【ライオンと一角獣とわたし】クリスマスにぴったりの美しい絵本。リスベート・ツヴェルガーの絵で語られるクリスマス物語【クリスマスの物語】【4歳 5歳 6歳】

2024年3月20日

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ライオンと一角獣とわたし  クリスマスの物語  ジャネット・ウィンターソン/文 リスベート・ツヴェルガー/絵 池田香代子/訳  BL出版

その昔、天使が動物たちを選びました。最後残ったのは、ライオンと一角獣とわたし━━ロバでした。「その方が世界の重荷を引き受けられるのならなら、わたしに乗るのがもっともふさわしい」━━選ばれたのは、わたしでした。

この本のイメージ クリスマス☆☆☆☆☆ 救世主生誕☆☆☆☆☆ 美しい☆☆☆☆☆

ライオンと一角獣とわたし  クリスマスの物語  ジャネット・ウィンターソン/文 リスベート・ツヴェルガー/絵 池田香代子/訳  BL出版

<ジャネット・ウィンターソン>
イギリス・マンチェスター生まれ。小説家、ジャーナリスト。幼いころキリスト教の一派であるペンテコステ派の夫婦の養子となる。養父は工場労働者であり、家には聖書を含め6冊の本しかなかったという。養父母は宣教師にさせるつもりで育てるが、16歳で自立。24歳のとき処女作『オレンジだけが果物じゃない』(国書刊行会)を出版した。2006年、大英帝国勲章オフィサー叙勲

<リスヴェート・ツヴェルガー>
1954年、版画家の娘としてオーストリアのウィーンに生まれる。美術学校を卒業後、E.T.A.ホフマンの『ふしぎな子』(冨山房)のイラストレーションでデビュー。グリム、アンデルセン、ディケンズなどの世界の名作に、繊細で独特の画風で新たな息吹を吹き込み、国際的に高い評価を得ている。ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌賞、国際アンデルセン賞など、受賞多数

<池田香代子>
1948年東京生まれ。ドイツ文学者・翻訳家。『猫たちの森』(早川書房)で第1回日独翻訳賞受賞

 クリスマスイブの日に美しい絵本をご紹介。

 原題は、 “The Lion, The Unicorn And Me." 初版は2009年。これがドイツ語訳されて、" Der Lowe,das Einhorn und ich" として、2011年に出版され、それが翻訳されて日本に届いたようです。日本での初版は、2013年。


 日本人はキリスト教徒ではないのにクリスマスに浮かれるので、真面目なキリスト教徒から見たらずいぶん無節操に見えると思います。

 でも、日本人は、外からの文化を受け入れて自分たちなりに生かすことが得意です。
 厳密な意味では、きちんとしたクリスマスを過ごすことはできませんが、クリスマスの敬虔な雰囲気や幸せな気持ちを感じ取ることはできます。

 これは、美しい絵と丁寧な文章で語られた、クリスマスの物語。
 救い主がこの世に生まれた日のお話が語られています。

 「わたし」と言うのはロバ。

 ノアの方舟に動物たちが乗せられ、最後に残った三匹の動物がいました。

 それがライオンと一角獣とロバです。
 「そのかたが世界の王であるならば、百獣の王に乗られるのがふさわしい」と、ライオンがいい、「そのかたが世界の謎であるならば、もっと謎めいたものに乗るのがふさわしい」と一角獣がいい、「そのかたが世界の重荷を引き受けられるのなら、わたしに乗られるのがもっともふさわしい」とロバが言いました。

 選ばれたのはロバでした。

 ロバは、ベツレヘムにむけて、身重の女性を乗せて歩き続けたのでした……。

 その後、身重の女性とその夫は、ベツレヘムにたどりつき、宿は得られず厩を借りることになります。そこで女性は出産します。天使がラッパをふき、賢者がおとずれ、神秘的な夜が明けます。

 天使に触れられたロバの鼻先は金色に輝いていました。

 ……というのがあらすじ。

 おそらく、宗教的な意味や象徴的な表現もふんだんに入っているのでしょうが、わたしにはそこまではわかりませんでした。

 しかし、淡々とした文章で語られる、ロバの目から見た最初のクリスマスの夜のできごとは、読んでいるとおごそかな気持ちになります。また、ツヴェルガーの絵が、ロバの清らかな心の目に映る世界を表現していて、その静かな美が心にしみるのです。

 わたしは時々、ちょっと大人っぽい感じの美しい絵本を紹介するようにしています。個人的には、かわいらしい絵本が大好きなのですが、たまにこういう絵本が読みたくなります。

 あまりに美しいと、小さい子は「怖い」と感じてしまうことが多いので、通常、絵本の絵はキャラクターの目が大きく、ぷにっとした感じの、やわらかい絵が主流なのですが(そして、そういう絵はわたしも好き)、小さなお子様のなかにも、まれに美しい絵本が好きな子がいるんですよ。

 そう言う子には、逆に「かわいい絵本」が物足りないこともあるので、意識してこういう絵本を時々ご紹介することにしています。
 また、美しい絵本は、大人の癒しにもなります。

 これは、「クリスマスとは何か」がよくわかる絵本です。
 小さなお子さまには、クリスマスの由来を知ることができて、大きな学びになるでしょうし、ロバの忍耐強さや誠実さを感じ取ることできるでしょう。
 大人は、美しい絵に癒されると思います。

 しんしんとした寒い夜の物語です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。クリスマスの由来を知る、丁寧で美しい絵本です。
お子様の知育本として、親子で楽しんだあとに、大人の癒し本として美しい絵を楽しむことができます。

 

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