【怪盗クイーンの優雅な休暇】豪華客船での優雅な休日。クイーンの獲物は?シリーズ第2巻【怪盗クイーンシリーズ】【小学校高学年以上】

2024年3月25日

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怪盗クイーンの優雅な休暇 はやみねかおる/作 K2商会/絵 講談社青い鳥文庫

バカンスに憧れるクイーンのもとに、サッチモ社社長サッチモ・ウィルソンから豪華客船のクルーズの招待が。それは、サッチモ社長のクイーンへの復讐の第一歩でした。船には、危険がいっぱい。そして、愛らしい一輪の花も……

この本のイメージ 怪盗の美学☆☆☆☆☆ 危険がいっぱい☆☆☆☆☆ ローマの休日☆☆☆☆☆

怪盗クイーンの優雅な休暇 はやみねかおる/作 K2商会/絵 講談社青い鳥文庫

<はやみね かおる>
日本の男性小説家(1964年4月16日~ )。三重県伊勢市出身。代表作は「都会のトム&ソーヤ」「怪盗クイーンシリーズ」「名探偵夢水清志朗シリーズ」など

<K2商会>
Niki&Nikkeの二人組イラストレーター。「怪盗クイーン」シリーズはNikiの担当。テレビゲームのキャラクターデザインやカードゲームのデザインのほか、ファンタジー小説の挿絵も担当している。

 はやみねかおる先生の怪盗クイーンシリーズ第二巻、「怪盗クイーンの優雅な休暇」です。初版は2003年。おお、これは、わたしが人生で1番忙しかった頃ですね。寝る暇どころか、気絶する暇も無かったことをおぼえています。

 この時期に出版された面白い小説をほとんど知らなかったので、数年前からコツコツ読んでいます。あの「ハリー・ポッター」も、リアルタイムでは読めなかったんですよねえ……。

 数年前体調を崩したときに、一時的に本が読めなくなったことがあり(いまだに原因不明)、そのさいにリハビリのつもりで絵本や児童書を読み始めました。それがきっかけで児童書の魅力を知り、今も絵本や児童書の読書を続けています。以前の読書スピードは戻りませんが、やはり読書ができるようになった喜びは大きいものです。

 怪盗クイーンのシリーズは、つい最近読み始めたばかりですが、異能の濃いキャラたちが入り乱れ、だましあい、出し抜きあい、時には命を懸けて戦うのを軽妙な文章で描いています。
 小学生・中学生向けのヤングアダルト小説なので、アクションやバトルシーンはあるけれども、流血シーンなどは注意深く避けられています。アニメのルパン三世(シーズン2以降)みたいな感じ。

 今回のお話は……

 たまには休暇が欲しいとただをこねるクイーンのもとに、サッチモ社のウィルソン社長から豪華客船クルーズへの招待が届く。実は、ウィルソン社長はクイーンに恨みを抱いており、これは復讐への招待だった。

 ひさしぶりの休暇を楽しもうと、美貌の未亡人と執事に変装してクルーズ船「ロイヤル・サッチモ号」に乗り込むクイーンと巻き添えのジョーカー。

 しかし、そこには、グーコ王国の秘宝「セント・オルロフ・サファイア」を含む数々の財宝を囮に、クイーンを陥れようとする罠が仕掛けられていた。

 そのうえ、クイーンを狙う暗殺集団「初楼」や、ICPOの探偵卿、はては、謎の使命を帯びたグーコ王国の王女も乗船していたのだ。

 はたして、クイーンは財宝を盗み出せるのか?

 ……と、言うのがあらすじ。

 今回の敵は、財宝「サッチモ・コレクション」を囮に、クイーンを捕らえたいと企むサッチモ・ウィルソン社長、国際刑事警察機構ICPOの探偵卿ジオット、そして、暗殺集団「初楼」(ういろう)です。

 「初楼」のメンバーはリーダーの緋仔、ロシ、ロク、ズユ、クラサ、茶魔、ズキアの七人です。白、黒、抹茶、小豆、コーヒー、ユズ、さくら、ですね。

これは大須ういろ

 

 名古屋で「ういろう」と言うと、青柳より大須派が多いと聞いたことがあるのですが、はやみね先生は青柳派なのでしょうか。(ちなみに正確には大須は「ういろう」ではなく「ういろ」)でも、わたしも青柳のさくら、抹茶、ユズが好きです。大須はオーソドックスなのが好き。

 とはいえ、最近、ういろう食べてないなあと青柳総本家と大須ういろの公式HPを訪ねてみたら、どちらもめちゃくちゃおしゃれになっていて、驚きました……。青柳も大須も、バリエーションが増えていて、かわいいういろがいっぱいある……。青柳のかえるまんじゅう、かわいい。

 ……いかんいかん、脱線した。

 今回のヒロインは、グーコ王国のイルマ姫。「カリオストロの城」のクラリスが本当に泥棒修行はじめたらこんな感じなのかな、と言うなんともほほえましいキャラクターです。今回のお話には、このイルマ姫の「ローマの休日」風エピソードもあり。かわいくて大好きなので、また登場して欲しい。

 また、ジョーカーの謎めいた生い立ちについても少し語られます。
 ああ、こういう関係だと、クイーンがジョーカーのことを「友だち」と言い、ジョーカーが「仕事上のパートナー」と言い張るのは、少しわかります。はやみねキャラは、みんな優しいですね。

 手に取った時は、「けっこう分厚いな」と思ったのですが、文章が軽快で、あれよあれよとお話がすすむので、とても読みやすい。すいすいと最後まで読めてしまいます。しかも、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビ。これはうれしい。

 カラッとしててスピーディ、ハラハラするけど、時々クスッとさせてくれる、かっこよくてオシャレな怪盗小説です。

 気持ちが沈みがちな昨今、考えさせられる読書もいいけれど、シンブルに楽しめる冒険小説もいいものです。

 はやみね先生の小説はキャラクターが多く、途中は「こんなにぐちゃぐちゃになって大丈夫かな」と言うくらいのカオス状態になりますが、最後でスッキリまとめてくれるのが魅力。

 辛いとき、苦しいときは、たくさん食べて、お風呂にゆっくり浸かって、お風呂上りに好きな本を読んで、ぐっすり眠ってしまいましょう。
 疲れきったときは、自分を取り戻すために力を使うことは大切です。

 そんなときの読書は、シンプルに楽しめるものがいちばん。

 怪盗小説の魅力は、探偵小説や冒険小説とはちがい、ハラハラドキドキはするけれど人が死なない、手品のような爽快感です。

 年齢不詳、正体不明、性別まで不明の怪盗クイーン。クイーンの無敵ぶりを存分に楽しめる物語ですよ。モヤモヤ気分をすっきりさせたいときは、ぜひどうぞ。

 ※この本は電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。わくわくドキドキの怪盗小説です。今回は、クイーン、ジョーカーだけでなく、暗殺集団、トンチキな探偵卿、可憐な姫君と、盛りだくさん。

 ボリュームもあるので長く楽しめます。でも、読みやすいですよ。

 読後はもちろん、ういろうでティータイムを。

 

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