【まじょのナニーさん】魔法が使えるスーパーお手伝いさん大活躍! おうち時間を楽しむ第3巻【女王さまのおとしもの】【小学校低学年以上】
お父さんは単身赴任、お母さんはお仕事、アミはインフルエンザにかかってしまいました。病気なのにひとりぼっちになっちゃうの? 不安なアミのもとに、ナニーさんがやってきます……
この本のイメージ 自宅療養☆☆☆☆☆ 和製メリー・ポピンズ☆☆☆☆☆ 自信をつけて☆☆☆☆☆
まじょのナニーさん 女王さまのおとしもの 藤真知子/作 はっとりななみ/絵 ポプラ社
<藤真知子>
東京女子大学卒業。「まじょ子どんな子ふしぎな子」でデビュー。以後、「まじょ子シリーズ」は、幼年童話のファンタジーシリーズとして人気を博し、ついに60巻で完結。ほかにも「わたしのママは魔女シリーズ」(全50巻)など、作品多数。
<はっとりななみ>
武蔵野音楽大学卒業。その後東京デザイン専門学校でグラフィックデザインを学び、製紙メーカーデザイン部を経て、イラストレーターに。絵本の挿絵やグリーティングカードほか、さまざまな媒体にイラストレーションを提供している。
かわいい魔女ものファンタジーシリーズを多数生み出している藤真知子先生の現行シリーズ、「まじょのナニーさん」第3巻。初版は2018年。
「まじょのナニーさん」は、魔法が使えるスーパー家政婦さんが、なんらかの理由でお留守番をしなければならない小さな子供のもとへ来て、様々な困りごとを魔法で解決してくれる一話完結のファンタジー。
基本的に一話完結で、なおかつ、基本設定の説明などもないため、どの巻から読んでも楽しめます。
ナニーさんは、正体不明の家政婦さん。魔法が使える、と言うだけで、「どこから来たのか」「どうして魔法が使えるのか」などがすべて謎。メアリー・ポピンズに似ていますが、ナニーさんのほうが優しい感じです。(メアリー、かなり怖いですからね……あのピリリとしたところが好きだけど)
ナニーさんは、子どもたちの「おねがい」を、1日1つだけ、どんなことでも魔法でかなえてくれるのですが、往々にして子どもの言葉を「言葉どおり」受け止めてしまうことが多く、それがナニーさんの不思議な個性になっています。
西洋のおとぎ話にでてくる、なんでもお願い事をきいてくれるけど、注意して発言しないと思ってもみないことやたとえ話が現実になってしまう、というタイプのアレです。
なんでもできて、しっかりもので、やさしくて、そして、ちょっと人間離れしているナニーさん。
そんなナニーさんの今回の活躍は……
アミはインフルエンザで寝込んでしまいました。なのに、アミのお父さんは単身赴任、お母さんはお仕事。ひとりぼっちで家に残されるのは嫌だなあ……と、思っていたら、お母さんが評判のいいナニーさんを雇ってくれました。
不思議なナニーさんが、看病、食事の支度、家庭教師、なんでもお世話してくれます。
ひとりで病気になって家にいて、自信を失っていたアミは、ナニーさんの魔法で動物たちの学校で勉強したり、雪の女王のお城に行ったりと、不思議な友だちもたくさんできたのでした……
……と、いうのがあらすじ。
「ナニーさん」のシリーズは、毎回子どもが抱えがちな悩みに焦点をあてています。
第1巻は、ママが病気になった子どもの気持ち、第2巻は下の子が生まれてくる子どもの気持ち、そして、第3巻は病気療養している子どもの気持ちです。
今は、何かあったときに自宅療養になることが多い時期なので、共感できる子も多いのではないでしょうか。家族に発症した子がいると、親も自宅待機になってしまいますが、かといって、昔のように密着して看病するのも難しい。
部屋ですごすしかないような時には読書がおすすめです。
ナニーさんのシリーズは、とにかく底抜けに明るく楽しいので、気弱になっているときに、元気をくれます。
字はかなり大きくて読みやすく、小学校低学年が対象です。絵本を卒業して、「本」を読み始めたばかりのお子さまにおすすめ。読み聞かせもいいですね。
はっとりななみ先生のカラフルでキュートな挿絵が、わくわくした気持ちにさせてくれます。
お留守番が多いお子さまに、男の子なら「かぎばあさん」、女の子なら「ナニーさん」がおすすめです。
病気がちで外に出られないお子さまは、ナニーさんの魔法で、元気を出してくださいね。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。病気で外に出られない小さな子の気持ちに寄り添うファンタジーです。
また、学校を休むことで自信を失っている主人公が自信を回復し、勇気を出すシーンなどもあり、元気が出ます。
作中の、木の実で飾った初雪のアイスクリームがすごくおいしそう。読後はアイスクリームが食べたくなるかもしれません。
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