【ザ・ランド・オブ・ストーリーズ】童話の世界を縦横無尽!新感覚のファンタジーシリーズ第4巻【仮面の男と悪の軍団】【小学校中学年以上】

2024年3月30日

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ザ・ランド・オブ・ストーリーズ  4 仮面の男と悪の軍団 クリス・コルファー/著  田内 志文/訳 平凡社

ピノキオ監獄に囚われていた囚人はパパ?悩むアレックスは、妖精院のメンバーたちと亀裂を作ってしまいます。しかし仮面の男の陰謀は着々と進行していました。それは、どんな小説にも扉を作る秘薬の力で、最強の軍団を作ることでした……

この本のイメージ 冒険☆☆☆☆☆ おとぎ話☆☆☆☆ 名作大集合☆☆☆☆☆

ザ・ランド・オブ・ストーリーズ  4 仮面の男と悪の軍団 クリス・コルファー/著  田内 志文/訳 平凡社

<クリス・コルファー> 1990年生まれ。アメリカ合衆国出身。俳優、歌手、脚本家、作家。第68回ゴールデン・グローブ賞最優秀助演男優賞を受賞。 

 「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」の第4巻「仮面の男と悪の軍団」は原題がThe Land of Stories: Beyond the Kingdoms. 原書初版はアメリカで2015年。日本では2019年が初版です。

 全国の「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」ファンのみなさま、こんにちは。そして、映画化の情報をお探しのみなさま……本当にすみません、わたしもわからないです……どうなったのでしょうね。

 女の子のアレックスと男の子のコナーのふたごのきょうだいが、「おとぎ話」の国に飛び込んで大冒険するファンタジー、「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」。

 今回は、伝統的なおとぎ話だけでなく、「オズの魔法使い」「不思議の国のアリス」「ピーター・パン」など、作られた小説の中にも飛び込みます。

 ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」や、コルネーリア・フンケの「魔法の声」を思い出します。これらのお話が好きなら、わくわくしてしまうのではないでしょうか。

 お話が完全に続いているので、第1巻「願いをかなえる呪文」から順番にお読みになるのが良いでしょう。
 「願いをかなえる呪文」のレビューはこちら

 さて、今回は……

 ピノキオ監獄に幽閉されていた大悪人「仮面の男」が自分たちのパパだと思ったアレックスは、ひとりでずっと悩んでいました。その悩みを「妖精院」のメンバーに理解されないまま、彼女はフェアリー・ゴッドマザーの座を除名されてしまいます。

 一方そのころ、「仮面の男」は失った大陸軍のかわりに、大きな軍隊を作ろうとしていました。それは、「オズの魔法使い」や「不思議の国のアリス」「ピーター・パン」など、人間の手で創られた小説の世界に扉を作り、そこから悪党ばかりを集めた最強部隊。

 さて、この男の野望をふたごたちは阻止できるのか……

 ……と、いうのがあらすじ。

 今回のお話では、シンデレラ、赤ずきん、眠れる森の美女など伝統的なおとぎ話だけでなく、「オズの魔法使い」「不思議の国のアリス」「ピーター・パン」などの児童文学の世界も登場します。

 これらの世界を縦横無尽に旅して、仲間を集め、冒険するファンタジーです。

 最近のアメリカでは、古典的なおとぎ話を知らない子どもたちが増えていて、それがちょっとした問題になってきているとか。

 テレビドラマ「ワンス アポンア タイム」や、この「ザ・ランド・オブ・ストーリーズ」のような作品は、今風の物語の中に昔のおとぎ話を混ぜ込むことで、古典童話にふれる機会を得てほしいと言う意図で作られているのだそうです。

 日本でも、「桃太郎」や「金太郎」「浦島太郎」などをモチーフにしたテレビCMや、特撮番組などが作られています。おとぎ話は、世代を超えた共通言語であり、貴重な文化。こんなふうに新しいコンテンツに生まれ変わるの素晴らしいことです。

 また、今回登場した児童文学も、すでに読んでいれば「あのキャラに会える」と言うわくわくがあるし、知らなければ「読んでみたい」と思えるので、どちらにせよ、「物語の世界」への興味がわきます。(「オズの魔法使い」「不思議の国のアリス」「ピーター・パン」は、このブログでもレビューを書いていますので、よかったら読んでみてくださいね。)

 現代まで生き残っている名作は、やはり作品の力が強いので、「古臭い」とは言わずに読んでみるのがおすすめ。
 「子どもたちのために」と愛情と祈りをこめて書かれた作品が多く、純粋なパワーがあります。また、時代背景なども知ることができて、学ぶことも多いのです。

 それにね、名作のキャラクターたちを一同に集めて最強軍団を作るって、小さな子供のころ、物語好きなら一度は考えたのではないでしょうか。

 最近は、こういうオールスターコラボ企画は、どんなコンテンツでも人気です。スーパーロボット大戦とか、特撮ヒーロー大集合とか。古今東西、子ども心を鷲掴みにするコンセプトです。

 個人的にこの手のコラボでのいちばんのお気に入りは、子供のころ漫画雑誌「花とゆめ」に掲載されていた、「スケバン刑事」の麻宮サキと「ガラスの仮面」の北島マヤが共演した合作漫画(古いよ)。今も昔も、ああいうのはわくわくします。

 今回は赤ずきんちゃんが大活躍。いちばん成長いちじるしいキャラクターです。突然、怒りっぽくなったアレックスには、どうやら何者かの呪いが関係しているようで、これも行方が気になります。

 ブリーやエメリッヒなど、現実世界のコナーの友だちたちにも出生の秘密があったようで、このあたりの謎解きも楽しみ。

 たいへんボリュームがありますが、それぞれの章が短いので、飽きる前にどんどん読みすすめられるように書かれています。文章は読みやすく、会話が多いので難しくありません。難しい漢字には振り仮名が振ってありますから、小学校中学年から。大人が読んでも楽しめます。

 子ども心に戻って楽しめる、新感覚のファンタジー、完結まであと二冊です。続きが楽しみですね。

※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はほとんどありません。戦うシーンはありますが、気をつけて書かれており、良心的なファンタジーです。名作児童文学が多数登場するので、お子さまが興味を持てば岩波少年文庫などへの横展開が期待できます。

 読後は、熱いミルクティーとバターつきパンでティータイムを。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

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