【ザ・ランド・オブ・ストーリーズ】おとぎ話の世界で大冒険!わくわくのシリーズ第3巻【グリムの警告】【小学校中学年以上】

2024年3月28日

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ザ・ランド・オブ・ストーリーズ  3 グリムの警告 クリス・コルファー/著  田内 志文/訳 平凡社

次期フェアリー・ゴッドマザーになるための修行中のアレックスと、現実社会でがんばるコナー。けれど、ランド・オブ・ストーリーズには危機が迫っていました。200年の時を越えて、ナポレオンの大陸軍が侵略してきたのです……

この本のイメージ 冒険☆☆☆☆☆ おとぎ話☆☆☆☆ 今度は戦争だ☆☆☆☆☆

ザ・ランド・オブ・ストーリーズ  3 グリムの警告 クリス・コルファー/著  田内 志文/訳 平凡社

<クリス・コルファー> 1990年生まれ。アメリカ合衆国出身。俳優、歌手、脚本家、作家。第68回ゴールデン・グローブ賞最優秀助演男優賞を受賞。 

 「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」の第3巻「グリムの警告」は原題がThe Land of Stories: A Grimm Warning. 原書初版はアメリカで2014年。日本では2019年が初版です。

 全国の「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」ファンのみなさま、こんにちは。読むの遅くて、本当に申し訳ありません。いろいろとのびのびになって、ようやくふたたび読み始めました。

 そして、映画化情報を知りたくて検索していらっしゃる方……ごめんなさい、わたし、知らないんです……。映画化決定のニュースが出たのは早かったと思うのですが、その後、ウンともスンともお知らせがないですよね。一応、わたしも調べたのですが……。いったい、どうなったのでしょう。

 さてさて、アレックスとコナーのふたごのきょうだいが、「おとぎ話の国」に飛び込んで大冒険を繰り広げる「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」。

 おとぎ話のキャラクターが大集合というと、アメリカのドラマ「ワンス アポンア タイム」シリーズを思い出します。(わたし、大好きだったんですよ! ただし、シーズン5以降は見てないんですが……)

 また、本の中へ飛び込んで大冒険! は、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」や、コルネーリア・フンケの「魔法の声」を思い出しますね。これらが大好きな方ならストライク!なお話。

 ただ、お話が完全に続いているので、第1巻「願いをかなえる呪文」から順番にお読みになるのが良いでしょう。
 「願いをかなえる呪文」のレビューはこちら

 さて、今回は……

 「ランド・オブ・ストーリーズ」にとどまり、フェアリー・ゴッドマザーの跡継ぎとしての修行をはじめたアレックス。現実世界で学校に通うコナーは、ドイツへ修学旅行に行くことになりました。

 あの「グリム兄弟」の新作小説が、タイムカプセルから出され公開されるというのです。コナーはわくわくしながら、はじめての海外旅行に向かいます。しかし、ドイツでは驚くべきことがコナーを待っていました。

 式典で発表されたグリムの3つの未公開小説……コナーは物語の最後の1つが秘密のメッセージであり、「ランド・オブ・ストーリーズ」への警告だと気づきます。ナポレオンの軍隊が「ランド・オブ・ストーリーズ」へ200年の時を越えて攻めてくるのです。

 コナーは友人のブリーと、偶然出会った少年エメリッヒと一緒に、グリムの警告の謎を解き、ランド・オブ・ストーリーズへと再度旅立つ決意をするのでした。

 はたして「ランド・オブ・ストーリーズ」の運命は? コナーたちは間に合うのでしょうか……

 ……と、いうのが今回のあらすじ。

 2巻までと比べて一気に物語が大規模になります。200年前の人々とはいえ、軍隊が攻めてくるのです。
 それに対して、ランド・オブ・ストーリーズは結束して立ち向かわなければならなくなります。

 今回は、「ピノキオ監獄」に捕られていた謎の「仮面の男」が新キャラとして登場。どうやらふたごたちの「宿敵」となるようです。彼の正体は何者なのか…… アレックスたちの出生の秘密にもかかわってきそうです。

 最近のアメリカでは、古典的なおとぎ話を知らない子どもたちが増えていて、それがちょっとした問題になってきているとか。

 「ワンス アポンア タイム」や「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」のような作品は、今風の物語の中に昔のおとぎ話を混ぜ込むことで、古典童話にふれる機会を得てほしいと言う意図で作られているのだそうです。

 日本でもauのコマーシャル「三太郎」や日曜の特撮番組などで、おとぎ話を使うようになりました。
 古典童話は誰でも使えるフリー素材であると同時に、後世に語り継ぎたい大切な文化なので、そんなふうに新しいファンタジーとなって子どもたちのパートナーに返り咲くのは素晴らしいことですね。

 読後は、物語の中に登場するシンデレラ、ラプンツェル、赤ずきん、マザー・グースなどは、それぞれの本や映画を見せたり、親子でお話するのも盛り上がりそう。横展開が楽しいファンタジーです。

 過去のレビューでも書きましたがこのお話、女性キャラが悪女気味にも関わらず魅力的なのです。それに対して、イケメン要素が少し足りないのが残念なところ。

 とはいえ、「おとぎ話」の王子さまって、印象薄い……と言うか……とくに何と言うこともないですよね……。ディズニーファンタジーも、たいてい、かっこいいのはプリンセス。王子でいいなあと思うのは、「美女と野獣」の野獣くらいですよ(偏見)。

 若い頃、当然ながらわたしの友人たちは全員「美女と野獣」がイチオシでした。ベルは本好きのオタクだし、プレゼントが「図書館」って、すばらしすぎる。オタクに理解ある王子(そこか!)。

 物語を読むのが大好きな人は、子どもの頃一度は、「あの本の中へ入ってみたい」「あそこへいきたい」「あのキャラに会ってみたい」と思ったことがあるはず。そんな願いがそのままお話になったようなファンタジーが「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」です。

 大人が読めば「へええ、あの物語のあのキャラが」と面白く、小さな子どもが読めば「このおとぎ話はどんな話なんだろう」と昔話に興味を持つきっかけになり、世界が広がります。

 本と現実を行き来して大冒険をする、わくわくのファンタジー。
「物語」を愛するすべての人におすすめです。

※この本には電子書籍もあります

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 軍隊が出てきたり戦ったりするので、暴力シーンや人が死ぬシーンがありますが、気をつけて書かれているので、それほど残酷ではありません。「そういうシーンがあるのだな」と身構えていれば大丈夫な方からおすすめです。

 古典的なおとぎ話がたくさん登場しますので、昔話に触れる機会がもてます。
 読後は、ザッハトルテとコーヒーでドイツの気分で一休みしましょう。

 

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