【よるのあいだに・・・】夜のあいだに社会を支えている人たちを描いた絵本。読み聞かせに【みんなをささえる はたらく人たち】【4歳 5歳 6歳】
わたしがパジャマにきがえるころ、ママはでかける。たいせつな仕事にいくんだ。ビルの清掃、警備、警察官、ニュースレポーター、工事現場の作業員、助産婦、バスの運転手……夜のあいだに彼らが社会を支えてくれている。
この本のイメージ お仕事いろいろ☆☆☆☆☆ 縁の下の力持ち☆☆☆☆☆ 社会の裏側☆☆☆☆☆
よるのあいだに・・・ みんなをささえる はたらく人たち ポリー・フェイバー/文 ハリエット・ホブディ/絵 中井はるの/訳 BL出版
<ポリー・フェイバー>
ケンブリッジで本に囲まれて育つ。オックスフォード大学を卒業後、助産師の仕事をはじめる。退職後、2 人の息子と過ごすなかで子どもの本への情熱を再燃させ、作家の道へ進む。作品に「ふたりはなかよし マンゴーとバンバン」シリーズ(徳間書店)、“The Book Cat”、“Building a Home” などがある。ロンドン在住。
<ハリエット・ホブディ>
ヨークシャーでだいすきな絵を描きながら育つ。ケンブリッジ美術学校を卒業後、作品の制作をして過ごす。チェルトナム・イラストレーション・アワード2017 とブックセラー誌のイラストレーター・ショーケース2018 に選ばれる。作品に“Wild Family”、“Wild Cities”、“Nature’s Toybox”などがある。ヨークシャー在住。
<中井はるの>
東京で日本語、英語、台湾語を聞きながら育つ。子どもの誕生を機に、児童書の翻訳や創作をはじめる。「木の葉のホームワーク」(講談社)で第60回産経児童出版文化賞翻訳作品賞を受賞。翻訳作品に「グレッグのダメ日記」シリーズ(ポプラ社)、「ワンダー」シリーズ(ほるぷ出版)、「ドッグマン」(飛鳥新社)、「木の中の魚」(講談社)、「ちっちゃなサリーはみていたよ」(岩崎書店)などがある。東京都在住。
原題はAll Through the Night.イギリスでの初版は2021年。日本での初版は2022年10月です。
この絵本、今年の10月に出版されたばかりなのに、一時期アマゾンの在庫が無くなったことがあります。(今はあります)これは相当の人気。とにかくいい本なのでご紹介します。
夜のあいだに働き、社会を支える様々な仕事を紹介しています。
ビルの警備や清掃、ニュースキャスター、街をパトロールする警察官、線路を直す工事現場の作業員、朝ごはんに間に合わせるためにパンを仕込むパン屋さん、病院で働く看護師さん、高速バスの運転手などなど……
ここには書かれていないけれど、サーバーの管理などもそうですね。世の中には、夜のあいだに働いて、社会を支えている人たちがたくさんいます。
それらの仕事に対して、やさしい絵と文章で詳しく伝えてくれています。
小さな子どもには、まだまだ社会がどのように支えられているか、知るよしもありません。
けれど、そんな年齢のうちに、この社会は夜のあいだに働いてくれている人々の力で、夜でも電気やガスが使え、ごはんを食べてお風呂に入ることができ、安全に真夜中を過ごせて、翌日には電車に乗れておいしいパンも食べられる、と知ることは大切なこと。
工事現場で働く人の絵にも、長距離バスの運転手にも女性がいます。もはや、男性女性関係なく、必要な場所で必要とされる人々が働く時代になりました。
ラストシーンで夜行バスを朝まで走らせ、仕事を終えて家に帰ってきたママがとてもかっこいい。
青を貴重にした、やさしい絵で、詳細に夜の世界が描かれています。あかりのともったビル、ところどころ電気が点いている町並み、薄暗い路地をパトロールするお巡りさんたちなどなど……
この世界のどこかで誰かが夜のあいだに働いてくれているおかげで、今日もスマートフォンが使えるし、インターネットで動画を見たり音楽を聴いたりできるし、あたたかい部屋で眠ることができる……
あたりまえの世界を支えてくれている、ごくふつうの、がんばる人たち。
今まで見えていなかった世の中の裏側、縁の下の力持ちたちの活躍を知ることができたとき、小さなお子さまの「世界」がぐんと広がります。
これは、子どもにたくさんの発見をくれ、「世界」の見方を変えてくれる絵本です。
夜勤が多い、残業が多いお父さまお母さま、自分が夜遅くまで働いていることを子どもに説明したい保護者の方におすすめです。
お休み前に、ぜひ読み聞かせしてあげてください。
文章は読みやすく、漢字交じりですがすべての漢字にふりがながふってあります。
お父さんが読み聞かせしてあげるのもいいですね。
夜のお留守番タイムのひとり読みに、休日のお休み前の読み聞かせに。
そして、クリスマスプレゼントに、ぜひどうぞ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。
人々が眠っているあいだに世の中を支えてくれている人々のことを描いた絵本です。優しい筆致で青い夜の世界を描いています。夜勤や残業が多い保護者の方のお子さまに。
世界の見え方が変わり、あらたな発見がある絵本なので、HSCのお子さまのほうが多くのメッセージを受け取れるでしょう。
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