【あしたからは名探偵】とぼけた名探偵と一緒に事件を解決しよう!ミルキー杉山シリーズ第3巻。愛されるロングセラー【小学校低学年以上】

2024年3月28日

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あしたからは名探偵  杉山亮/作 中川大輔/絵  偕成社

俺はミルキー杉山。職業は探偵だ。今日も俺のもとへ事件が舞い込んでくる。謎の落書き事件と、そして、大泥棒、「怪盗ムッシュ」の事件だ。俺の活躍を見ていてくれよ……

この本のイメージ 推理☆☆☆☆☆ 名探偵☆☆☆☆☆ 怪盗☆☆☆☆☆

あしたからは名探偵  杉山亮/作 中川大輔/絵  偕成社

<杉山亮>
杉山亮(すぎやまあきら)。
1954年東京に生まれる。1976年より保父として、各地の保育園などに勤務。手づくりおもちゃ屋<なぞなぞ工房>を主宰。著書に「たからものくらべ」「子どものことは子どもにきく」「子どもにもらったゆかいな時間」「もしかしたら名探偵」など。

<中川大輔>
1970年神奈川県に生まれる。児童文学美術家連盟会員。おもなさし絵の仕事に、「BOOK術・子どもの本がいちばん」「魔女のよせなべ」「はらぺこ伊助と大どろぼう」「もしかしたら名探偵」など。

 ミルキー杉山の名探偵シリーズ、第3巻は「あしたからは名探偵」。初版は1995年です。

 うおお、1995年ですよ。95年といえば、「ウィンドウズ95」。インターネット元年ともいうべき年です。なつかしいですね。もう30年近く昔なのですね。

 携帯電話も一般的ではなく、パソコンを持っている人も少ない、そんな時代でした。自宅に設置してある大きな電話と、せいぜいファックスくらいが通信手段。公衆電話は大活躍、NTTの伝言ダイヤルや留守番電話が伝言手段の時代でした……。

 SNSで即レスが求められる現代に比べて、のんびりした時代だったのです。

 そんな時代から愛されるロングセラー、名探偵ミルキー杉山シリーズ。

 このシリーズ、パズルのような短編小説で、挿絵や文章を楽しみながら犯人を推理する参加型推理小説です。エラリー・クイーンの「国名シリーズ」のように「事件編」と「解答編」に別れていて、解答編を読む前に、読み返したりして考えることが出来るのが楽しい。

 また、シリーズを通しての謎もいくつかあって、たとえばこの名探偵、どうも純粋な日本人らしいのに「なぜミルキー?」なのか、さっぱりわからない。
 そして「わけあってわかれて暮らしている」妻のたつ子さん。夫婦仲は良好みたいなのに、家にいません。普段は保育士をして働いていて、時々、子どもたちのためにこっそりご飯をつくりに来ているみたいです。
 しかし、ずば抜けて頭がよく、ミルキーが事件を解決できずに困り果てるとたつ子さんに知恵を借りにゆき、助けてもらうというパターン。

 今回も、たつ子さんが登場。怪盗ムッシュの事件を見事に推理します。
 ロングセラー小説なので、このようにどんどん常連キャラが増えてゆくみたい。これは楽しいですね。

 今回は、たつ子さんのお願いをきいて保育園バスをかっとばしてくれるコンコン保育園の園長先生がいい味出しています。バスを飛ばしてくれる園長先生はかっこいいですが、バスの中であっという間に推理してしまうたつ子さんもすごい。

 小さな子どもにとって、推理小説は論理的に考える力を、ファンタジーは想像力を育んでくれるといいます。ちょっぴり荒唐無稽なミルキー杉山のシリーズは、これらの両方を成長させてくれそうです。

 とぼけた絵が楽しく、読み返してもその都度発見があり、長く楽しめます。推理も、本格的な部分とちょっととんちが必要なものもあって、頭のいろんな部分を使わさせることで先入観を壊してくれます。そうそう、ムッシュの事件はわかりましたよ!(←子どもとはりあうなよ……

 ほとんどがひらがなで書かれており、とても読みやすいので小学校低学年から。かしこい子なら幼稚園から大丈夫です。読み聞かせにもおすすめ。ミルキー杉山の一人称なので、どうぞお父さんが読んであげて下さいね。

 とぼけててゆかいな名探偵、ミルキー杉山シリーズ。ストーリーやキャラクターが魅力的で知育要素も高く、男の子でも女の子でも楽しめます。パズルやクイズが大好きなお子さまなら、ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。

 ※この本は電子書籍もあります。

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 ネガティブな要素はまったくありません。探偵の物語ですが殺人や暴力のシーンはないし、終始明るく楽しい物語です。性別関係なく楽しめるので、男の子にも女の子にもおすすめです。
 
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