【石は元素の案内人】鉱物の世界をのぞいてみよう。美しくて不思議な大地の世界【たくさんのふしぎ】【小学校低学年以上】

2024年3月31日

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月刊たくさんのふしぎ  石は元素の案内人  田中 陵二/文・写真 福音館書店

わたしたちの暮らすこの地球は、巨大な岩石。石は元素の案内人。鉱物の魅力を解説した、様々な写真が盛りだくさんの、わかりやすい雑誌です。

この本のイメージ 鉱物☆☆☆☆☆ 結晶☆☆☆☆☆ 元素☆☆☆☆☆

月刊たくさんのふしぎ  石は元素の案内人  田中 陵二/文・写真 福音館書店

<田中 陵二>
1973年、群馬県生まれ。(公益財団法人)相模中央化学研究所主任研究員。東海大学理学部化学科客員教授。群馬大学大学院工学研究科博士後期課程修了。科学技術振興機構研究員などを経て現職。専門は有機・無機ケイ素化学、結晶学および鉱物学。マクロ科学写真の撮影もおこなう。共著に「よくわかる元素図鑑」(PHP研究所)、「超拡大で虫と植物と鉱物を撮る」(文一総合出版)、監修に「GEMS 美しき宝石と鉱物の世界」(東京書籍株式会社)などがある。2013年より月刊誌「現代化学」(東京化学同人)にて「結晶美術館」を連載中。子どもにむけた本は、本作がはじめて。

 ご案内するのが遅くなって、市場にほとんどない本になってしまいました。2022年7月発売の雑誌です。「たくさんのふしぎ」は、良書ばかりで、どれもおすすめです。雑誌の中には電子書籍化されているものもあるので、これもぜひ、電子化してほしいと思います。(現在重版されているようです。福音館さま、ありがとうございます。2022.11月追記)

 さて、当サイトでは、このような科学系の本や雑誌の場合、科学大好き、自然大好きプログラマーに登場してもらうことになっています。今回もおねがいしてしまいましょう。

 では、どうぞ!

たくさんのふしぎ「石は元素の案内人」
 コンピュータの世界の原子は0と1、というお話を前にしました。こんどは現実世界の物質を構成するすべての基本、原子のお話。 

 原子とは「粒」として考えた時の世界の根本・基本で、その原子を種類として、要素としてとらえたときは元素とよばれています。  

 元素は、現在118種類の存在が明らかにされていますが、この本ではもうちょっと基本の90種類に的をしぼって語られています。

 どれもちがってみえる、この世界のすべてのものが、この元素の組み合わせで作られているわけです。

 それらの元素について調べるには、なにも難しいことはなく、そこらへんに転がっている「石」から知ることができるのです。

 この本では、まず、石、鉱物としてとらえた時の塩=岩塩からスタートして、元素の世界へわけいる道筋を解説してくれます。

 見た目もたいへん美しい写真をつかった結晶構造の話や、砂鉄を実際に溶かして鉄を取り出す方法、ちょっと危険(くさい!)な昆布からヨウ素をとりだす方法など、なかなか興味深い内容がつまっています。

 そして、おまけ的に著者の方が撮影したという元素の写真をならべた元素周期表のポスターがとじ込みになっていて、この美しい周期表を壁に貼るだけでも、世界の大本おおもとである元素の世界に思いをはせることができるとおもいます。

 ※裏側にはさまざまな鉱石の結晶のこれまた美しい写真がまとめて印刷されています。こちらを張るのもいいですね!

 「コンピュータの世界の原子は0と1」という解説があったのは、「ゼロとワンが紹介 プログラミング言語のいろいろ」の記事です。こちらも面白い本なので、読んでみてくださいね。

 女子の「きらきらしたもの好き」の性質は、小さな子どものころから、たいていの子にはあります。
 お菓子のオマケのプラスチックの指輪や、縁日のきらきらアクセサリーが大好きで、大喜びしたことがあるはず。
 しかし、ここから先が大きく分かれるところ。

 成長したとき、それが順当に「アクセサリー好き」→「宝石が好き」になる人(ふつう)と、「ゴツゴツした岩石みたいな原石や結晶が好き」になる人がいるのです。

 どちらかと言うと、わたしも身につけるゴージャスな宝石より、結晶を見ているほうが楽しい。たぶん、河原できれいな石ころを見つけたような楽しさがあるのだろうと自己分析しています。

 かなり昔ですが、もうすこし世の中が安定していたころは、「ミネラルフェア」などの鉱物展に出かけたりしていました。買おうとなればいいものは高いのですが、眺めているだけで楽しいものでした。

 厳密に言うと、このあたりのストーン系愛好家も、この先に「おまじない系」(パワーストーン)と「鉱物好き系」にさらに分かれてゆくんですよ。
 おまじない的な効果がほんとうにあるのかどうかはまったくわかりませんが、鉱物は美しいですよね。それで充分。
 かといって、わたしは宝石どころか原石や結晶だって気軽に買うほど豊かでなければ、目下のところ飾っておく場所もないため、最近はミネラル系の展示会も行っていないのですけども(そもそも今、やっているのかどうかも知らない←出不精)。

 でも、きらきらしたクラスターを見てると、不思議に落ち着いた気持ちになることはあります。
 遠い遠い太古の昔からこの石はやってきたんだろうなあ、と想いをはせると、自分の悩みがとてもちっぽけに思えて気が楽になる。石は長寿なので人類よりずっと大人で賢いような気がするのです。

 わたしがボンヤリしているうちにかなり入手困難になってしまったので、ご興味をもたれたらお近くの書店から出版社にお問い合わせされるか、図書館でお探しください。(→重版されたようです!)

 「たくさんのふしぎ」は、古いものも再版されているように見受けられるので、注文が多ければ重版されたり電子化されるかもしれません。子ども向けでこの内容というのは、ほんとうに貴重でいい本です。

 より詳しい「よくわかる元素図鑑 」(こちらも田中先生です)と、現在入手しやすい「岩石・鉱物・化石 DVDつき (小学館の図鑑NEO 18) 」もリンクしてご紹介しておきますね。(画像から飛べます)

 鉱物って、オカルトや投資的意味がなくても、関係なく綺麗で魅力的です。まだまだ解明されてないことも多く、たくさんの秘密が眠っている世界です。

 昆虫好きな子や植物好きな子と同様、鉱物好きな子も、小さな子どもの中に一定数いるので、おでかけしたときに変わった形の石を拾ったり集めたりすることが大好きなお子さまなら、おすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。鉱物の魅力を科学的な見地からわかりやすく解説した本です。最終的に原子の世界まで解説しています。

 石がだいすきで、なにごとも追及したい性格のお子さまに。
 身近な「モノ」が何でできているのかを考えるきっかけになる、素敵な雑誌です。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

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