【なのだのノダちゃん】親友は吸血鬼?おもちゃの国へ遊びに行く第5巻【おもちゃの国へようこそ】【小学校低学年以上】

2024年3月30日

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なのだのノダちゃん 5  おもちゃの国へようこそ  如月かずさ/作 はたこうしろう/絵 小峰書店

サキが出会った女の子は吸血鬼ロムニア・クルトゥシュカラーチ・パパナッシュ17世。長くて覚えられないから、「ノダちゃん」って呼んでいます。今回は、ノダちゃんと一緒におもちゃの国へ大冒険!

この本のイメージ 怖くないオカルト☆☆☆☆☆ バンパイア☆☆☆☆☆ 人形の国☆☆☆☆☆

なのだのノダちゃん 5  おもちゃの国へようこそ  如月かずさ/作 はたこうしろう/絵 小峰書店

<如月かずさ>
1983年、群馬県桐生市生まれ。「サナギの見る夢」(講談社)で第49回講談社児童文学新人賞佳作、「ミステリアス・セブンス―封印の七不思議」(岩崎書店)で第7回ジュニア冒険小説大賞、「カエルの歌姫」(講談社)で第45回日本児童文学者協会新人賞を受賞

<はたこうしろう>
1963年、兵庫県西宮市生まれ。絵本作家、イラストレーター。ブックデザインも数多く手がける

 自分のことを「わがはい」と言い、「~なのだ」と言うかわいいしゃべり方をする吸血鬼の女の子「ノダちゃん」と人間の女の子サキちゃんの、オカルトファンタジックコメディ第5巻です。初版は2021年。

  一応、毎回一冊で完結の形を取っていますが、サキちゃんとノダちゃんの出会いから順番に読んだほうがわかりやすいため、まずは第1巻「ふしぎなコウモリガサ」からお読みください。

 「なのだのノダちゃん ふしぎなコウモリガサ」のレビューはこちら↓

 今回のお話は……

 お部屋のお片づけをしていたサキちゃんは、小さな頃、大好きだった猫のおもちゃミャーコを見つけます。いつも一緒に遊んでいたミャーコ……でも、ミャーコは壊れていました。

 悲しむサキちゃんのために、サキちゃんのお父さんがお友達の「キノさん」にミャーコを治してもらうように頼んでくれました。「キノさん」のところへミャーコを連れてゆくサキちゃんとノダちゃん。でも、地図を見ながら歩いていたはずなのに、ふたりは迷ってしまい……

 ようやくたどりついたキノさんの家はブロックで作ったような、かわいくて不思議なおもちゃ屋敷。やさしいキノさんは不思議な力でミャーコを以前より素敵になおしてくれました。

 ところが、その翌日、不思議なことが……

 ……と、いうのがあらすじ。

 三つのお話に別れていますが、全体的に一つのストーリーになっています。

  ・おもちゃやしきでおおさわぎ
  ・ふしぎなドアのむこうには
  ・おもちゃの国のぼうけん

  の三本です。

 今回も新キャラが登場。サキちゃんのお父さんと、キノッピオ・モッチャさんという不思議なおじさんです。

 サキちゃんのお父さんは普通の人なのですが、なかなかいい味を出している人で、オヤジギャグを連発したりヘンテコダンスをしたりする、陽気な八百屋さんです。一緒にいると楽しそう。

 キノッピオ・モッチャさんは、不思議な不思議なおもちゃ屋敷の主人。どんなおもちゃも完璧以上に修理してくれます。そのうえ、キノッピオさんの家からは、「おもちゃの国」への入り口があったのでした。

 小さな頃に大好きだったおもちゃ。あれはどこに行ったのでしょう。
 子供の頃に大好きだったおもちゃをそのまま部屋に飾っている人は少ないでしょう。サキちゃんのように、大切に箱にしまって片付けてしまう家もあれば、いつのまにかお母さんが処分してしまう家もあります。

 でも、おもちゃにだって気持ちがあるのでは……と、言うのが今回のお話。

 わたしは、大人になった今でもぬいぐるみが好きです。でも日本人はわりと大人になってもかわいいものやおもちゃっぽいものが好きですよね。

 たとえば、ファミリーレストランのガスト。
 最近では猫型のロボットが料理を配膳してくれるようになりましたが、あれって構造的に猫の顔や耳がついてなくても機能するじゃないですか。

 でも、猫のほうが絶対にかわいい。あの配膳ロボが導入されてから、猫が料理を運んでくるのを小さな子どもたちだけでなく、大人もお年寄りも目を輝かせて待つようになりました。

 「かわいいもの」は、年齢関係なく人に癒しをくれるのです。

 今回のお話は、小さなお子さまには今遊んでいるおもちゃを大切にしようと思えるし、大人が読むとなつかしさに心がほっこりします。

 字はほどよい大きさで読みやすく、すべての漢字にふりがながふってありますので、小学校低学年から。サキちゃんの一人称なのでとても読みやすく、読み聞かせにもおすすめです。読むのに必要な力量的には「なんでも魔女商会」や「魔法の庭ものがたり」「テディ・ロビンソンシリーズ」「メリーメリーシリーズ」あたりと同じくらいです。

 はたこうしろう先生の絵も表情豊かでかわいい。わたしは、ロボットをすりすりしているノダちゃんの絵が大好きです。

 ノダちゃんがかなり中性的で、サキちゃんとノダちゃんがかなり無鉄砲な大冒険をするお話なので、男の子も抵抗なく楽しく読めると思いますよ。

 明るく楽しい、オカルトファンタジックコメディ。ハロウィンシーズンにぜひどうぞ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。小学校低学年向けの、総ルビの楽しい小説です。字の大きな軽い小説を卒業して、少しボリュームのある小説を読み始めの頃の本です。三つの章に分かれているので読みやすいと思います。

 読後はトマトジュースでひと休み。

 

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