【雪の女王】マリメッコデザイナー、サンナ・アンヌッカの切り絵のような美しい挿絵と、アンデルセンの童話。受け継がれる不朽の名作【小学校高学年以上】

2024年3月20日

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雪の女王  ハンス・クリスチャン・アンデルセン/作 サンナ・アンヌッカ/絵 小宮由/訳  アノニマスタジオ

カイとゲルダは、仲の良い幼馴染。あるとき、カイの目に、悪魔が創った鏡の破片がカイの目と心臓に入ってしまいます。そして、心が冷たくなったカイは、雪の女王にさらわれてしまったのでした……

この本のイメージ 美しい装丁☆☆☆☆☆ 原作を忠実に☆☆☆☆☆ ルビなし☆☆☆☆☆

雪の女王  ハンス・クリスチャン・アンデルセン/作 サンナ・アンヌッカ/絵 小宮由/訳  アノニマスタジオ

<ハンス・クリスチャン・アンデルセン>
1805年デンマ-ク・オーデンセ生まれ。貧しい靴屋に生まれ、14歳でオペラ歌手を志しコベンハーゲンに行くも挫折。政治家の助けによリ大学に入学し、哲学などを学んだ。その後、小説「即興詩人」を発表し、「みにくいあひるの子」 「人魚姫」 「マッチ売りの少女」など約160篇の童話を残した。「雪の女王」は1844年の作品。生涯独身のまま70歳で亡くなり、 その葬儀にはデンマークの王太子も参列した。

<サンナ・アンヌッカ>
1983年イギリス・ブライトン生まれ。ブライトン大学で絵を学び、ブライトンを拠点にテキスタイルデザイナー、イラストレーターとして活動している。フィンランドのファッションブランドMarimekkoのデザイナーとしても活躍。幼少期から昔話やストーリーテリングに親しみ、夏に母方の故郷であるフィンランドの森や湖が豊かな美しい村で過ごしていたことが創作の源となっている。世界の伝統や文化を作品に取り入れ、柄の中に物語を織り成すことを大切にしている。

<小宮由>
翻訳家・編集者。1974年東京・国立市生まれ。祖父はトルストイ文学の翻訳家・北御門二郎。幼少期を熊本で過ごし、大学卒業後、児童書出版社に勤務。その後留学を経て、児童書の翻訳に携わる。2004年より、東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰

<この季節恒例のスケートトーク……不要な方はスクロールしてくださいね>

雪の女王  ハンス・クリスチャン・アンデルセン/作 サンナ・アンヌッカ/絵 小宮由/訳  アノニマスタジオ

 先週の週末は、クリスマスでしたね。クリスマスと言うと、フィギュアスケートファンにとっては、全日本選手権です。今年も熱い戦いが繰り広げられました。ブログを書きながら、本を読みながら、全日本を追いかけると言うのも、なかなか時間がタイトで、でも好きなことは全部やりたい人なので、週末はてんてこまいでした。そう、そしてケーキもチキンも食ベる。食べましたよ!(食い意地がはっているのはかわらない)

 まずは、みなさま、お疲れ様でした。今年も激闘でした。そして、オリンピック代表に選ばれたみなさま、おめでとうございます。

 坂本花織選手、すばらしかったです! ダイナミックな演技と情緒的な表現力。そして、ここぞというときに頼りになる強メンタル。オリンピックでもでっかいジャンプをぶちかましてください。そして、できれば長く続けて、いつかクワドも跳んでくださいね。
 樋口新葉選手、すばらしいトリプルアクセル!そして、パワフルな演技。おめでとうございます。念願の五輪代表です。
 河辺愛菜選手、トリプルアクセルを引っさげて、ぐぐっと頭角を現した方ですが、年末へ向けての伸びがすばらしく、活躍を期待しています。おめでとうございます!

 三原舞依選手が4位と大健闘。一時は体調を崩してたいへんな状態だっただけに、こんなに回復して…と、胸が熱いです。大好きなのでできるだけ長く選手としての姿を見せてくださいね。

 ペアは三浦・木原組に決定で、海外でトレーニングしていることもあり、コロナの影響で出場は無し。でも、柚木心結・市橋翔哉組のはつらつとして幸せそうな演技を見られて嬉しかったです。

 アイスダンスは、自分だったら絶対に審査員にはなりたくないなという難しい結果に。小松原組、優勝そして五輪代表おめでとうございます。優雅で安定していてすばらしかった!また、村元高橋組のインパクトや華やかさもすばらしかった。もっと、ずっと見ていたいので、続けてくれたらと思います。

 そして、波乱の男子です。ロシアの女子代表と同じくらい、世界一熾烈な国内代表戦。第1グループから順に見ていて、最終グループになったとたんに世界が変わります。ここからは人類の頂点争い、そして途中からは宇宙戦争、みたいな感じに……

 鍵山優真選手、ショートではまさかの乱れがありましたが、フリーは堂々と、のびのびとした演技で、すばらしかったです。しかも、手足が伸びて背が伸びて、大人びたプロポーションになりました。五輪での活躍を期待しています。
 宇野昌磨選手、見ているほうがびびる鬼構成、すごかった!後半のコンビネーションだけが悔しい結果ですが、完成形が楽しみです。スピンがものすごく美しくて、というか、ステファン組は全員スピンがすごかったです。さすがです。
 そして、トリを飾るのは、羽生結弦選手。誰もが成功…というより怪我なく降りることを祈って固唾を飲んでいたのではないでしょうか。残念ながら両足で回転不足と言う結果でしたが……クワドアクセル!
 竜巻みたいでした。すごいものを見たという感じです。そして、それ以外のすべての演技も完璧でした。コーチが傍にいない状態で、リモートコーチングでここまでの演技ができるとは……。キスアンドクライもクマのプーさんだけでした。
 こういう、すごいものを見たあとは、自分も頑張ろうと素直に思えますね。いいもの見せていただきました。そして、身体を大切に、がんばってください。フィギュアファンの合言葉ではありますが、ステイヘルシーで。

<ここからが本題。本日のブックレビュー>

 本日ご紹介するのは、アノニマスタジオ出版のアンデルセンの雪の女王の絵本です。アメリカでの初版は2015年。原題はThe Snow Queen.日本での初版も2015年です。

 絵本と言っても、漢字に振り仮名が振っておらず、かなりのボリュームの文章なので、大人のための絵本と言えます。(ただし文章内の漢字の配分には少しだけ配慮はあります)

 挿絵は、あのフィンランドのテキスタイルブランド、マリメッコのデザイナーが担当。切り絵のような、タペストリーのような美しさです。

 原作を翻訳したものなので、物語にはかなりのボリュームがあります。翻訳は、「テディ・ロビンソン」「野ばらの村」などでおなじみの、小宮由先生。

 「雪の女王」は、ディズニーが「アナと雪の女王」をアニメーションにしてから、そちらのほうが有名になってしまいましたが、原作もかなり面白いのです。

 かつては、スタジオジブリの宮崎駿監督に深い影響を与え、「太陽の王子ホルスの大冒険」が生まれるきっかけにもなりました。

 ストーリーは…

 ある日あるとき、魔物の小人(悪魔)が不思議な鏡を作ります。それは、悪いものが大きく見え、善いものは小さく見えると言う、鏡でした。この鏡で映してみると、どんな善人でも悪人に見え、どんな美しい景色も汚く見えると言う鏡でした。

 魔物たちは、この鏡を持って、天界を映そうと空へと登ってゆきましたが、地上からはるか上空でその鏡が割れて破片となって世界中に飛び散りました。

 さて、ある町にカイとゲルダという、貧しい家の少年少女がいました。二人は幼馴染で、たいへん仲良しでした。
 ところがある日、カイの目と心臓に、魔物の鏡の破片が入ってしまいます。それによって、カイは美しいものがわからない、冷たい心の少年になってしまいました。

 心の冷たい少年になったカイは、ある日、雪の女王のそりに自分のそりを結びつけて遊んでいたところねそのまま連れ去られてしまいます。

 カイが行方不明になったことを悲しんだゲルダは、カイを探しに、たった一人で旅に出るのでした……

 と、言うのがあらすじ。

 アンデルセンは、「人魚姫」や「マッチ売りの少女」など、哀しい話が多いのですが、「雪の女王」はハッピーエンドなのですよ! 主人公のゲルダだけでなく、彼女の旅の途中で出会い、助けてくれる人たちは全員女性。みんな、個性的で、かつ魅力的な人ばかりなので、女性ファンの多い童話です。わたしは、後半に登場する山賊の女の子が大好き。

 また、カイを探すゲルダの、ひたむきな気持ちと無償の愛が、読んでいる人の心を打ちます。これは小さな少女の一途な愛情の物語なのです。

 けれども、童話としてはお話がかなり長く、かといって、小説としては短めなので、子供向けの絵本にするにはストーリーを省略しなければならないと言う欠点がありました。
 絵本の場合は、アンデルセンではない別の方が「再話」として書き下ろしていることがほとんど。そして、完全版にすると今度は子供向けとしてはかなり分厚くなってしまい、その魅力が伝わりづらかったのです。

 このサイトでは、様々なバージョンの「雪の女王」をご紹介しているのですが、もし、あなたが大人で、「雪の女王」の物語を正確に読んでみたいと思うなら、この絵本はおすすめです。

 持ち歩きやすい、手ごろな薄さにするために、字がかなり細かくなり、振り仮名がありませんが、物語は省略されずきちんと収録されています。

 また、赤・青・黒・金の四色刷りのサンナ・アンヌッカの、デザイン性に富んだ挿絵がふんだんに使われており、表紙の装丁もタペストリーのよう。

 寒い季節に、暖房の効いた暖かい部屋で、または、カフェで温かい飲み物を飲みながら読みたい絵本です。絵本といっても、文章量は多いし、面白いので、読み応えがあります。

 また、とてもおしゃれな装丁なので、プレゼントにもぴったり。読み終わった後は、リビングに飾ってインテリアとして楽しむこともできます。

 「雪の女王」未読の、大人のあなたに、おすすめの絵本です。「いまさら童話なんて……」と思わず、ぜひ、手にとってみてくださいね。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 大人のHSPには、おすすめの絵本です。挿絵や装丁がハイセンスで美しく、カバーをつけずに外で読んでも恥ずかしくありません。無償の愛に満ちた、繊細な物語です。HSPの方のほうが多くのメッセージを受け取れると思います。

 インスタントカイロや、温かいコートなどで防寒対策をしたうえで、静かな公園やオープンカフェで読むと雰囲気たっぷりで楽しめます。

 

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