【ルドルフ赤い鼻のトナカイ】あのクリスマスソング「赤鼻のトナカイ」の原作を、華やかな絵本に。クリスマスプレゼントにぴったり。【4歳 5歳 6歳】

2024年3月20日

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ルドルフ赤い鼻のトナカイ   ロバート・L.メイ/作  イラスト アントニオ・ハビエール・カパロ/イラスト 上田勢子・掘切リエ/訳 子どもの未来社

みんなの鼻はちゃいろいふつうの鼻なのに、ルドルフの鼻は赤くて大きくて、夜になるとぴかぴか光る鼻でした。ひとりぼっちのルドルフでしたが、クリスマスイブの夜、サンタクロースがやってきて……

この本のイメージ クリスマス☆☆☆☆☆ サンタクロース☆☆☆☆☆ あの歌の原作☆☆☆☆☆ 

ルドルフ赤い鼻のトナカイ   ロバート・L.メイ/作  イラスト アントニオ・ハビエール・カパロ/イラスト 上田勢子・掘切リエ/訳 子どもの未来社

<ロバート・L.メイ>
コピーライターとして働いていた1939年、モンゴメリーワード・デパートからクリスマスの物語を依頼され、赤くてピカピカ光る鼻のせいで仲間はずれにされている、心やさしいルドルフの物語を書いた。数年間で「赤鼻のトナカイ」の絵本は数百万部配布され、ルドルフは子どもたちの人気者になった。その後、お話の権利は作者に移され、絵本、マンガ、人形アニメーション、歌にもなって、クリスマスに欠かせない物語として私たちの心に生き続けている。1976年没。

<アントニオ・ハビエール・カパロ>
キューバ生まれのイラストレーター、デザイナー。グラフィックデザインの仕事をしていたが、アニメーションやコミックが大好きだったので、次第にイラストを描く仕事に移って絵本も数多く描いている。作品は世界中で出版され、いくつもの国で受賞。カナダのケベック州在住

<上田勢子>
1979年より米国カリフォルニア州在住。最近の訳書に「レッドあかくてあおいクレ ヨンのはなし」「達人になろう! お金をかしこく使うワザ」「4歳からの性教育の絵本 コウノトリがはこんだんじゃないよ! 」「こいぬのルナ、コロナウイルスにたちむかう」(子どもの未来社)など。

<掘切リエ>
編集者・作家。出版社を経て現在はフリー。日本ペンクラブ子どもの本委員。著書「蛇神の杯」(長崎出版)、「伝記を読もう 田中正造」(あかね書房)、「日本の伝説 はやたろう」(子どもの未来社)ほか。

 原題はRudolph The Red-Nosed Reindeer.
 1939年に書かれた物語に、アントニオ・ハビエール・カパロがイラストをつけ、2014年にアメリカで出版されました。この絵本の日本での初版は、2020年です。

 「赤い鼻のトナカイ」は、1938年ロバート・L・メイ (Robert L. May)が娘のために書いた詩を元に、1939年にシカゴの通信販売会社モンゴメリー・ウォード (Montgomery Ward) 社によって同社の宣伝用の児童書が書かれ、250万部のベストセラーとなりました。

 このお話をもとにして、1948年にクリスマスソングが作られます。あの、「赤鼻のトナカイ」です。

 クリスマスソングによって、誰もが知っている「赤い鼻のトナカイ」の物語ですが、念のためにかいつまんで説明しますと、

 あるところにルドルフという、トナカイがいました。彼の鼻はふつうのトナカイたちに比べて大きく、しかも赤くて、夜になるとぴかぴかと光りました。
 あまりにもへんてこな鼻なので、いつも仲間のトナカイたちからはからかわれ、ルドルフはひとりぼっちでした。

 ところがあるクリスマスの晩、空は重い雲がかかり、月あかりも星もなく、サンタクロースはそりで空を飛んでプレゼントを届けるのに苦労していました。
 そんなとき、赤く光るルドルフの鼻をみつけ、サンタクロースは、そりを引いてくれるよう頼みます。
 ルドルフの赤い鼻は、暗い闇夜を照らし、サンタクロースがプレゼントをくばるのを助けました。

 めでたしめでたし……と、いうのがあらすじ。

 ロバート・メイは、この話を作るさい、「みにくいアヒルの子」をベースにしたそうです。

 「みにくいアヒルの子」は、幼い頃はみんなと違う姿で集団になじめず、いじめられていた子が立派に成長して、誰よりも美しくなる話です。幼い頃の見た目や能力などで人の人生は判断できないと言う物語ですが、メイは「赤い鼻のトナカイ」を、それより一歩進めた内容になっています。

 これは「しょうぼうじどうしゃじぷた」のように、「誰もが欠点だと思っていたものが、誰よりも強力な自分の武器だと気づく」と言うお話です。

 他人には簡単にできことが自分にはできない、または他人にはふつうにあるものは自分にはなくて特殊なものがある、と言う場合、それは、災難や不幸ではないかもしれない、それによって自分だけが、どこかで困っている誰かを助けることが出来るかもしれない。

 ルドルフの赤い鼻は、欠点ではなかったのです。
 こんなのいらない、なくしてしまいたい、と思っていたものが、かけがえのない、自分だけの長所だったのです。

 これは「みにくいアヒルの子」より元気の出るお話です。

 物語の中には、サンタクロースのそりを引くトナカイたちの名前も登場します。

 ダッシャー、ダンサー、プランサー、ビクセン、コメット、キューピッド、ダナー、ブリッツェン。
 これは「クリスマスのまえのばん」(1823年発表)で登場したトナカイたちです。伝統的に、サンタクロースのトナカイたちはこの八頭と決まっているようで、彼らは「クリスマスとよばれた男の子」でも登場します。

 この八頭のトナカイたちに、ロバート・L・メイが先頭で走るルドルフを足しました。

 朝焼けの中、堂々とそりを引いて戻ってくるルドルフ。
 彼は、サンタクロースのそりを案内すると言う仕事を立派にやり遂げ、それによって、友達たちの彼への評価もひっくりかえりました。

 地道な苦労をしていたら大人になったときにそれが花開く、と言う話も好きですが、「欠点だと思っていることをよくよく見てごらん、それは長所かもしれないよ」と言うお話は、苦しんでいる人に大きな希望を与えます。

 人を助けるのは、もしかしたら、こうした発想の転換かもしれません。

 字は大きくて読みやすく、文章には漢字が使われていますが、全部の漢字に振り仮名がふってありますので、ひらがなさえ読めれば、コツコツ最後まで読めると思います。

 大型本ですが、表紙には金の箔押しがされ、とてもゴージャス。

 クリスマス気分を満喫しながら、大切なことも教えてくれる絵本です。とても元気の出る内容ですので、クリスマスプレゼントにもおすすめです。

 この機会にぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。昔から有名なクリスマスソングの原作ですが、あらためて読むと大切なことが書かれており、励まされます。

 内向的で、悩みがちなお子さまへのクリスマスプレゼントに、またはクリスマスプレゼントに添えて。元気の出る絵本です。

 

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