【クマさんのいえへいかなくちゃ!】動物たちの友情をえがいた可愛いファンタジー絵本【4歳 5歳 6歳】

2024年4月5日

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クマさんのいえへいかなくちゃ!  ブライアン・リーズ/作・絵  横山和江/訳  徳間書店

ある ふゆのひのことです。シマリスは クマさんから てがみをもらいました。「おねがい、すぐにきて!」シマリスが いえをでると、ゆきが ふってきました。ゆきは どんどんふりつもってきます……

この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ ほのぼの☆☆☆☆☆ プレゼントにおすすめ☆☆☆☆☆

クマさんのいえへいかなくちゃ!  ブライアン・リーズ/作・絵  横山和江/訳  徳間書店

<ブライアン・リーズ>
1963年、アメリカのニュージャージー州生まれ。ブラウン大学で心理学と英米文学を学んだのち、ボストン美術館学校で絵画とイラストを学び、新聞に風刺画を描きはじめる。「コウモリうみへいく」「コウモリとしょかんへいく」(ともに徳間書店)は、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストに掲載された。その他の作品に「よくばりなカササギ」(徳間書店)がある。

<横山和江>
埼玉県生まれ。絵本・児童文学翻訳者。訳書に「わたしたちだけのときは」(岩波書店)、「わたしの心のなか」「キツネのはじめてのふゆ」(ともに鈴木出版)、「フランクリンの空とぶ本やさん」(BL出版)、「300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート」(あすなろ書房)、ほか多数。

 これはかわいい!
 読めば思わず誰かにプレゼントしたくなる、そんな絵本のご紹介。
 原題はGOT TO GET TO BEAR’S. アメリカでの初版は2018年。日本語版の初版は2019年です。

 おはなしは……

 仲良しのクマさんから「すぐに来て!」と手紙をもらったシマリス。
 友だちのピンチかも!と、あわてて外に飛び出します。

 ところが、雪が降ってきて、シマリスくんが歩いているうちにどんどん降り積もってきます。ついに、シマリスは雪に埋もれて歩けなくなってしまいました。

 そこへシマリスより大きいハイイロリスがやってきて、自分の背中に乗れといいます。ハイイロリスは木の枝から枝へと飛び移り、シマリスを運んであげます。

 けれども、雪のために枝の上も滑りやすくなっていました。

 そこへカモがやってきて、自分の背中に乗れば空を飛んで運んであげるといいます。
 シマリスとハイイロリスはカモの背に乗ってクマさんの家へ。

 やがて、雪はさらに激しくなり、空を飛ぶカモも前が見えなくなります。

 そこへやってきたのはアライグマ。シマリスとハイイロリスとカモは、アライグマの背に乗せてもらい、クマさんの家へと走ります。

 それでも雪は降り積もり、シマリスたちは雪に埋まりながら、雪を掻きわけながら進みます。
 やがて、雪の深さに、雪の中にもぐりながら前へすすんでゆくと、ついにはいちばんてっぺんに立っているシマリスしか前を確認できなくなりました。

 みんなの協力でやっとクマさんの家にたどりついたシマリス。

 ところが実は……

 ……と、いうのがあらすじ。

 動物ファンタジーは、本来なら共存し得ない肉食動物と草食動物が仲良く暮らしている様子が描かれます。これは、生物学的には正しくないのですが、「多様な人々と共存する」と言う比喩表現です。

 小さいシマリス君と大きなクマくんは、何から何まで違いすぎますが、お互いを思いやる気持ちや熱い友情でつながっています。木の枝を飛び移るハイイロリスも空を飛ぶカモも、雪の上を走るアライグマも、それぞれ、自分の特技で友だちを助けます。

 友情とはそういうものなのだ、と言うことがよくわかるお話です。
 みんな、それぞれできること、できないことは違う。友だちとは同じことを同じようにするのではなく、友達だからこそ、それぞれの得意なことでお互いに補い合う。

 そして、最後はびっくりの、心温まるハッピーエンド。
 ラストまで読むと、シマリスくんと一緒に「わあ!」と驚き、ほのぼのじーんとした気持ちになります。

 「すぐにきて!」とクマさんからの手紙を読んだら、とるものもとりあえず家を飛び出すシマリスくん。雪が降ろうが、吹雪になろうが、なんのそのです。
 そして、そんなシマリスくんに、多くを聞かず語らず助けてくれる友だちたち。

 こんなふうに友だちに手を貸せる、ハイイロリス、カモ、アライグマさんたちはほんとうに貴重な存在だし、友だちがピンチかもと必死にクマさんのもとへ行こうとするシマリスくんもかっこいい。

 読めば読むほど、彼らの友情に胸が熱くなります。

 文章はすべてひらがなとカタカナ。50音が読めれば、コツコツ読めばひとりで読むことができます。もちろん、読み聞かせにも。

 登場人物たちが全員動物なので、男の子も女の子も、そして年齢も関係なく感情移入することができます。

 絵は、リアルとディフォルメがいい具合にまじりあっていて、リアル寄り。動物たちが服を着ていて二足歩行していますが、過剰に漫画風ではなく、リアルな動物の魅力を表現しています。それなのに、表情豊かで躍動感があり、生き生きとした仕草は思わず目じりが下がってしまう愛らしさ。動物好きさんにも、これは納得なのではないでしょうか。

 クリスマスや誕生日など、特別な日のプレゼントに。
 子どもから大人まで、読めばかならずあたたかい気持ちになる絵本です。

 雪の季節にぴったり。冬のプレゼントにぜひどうぞ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。
 動物好きさんにも満足いただける、動物たちの魅力とあたたかなストーリーを楽しめる絵本です。

 友情のすばらしさを描いており、ラストは心がしみじみじーんとあたたかくなります。
 HSCのお子さまなら、より多くのめっセージを受け取れるでしょう。

 

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