【にんきもののねがい】バレンタインシーズンに!誰からも愛される人気者の悩みとは?【にんきものの本】【小学校低学年以上】

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にんきもののねがい にんきものの本2 森絵都/文 武田美穂/絵 童心社

ぼくのなまえは こまつ なおはる。みんなはぼくを「こまつくん」とよぶ。ほかのともだちは あだながあるのに、なんでぼくだけ「こまつくん」? 人気者にも悩みがありました……。

にんきもののねがい にんきものの本2 森絵都/文 武田美穂/絵 童心社

<森絵都 もり えと>
1968年東京生まれの日本の作家。
91年『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞受賞。同作品で第2回椋鳩十児童文学賞も受賞。『宇宙のみなしご』で第32回野間児童文芸新人賞、第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。本作で第20回路傍の石文学賞他、受賞多数。

<武田美穂>
東京生まれ。絵本に「となりのせきのますだくん」(絵本にっぽん賞、講談社出版文化賞・絵本賞受賞)に始まる「ますだくん」シリーズ、「ふしぎのおうちはドキドキなのだ」(絵本にっぽん賞)、「すみっこのおばけ」(日本絵本賞、読者賞、けんぶち絵本賞グランプリ・以上ポプラ社)、「ありんこぐんだんわはははははは」、「こわいどん」、「かげ」(以上理論社)など。挿絵に「にんきもの」シリーズ(童心社)、「ざわざわ森のがんこちゃん」シリーズ(講談社)、「カボちゃん」シリーズ(理論社)、「こぶたのぶうぶ」シリーズ(教育画劇)、「我輩は猫である」(ほるぷ出版)、などがある。

にんきもののねがい にんきものの本2 森絵都/文 武田美穂/絵 童心社

 

 バレンタインをテーマにした、かわいい本、「にんきもののひけつ」の続編です。初版は1998年。

 ストーリーは……

 クラスの人気者、小松くんは、クラスメイトのみんなから「こまつくん」と呼ばれています。
 バレンタインのチョコレートはいちばんもらえるこまつくん。誰からも好かれるこまつくんですが、こまつくんには悩みがありました。

 ほかのクラスメイトにはみんな「あだな」があるのに、自分にはないのです。

 先生も、男子も、女子もみんな自分のことを「こまつくん」と呼びます。
 「こまつくん」以外の名前で呼ばれたいと思っていたら、別の名前は「がっきゅういいんちょう」。

 それはちがう!
 こまつくんは、イメージチェンジ大作戦を決行します……

 ……と、言うのがあらすじ。

 「にんきののひけつ」で主人公のけいたくんがあこがれて、うらやましがっていたクラスの人気者のこまつくん。でも、こまつくんにも真剣な悩みがあって、けいたくんをうらやましく思っていたのでした。

 最近では、小学校によっては「あだな」を禁止するところもあるようですが、昔はたいていの子にあだながありました。

 と、いうのも「鈴木さん」とか「佐藤さん」とか同じ名字が多すぎて、混乱してしまうからです。ただ、かわいいニックネームや愛称ではなく、失敗や欠点をあだなにしたようなものは、よくないのはわかります。そこらへんの線引きが大切なのでしょう。

 このお話の「こまつくん」は、クラスの友だちから愛されている人気者なのに、あだながありません。みんながちょっぴりの尊敬をこめて「こまつくん」と呼びます。

 こまつくんはそんな特別扱いが嫌で、わざと失敗してみたり、お行儀悪くしてみたりして、優等生扱いをやめてもらおうとしますが、なかなかうまくいきません。

 ここで第1巻「にんきもののひけつ」の主人公けいたくんが現れて、ふたりは協力します。

 「にんきもののひけつ」でけいたくんが心の底からうらやましくて憧れていたこまつくん。そんなけいたくんの気持ちに、素直にこたえてくれたさわやかで優しいこまつくん。

 でも、何でも出来て誰にでも好かれているはずの優等生にも、本人なりに深刻な、深い悩みがあったのでした。

 こまつくんから見たら、けいたくんはみんなからいろんなあだなで呼ばれて愛されていて、自由に生きている。
 自分は、どこへ行っても別格の扱い。みんなの「輪」の中に入れてもらえていない……そんなさみしさを抱えていたこまつくん。

 最後はとってもかわいいハッピーエンドです。
 本人なりに一生懸命なこまつくんはいじらしいし、協力してあげるけいたくんとの男の友情が熱い。

 字は大きく読みやすく、文章は全部ひらがななので、絵本を卒業したばかりのお子さまにおすすめです。イラスト風の挿絵がふんだんに入っており、ユーモラスでかわいらしい。

 こまつくんのような真面目な子にも、けいたくんのような悪ガキの気持ちにも寄り添っていて、優等生が読んでもそうでない子が読んでも楽しめると思います。

 この季節、息子さんやお孫さんにチョコと一緒にプレゼントするのにおすすめです!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。
 真面目な男の子の本人なりの真剣な悩みについて、おもしろく、かわいらしく描いています。個性の違う男の子同士の固い友情もほほえましい。

 小さな男の子へのバレンタインプレゼントに最適。親子で読むと、大人の心も癒されます。ぜひ、読み聞かせしてあげてくださいね。

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