物語」のような、夜空に浮かぶ月がいまの世界とは別の世界であり、そこに人が住んでいると言う設定のSF小説が存在したりと、もともとファンタジーが大好きな民族でした。

 むしろ、物語と言うより「本当のこと」として、怪異な事件が残っていたりする日本ですが、そういう昔ながらの「言い伝え」ではなく、純粋な「物語」としての近代ファンタジー小説の元祖とも言うべきものが「コロボックル物語」だと思います。

 この番外編は、その空想物語であるところのコロボックル物語と、少彦名命に代表される日本の昔話を融合させた短編を「コロボックルの言い伝え」としてまとめてあり、いままでの物語とは一線を画していますが、物語の世界観に深みを与える、魅力ある短編集となっています。

 わたしが好きなのは、「シンデレラ」と「一寸法師」を合体させたようなお話、「長者さまの姉むすめ」。「最後はどうなるんだろう……」と、ちょっと心配していたのですが、ラストまで読んで「おお、こういう話だったのか!」とうれしくなりました。心がほっこりするハッピーエンドです。

 子どもから大人まで、いくつになっても面白く、心が洗われる物語ばかりです。
 現在、講談社青い鳥文庫版と、講談社文庫版がありますが、文庫版のほうの在庫状況が不安定だったため、青い鳥文庫版をメインにご紹介してきました。いまは、文庫版でも全巻揃うようです。

 また、この本には電子書籍版もあり、電子派の人にもうれしい。とくにこの短編集は、タブレット端末で、ちょっとした隙間時間に読むのに最適です。
 端末は、メールや電話、SNSで邪魔されない、読書専用の読書リーダーを。かさばらない、字を拡大できるなど、タブレットならではの利点もたくさんあります。

 講談社青い鳥文庫では「小学校上級から」となっていますが、うれしいことに総ルビ(すべての漢字に振り仮名)なので、ひらがなさえ読めれば、コツコツと時間をかけて読めますので、読みたい人は、いくつからでもOK。もちろん、大人でも楽しい物語です。

 日本の数多くのファンタジー作家に影響を与えた名作シリーズ。まだの方は、この機会に楽しんでみてはいかがでしょうか。ほのぼのとした、心温まる物語ばかりですよ。

 まずは、第1巻「だれもしらない小さな国」から。第1巻のレビューはこちら↓

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。ほのぼのとした、メルヘンファンタジーです。日本昔話と、オリジナルのファンタジーが融合した、独特の雰囲気があります。短編集なので、コロボックル入門編としてこの本から読むこともできます。

 いままで気がつかなかった、草花や虫など、自然の中の小さなものに愛情を感じられるようになる物語です。お風呂上りのリラックスタイムにゆっくり読むのがおすすめです。

 

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