【ねこのニャンルー】ねこのニャンルーが編み物に初挑戦。ハンドメイドがしたくなるかわいい動物ファンタジー絵本【4歳 5歳 6歳】

2024年3月20日

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ねこのニャンルー   どいかや/作  偕成社

ねこのニャンルーは、ふたごの弟たちニャンクーとニャンムー、そしてお父さんとお母さんと五人で、森のコナラの木の下のおうちで暮らしています。うすぐ冬。ニャンルーはおばあちゃんから編み物を教えてもらうことになりました。

この本のイメージ 擬人化ねこ☆☆☆☆☆ 編み物☆☆☆☆☆ リサイクル☆☆☆☆☆

ねこのニャンルー   どいかや/作  偕成社

<どいかや>
1969年東京に生まれる。東京造形大学デザイン科卒業。「アイヌのむかしばなし ひまなこなべ」(萱野茂・文)で産経児童出版文化賞産経新聞社賞を受賞。「チリとチリリ」シリーズ、「チップとチョコのおでかけ」「おはなのすきなトラリーヌ」「ねこのかあさんのあさごはん」「ハーニャの庭で」「ナナカラやまものがたり」「ぼくたちねこなのゆかいな8ぴき」「ポーリーちゃん ポーリーちゃん」など、自然や生き物への愛情があふれる絵本を数多く手がけるほか、緑ゆたかな山間で猫たちと暮らす日々をつづった「ちっぽけ村に、ねこ10ぴきと。」などのエッセイも発表している。

 かわいい絵本をご紹介します。
 ねこを擬人化した動物ファンタジー「ねこのニャンルー」。初版は2020年です。どいかや先生は「チリとチリリ」など、かわいいシリーズをたくさん描かれていて、いずれご紹介しようと思っているのですが、この絵本は「猫」と「編み物」と言う、わたしの好きなものフュージョンなので、まずはこれから。

 おはなしは……

 ねこのニャンルーは、ふたごの弟のニャンクーとニャンムー、おとうさんとおかあさんの五人家族で、森のコナラの木の下で暮らしています。

 あるとき、大好きなおばあちゃんの家に遊びに行くと、おばあちゃんは編み物をしていました。
 「わたしもしてみたい」とニャンルーが言うと、おばあちゃんは、ニャンルーが赤ちゃんの頃に亡くなったおじいちゃんのセーターをほどいて毛糸にしてくれます。

 その縮れを直したブルーの毛糸玉で、ニャンルーは長い長いマフラーを編むのでした……

 と、いうのがあらすじ。

 なんてことないお話なんですけど、小さなニャンルーが編み物をしたいといったときに、おばあちゃんが毛糸を買うのではなくて、古いセーターをほどいて、お湯につけて縮みをなおし、干して水分を飛ばしてから毛糸玉にし……と、リサイクルの順序を説明しているのが素敵です。

 また、長い長いマフラーを完成させたニャンルーの、マフラー着こなしファッションショーとかもあって楽しい。

 わたしは、編み物が得意、というわけではありませんが、体調を崩して寝たりおきたりの時期、よくかぎ針編みをしていました。(棒針編みはできるけれどやりぬく根性がない(涙))
 その当時は、本を読むことが出来ず、テレビやラジオ、映画などの「止まらない、戻らないメディア」がダメで、四分くらいのフィギュアスケート動画や、パズルをしたり、短い詩などを読むのがせいいっぱいでした。
 そんなときに、助けてくれたのが編み物。

 最近は、オリンピック選手があき時間に編み物をしたりと、男女問わず編み物をする人が増えていますが、編み物って、身体的にも精神的にも、様々な効果があるんです。

 1 心頭滅却できる。
  編み物をしていると、編み目に集中しているので、余計なことを考えずにすみます。そして、だんだんと精神が安定してくるのです。イライラしたときや、哀しいとき、つらいことがあったときは、編み物はおすすめです。

 2 手先を動かして脳を刺激する
  手先の細かい動きは、脳を刺激して、若々しく保ちます。また、複雑な網目のものはパズルのようで、数学的思考が必要なので、やはり脳の老化を防ぎます。

 3 失敗したら戻れる
  失敗しても、その場所までほどいてやりなおすことができるので、気楽に楽しむことが出来ます。お裁縫とは違い、取り返しがつくのが編み物のいいところ。

 4 リサイクルできる
  ニャンルーのように、古いセーターをほどいて毛糸にして、マフラーなどに編みなおすことが出来ます。汚れたり虫に食われたりしたニット製品も、毛糸にもどして生まれ変わります。

 5 完成したときに達成感を味わえる
  小さな鎖編みから、だんだんと大きくなってゆき、完成品になる様子が目に見えてわかり、やりがいがあり、完成したときは達成感が味わえます。

 こんなふうに、編み物には、セラピー要素がいっぱい。
 最近では「ニットセラピー」と言う言葉も生まれているようです。

 この絵本では、ねこのニャンルーが、古いセーターをほどいて毛糸にしマフラーを編むまでを、おばあちゃんから丁寧におしえてもらいます。ニャンルーは一生懸命編んで、長い長いマフラーを完成させるのです。

 ほのぼのとした、淡い、かわいらしい絵で、古いものを生かして新しいものを生み出す過程がかわいく、丁寧に描かれています。
 また、おじいちゃんの古いセーターを孫のニャンルーがマフラーにすることで、おじいちゃんの愛情も孫に受け継がれていることが読者に伝わります。

 ラストのニャンルーのファッションショーも、ひとつのものを使って創意工夫で楽しむ様子が描かれていて、かわいいだけでなく、創作心をそそります。身につけるものは、作るのも楽しいけれど、装うのも楽しいもの。

 あたたかみのある絵の、かわいらしい動物ファンタジーですが、随所に「創る」喜びがあふれています。

 字はほどよい大きさで、文章のボリュームは多すぎず、少なすぎずちょうどいい。ひらがなとカタカナだけで書かれているので、五十音が読めれば全部読めます。もちろん、読み聞かせにも。

 この冬のおうち時間にぴったりの絵本です。読めばきっと、編み物をしたくなるので、親子で編み物大会をするのもいいですね。ハンドメイドが大好きな、インドア派のお子さまへのプレゼントに、おすすめです!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。おすすめです。古いセーターをほどいて、マフラーを編む過程がかなり詳しく書かれていて、リフォームや、ハンドメイドへの興味をそそられます。何かを創りたい気持ちを刺激してくれる絵本です。

 絵はふんわりと愛らしくて、幸せ感を感じます。

 読んだ日の夕食は、おさかなのフライが食べたくなることまちがいなし。ご用意を。

 

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