【でこぼこホットケーキ】はりねずみのふたごが焼いたホットケーキ。やさしくってかわいい、ほんわか絵本【4歳 5歳 6歳】

2024年3月25日

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でこぼこホットケーキ よしだあつこ/作 川副真佑実/絵 世界文化社

はりねずみのふたご、ププとポポが、おばあちゃんのために焼いたホットケーキ。でも、おばあちゃんの家につくまでに、どんどん小さくなって……ケーキはいったいどうなるの?

この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 優しさの交換☆☆☆☆☆ ハッピーエンド☆☆☆☆☆

でこぼこホットケーキ よしだあつこ/作 川副真佑実/絵 世界文化社

<よしだあつこ>
京都府生まれ。脚本家。作家。NHK Eテレ「ハッチポッチステーション」「中学生日記」、NHK BSアニメ「ななみちゃん」、全国巡回公演「それいけ! アンパンマンショー」他、映画・ドラマ・教育番組などの脚本多数。絵本に「ハシビロコウのはっちゃん」(鈴木出版)などがある。

<川副真佑実>
東京都生まれ。企画デザイン業務を経た後、イラストレーターに。現在、主に幼児雑誌の表紙イラストや挿し絵を描き、その柔らかな水彩画は多くの人を魅了している。また、カレン ダーなどのステーショナリーやキャラクター製作なども手がけ、幅広い分野で活躍中。

 とってもかわいい絵本です。初版は2019年。

 お話は……

 ププとポポははりねずみのふたごです。ふたりは、大好きなおばあちゃんのお誕生日のプレゼントに、大きな大きなホットケーキを焼きました。

 おばあちゃんは喜んでくれるかな?
 ふたりがホットケーキをおばあちゃんの家に運ぶ途中、橋の上でしょんぼりしているりすに出会います。
 りすは、おべんとうのきのみサンドを川に落としてしまったのです。

 ププとポポはホットケーキをほんのすこしだけ、りすに上げることにしました。
 「ああ、おいしい、げんきがでたよ」
 りすは、よろこんで帰って行きました。

 峠を越えると、おなかがすいて動けなくなったうさぎが、切り株に座ってしょんぼりしています。
 ププとポポは、ホットケーキを一口あげることにしました。
 「ああ おいしい。げんきがでたよ。ごちそうさま」
 うさぎは喜んで帰って行きました。

 おばあちゃんの家にあと少しというところで、冬眠から醒めたばかりでさみしくて泣いているくまに出会いました。
 ププとポポはくまにもホットケーキを一口分けてあげることにしました。
 「ああ おいしい。なんだかこころがほっかほかになってきた! ごちそうさま」
 くまはうれしそうに帰って行きました。
 けれど、くまの一口は大きくて、ケーキはかなり小さくなってしまいました。

 「どうしよう……」

 困り果てているププとポポのところに、りすとうさぎとくまがお返しを持って戻ってきました。りすの木の実、うさぎのいちご、くまのはちみつで、ホットケーキを飾りつけて……

 ……と、いうのがあらすじ。

 おばあちゃんのために焼いた大切なホットケーキでしたが、困っている人を放っておけないププとポポは優しいですね。通り過がりの親切って、今だとなかなかない時代になったので、心が温まります。

 また、助けられた三匹がちゃんとお礼を持って駆けつけるのも、すてきです。

 結果的に、ホットケーキはとっても豪華なものになったし、おばあちゃんは喜んでくれました。ププとポポも友達が増えました。

 「情けは人のためならず」という言葉があります。他人に親切にすることは、めぐりめぐって自分のためになるのだと言うことわざです。

 現実には何かをしてあげて、それがストレートに戻ってくることは少ないかもしれません。けれども、めぐりめぐって戻って来たときの喜びは大きいものです。

 動物ファンタジーの常ですが、はりねずみやりす、うさぎ、くまと、草食動物も肉食動物も仲良く、ケーキを囲んでお茶をするハッピーエンドは、やっぱりほんわかします。

 世界は殺伐としていて、ニュースばかりを見ていると、絶望的な気持ちになりがちです。この世に救いはないのだろうかと、ついつい、暗いほう暗いほうへと気持ちが引っ張られてしまったりもします。

 そんなときは、身近な人に優しくして、ささやかな幸せを数えましょう。
 それが不謹慎なこととは思いません。人は生きてゆかねばならないのです。生きてゆくためには、愛や思いやり、優しい心が不可欠です。

 「でこぼこホットケーキ」は、大切な人を喜ばせてあげたいという気持ち、困っている人を助けてあげたい優しさ、助けてもらった人に対する感謝の心、そして、幸せなときを共有する喜びなど、様々なポジティブな感情がいっぱい詰まっています。

 また、最初は小さなりすを助ける行為だったのが、だんだんとうさぎ、くまと大きくなって、それが恩返しを呼び、最終的に豪華なケーキと大勢のお客様というサプライズプレゼントをおばあちゃんにもたらすと言う、幸せが雪だるま式に大きくなってゆく展開も、心が温まります。そうですよね。幸せって、こんなふうに大きくできるんですよね。

 おうち時間に、お風呂上りのおやすみ前に、どうぞ読み聞かせしてあげてください。こんな時代ですが、「与える喜び」に満ちたお話で、疲れた心を回復させてくださいね。

 心が元気ならば、そしておなかがいっぱいならば、あとはきっとなんとかなります。

 ※この本は電子書籍もあります

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。ププとポポが自分の都合よりも困っている人を助けることを優先する優しさを持っていてすばらしく、それだけでなく助けられた動物たちがちゃんと恩返しに来るところも、心が洗われます。

 困っている誰かに手を差し伸べること、それによって友達の輪が広がり、最終的に、おばあちゃんに素晴らしいバースデーをプレゼントできたことなど、やさしさが循環する絵本です。

 読後はもちろん、ホットケーキでティータイムを。

 

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