【はじめてのおかねえほん】遊んで学ぶ、お金のあれこれについて学ぶ最初の絵本!これ一冊で、お金のことがわかります。【絵本】【あそんでまなぶ】
お金ってなに?どうして必要なの?お金を使うってどういうこと?お金をためる、お金を稼ぐってどういうこと?生まれてはじめてお金を知ってから、お金のあれこれを理解するための小さなお子さま向けの解説書です。
この本のイメージ 総ルビ☆☆☆☆☆ 絵本なのにすごいボリューム☆☆☆☆☆ 懇切丁寧☆☆☆☆☆
あそんでまなぶ はじめてのおかねえほん 泉美智子/監修 イヌイマサノリ/絵 西東社
<泉美智子>
子どもの環境・経済教育研究室代表。金銭、経済教育を基軸に全国各地で「エシカル・キッズ・ラボ」「親子経済教室」など講演活動をおこなう傍ら、テレビコメンテーター、ラジオ出演や教育番組の企画・構成監修、経済かるた制作など教材開発なども行う。環境、経済絵本、児童書の著書多数。主な著書に岩波ジュニア新書「調べてみようお金の動き」(岩波書店)、「15歳からの経済入門」(日本経済新聞出版社)、「今さら聞けない投資の超基本」(朝日新聞出版)など。
<イヌイマサノリ>
1983年兵庫県生まれ 金沢美術工芸大学美術科油画専攻卒業。高校で美術講師として働いた後、長年の夢だった世界一周に旅立つ。帰国後、再び教師に戻るが、自由と浪漫を求め退職。
その後、絵描き・イラストレーターとして独立し雑誌、広告、テキスタイルなどの場で幅広く活躍中。旅と音楽、珈琲、カレー好き。
すごいですよ、この本。紛ごうことなき「絵本」なんですけど、128ページあるんです。絵本という概念をはるかに越えるページ数。気合が入りまくっています。初版は2021年です。
今年から、成人年齢が18歳に引き下げになりました。
つまり、18歳になれば、契約主体として自分の判断で各種契約ができるということです。売買だろうが、借金だろうが。いままでは、高校を卒業してから二年間の猶予期間があったので、そのあいだに先輩や就職先の上司などから様々なレクチャーをうけることができました。
しかし、今年から、社会に出ると同時にいきなり成人です。というか、高校在学中に成人してしまう子もいます。おそろしい時代になってしまいました。
高校生が自分のクレジットカードの契約が出来てしまうんですよ。親の許可なく。
今でこそクレジットカードは日常的に定着していますが、はしりのころはお年寄りなど、勝手がわからない人がキャッシュカードのように使ってしまい、トラブルになった時代もあります。
お年寄りや成人したての若者などは、そのような商品の勧誘の対象になりがちです。若者向けのクレジットカードの中には「リボ払い専用」(恐ろしく手軽で恐ろしく金利が高い借金)のものもあり、戦慄してしまいます。(絶対にダメ)
そんな生き馬の目を抜くような時代になり、わたし自身もぜんぜんまったくお金の素人だったのに、必要に迫られて、えっちらおっちら勉強することにしました。
わたし?ぜんぜん詳しくありません。いやもう、本当に初歩の初歩、「子ども向け」「初心者向け」からはじめないといけないレベルなのです。
それでも、まっっったく何も知らなかった頃はどんなに危なっかしく生きてきたのかがわかり、今更ながらびびりまくりの日々。もともと、お金のことが苦手だったからというのもあるのですが、今までこんなに無知でなんとか生きてこられたのは、運がよかったからとしか思えません。
そんなわけでわたしは、義務教育で多少なりとも法学と金融を教えるべきだと思うのです。18歳で成人なんて、怖すぎます。
これは、小さなお子さま向けの詳しい「お金の解説書」です。全頁フルカラーで、お金の成り立ちから、歴史、おこずかいのもらい方、使い方、お金を稼ぐとはどういうことか、ものとお金の流通などについて段階を追って解説しています。
全部で七つの章に分かれており、
1 おかねって、どんなもの?
2 おこずかいをもらおう!
3 おこずかいをつかおう!
4 いきていくには おかねがかかる?
5 もののねだんって どうきまるの?
6 どうすれば おかねを かせげるの?
7 めざせ! おかねのつかいかためいじん
と、なっています。
読んでいるうちにだんだん内容が高度になってゆくだけではなく、パズルやゲーム的要素もあって、楽しく読み進めることができるという親切設計。
最近はデジタルマネーも浸透してきましたが、この本を読みながらお金を理解する場合は、まずはコインと紙幣を使ったほうがよいように思います。
また、冒頭のファンタジーがよく読むとリアルでおそろしいのですよ。
子どもたちがおこずかいが足りなくてガチャガチャができなくて困っていると、妖精が現れて不思議な財布をくれる。それは「いくら使ってもお金が減らない財布」。でも、注意書きをちゃんと読んでね、と言い残して妖精は消えてしまいます。
子どもたちは喜んでお金を使いますが、やがて財布の底から注意書きが……「このさいふはじぶんの みらいのおこずかいをかりることができるさいふです」
これは怖い!
つまり
ガチャガチャ → ギャンブル
魔法の財布 → クレジットカード
ってことですね…… 絶妙のたとえではありませんか!
このように、お金について、小さなお子さまにも理解できるよう、工夫がこらされた絵本です。かなりボリュームがある分厚い本ですが、毎日少しずつ読んで、全部読み切れれば、お金についてのリテラシーがかなり高まるようになっています。
もちろん、お金について知らなければならないことは、これだけではないのですが、「お金についてのポジティブな面」だけでなく「ネガティブな面」をちゃんと教えてくれているのも素晴らしい。
小さな子どもと一緒に大人が読んでも、気づくことが多い絵本です。内容的に、だいたい5歳か6歳くらいから。本当に「はじめての」と言う感じの本です。このボリュームでこのお値段はお得です。
なんだか世知辛い世の中になってしまいましたが、おうち時間、お子さまと一緒にお金のことを話し合うのもいいかもしれません。お金と言うと重々しくなりがちですが、絵が楽しげで、明るい気持ちになりながらシビアなことも学べると言うバランスのいい絵本なので、おすすめです。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
情緒的な絵本ではありません。明るく楽しい、お金の解説書です。かわいい絵でわかりやすく書かれていますが、お金のポジティブな面だけでなく、ネガティブな面も書かれていて、そこがかえって安心です。
パズルやゲーム的要素もあって、わかりやすく理解できるよう書かれています。電子書籍もありますが、これは紙の本のほうがわかりやすいでしょう。
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