【こんとあき】ぬいぐるみと一緒に旅に出る。30年以上愛されるロングセラー絵本【4歳 5歳 6歳 7歳】

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こんとあき 林明子/作 福音館書店

こんは、あかちゃんをまっていました。こんは、おばあちゃんにあかちゃんのおもりをたのまれて、さきゅうまちからきたのです。「あき」というのが、あかちゃんのなまえでした……30年以上愛されるロングセラー絵本。こんとあきの二人旅大冒険。

この本のイメージ ぬいぐるみファンタジー☆☆☆☆☆ はじめてのおつかい☆☆☆☆☆ 無償の愛☆☆☆☆☆

こんとあき 林明子/作 福音館書店

<林明子>
1945年東京生まれ。横浜国立大学教育学部美術科卒業。絵本作家として活躍中。「きょうはなんのひ?」(福音館書店刊)で、第二回絵本にっぽん賞受賞。「おふろだいすき」(福音館書店刊)で、サンケイ児童出版文化賞美術賞受賞。

こんとあき 林明子/作 福音館書店

 30年以上愛されるロングセラー絵本、「こんとあき」。初版は1989年です。

 両親が働いている家の子や、内向的な子どもの部屋には「相棒」のようなぬいぐるみがいる場合があります。
ぬいぐるみを大切にしているって、子どもっぽい、幼児性が抜け切れていないと思われがちですが、内向的な子どもが思考を掘り下げ、自分と対話するために必要だったりもするのです。

 「こんとあき」は、きつねのぬいぐるみのこんと、あきちゃんという小さな女の子の旅のお話。
 あきちゃんが生まれた時、おばあちゃんから「こん」と言うきつねのぬいぐるみをもらいます。あきちゃんは、いつでもどこでもこんと一緒。あきちゃんが成長するにつれ、こんは古くくたびれてゆきます。

 ある日、こんの腕のところの縫い目がほころびてしまいました。こんはおばあちゃんになおしてもらえばいいからだいじょうぶ、と言います。

 おばあちゃんのところに行こうとするこんを、あきちゃんは一緒に行こうと追いかけます。

 電車に乗って砂丘町へ。こんとあきは、ふたりだけの旅に出ます……

 と、いうのがあらすじ。

 わたしは、動物ファンタジーと同じくらいぬいぐるみファンタジーが好きです。
 動物って時々、自分は人間より大人で、自分のほうが人間をお世話しているのよ、と言わんばかりの顔をすることがありますよね。

 ぬいぐるみも、たまにそういう表情をすることがあるんです。(気のせい)

 「こんとあき」は、ぬいぐるまーが時々、長年一緒にいるぬいぐるみを見ていて感じる不思議な感情を、短いストーリーにしてくれているので、大人になってから読むとなつかしいようなせつないような不思議な気持ちが押し寄せてきます。

 小さなあきちゃんと、あきちゃんが大好きなこんの二人旅は、山あり谷ありでハラハラすることがいっぱい。こんは何度もピンチになりますが、いつもあきちゃんを心配させないように「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言います。

 こんのあきちゃんへの愛は、親の愛のようなのです。
 自分の腕がほつれても、しっぽが電車のドアにはさまれてぺちゃんこになっても、犬に襲われて砂まみれになっても、何があっても「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言って、あきちゃんを気遣う無償の愛。

 大人になった今読むと、子どものころに読んだら感じなかっただろう、幸せと罪悪感が入り混じったような、いとおしい気持ちで涙ぐんでしまいます。

 ぬいぐるみや人形は、自力で動くことは出来ないし、逃げることも戦うこともできないけれど、何者にもまさる力、持ち主の心に寄り添う偉大な力があるのですよねえ。

 字はすべてひらがなで、50音が読めればおひとりでコツコツ最後まで読みきれます。もちろん、読み聞かせにも。

 また、最初のページと最後のページにこんの型紙らしき絵が描いてあり、これを使えばおそらくこんがつくれるようになっているのではないでしょうか。この仕掛けはうれしいですね。

 小さな子どもが読めば、ひとりで電車に乗って知らない町へ行く、わくわくの大冒険ストーリーとして楽しめますし、大人が読むとこんの宇宙ほど大きな愛情を感じて、しみじみと郷愁を感じます。

 どうぞ、読み聞かせしてあげてください。
 世界が愛であふれていることを感じさせてくれる、名作絵本です。

※この物語には続きがあり、そこにはおばあちゃんがつくった「あげどん弁当」なるものが登場するようです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。きつねのぬいぐるみ、こんのあきちゃんへの愛が海より深く、空より広いのが泣けます。
 愛とはこういうものだ、と伝わる名作です。

 保護者の方が読み聞かせすれば、きっとお子さまに愛情が伝わることでしょう。

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